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君が助けてくれた春

作者: せとら.

君が死んだ。



4月7日


出会いで賑わう入学シーズン。

この時期に別れを味わうのは初めてかもしれない。

事故でも他殺でもない。

自殺だった。

君は走行中の電車に飛び込んだらしい。

周りの大人まちの怒号が飛び交っている。

「迷惑だ」「周りのことを考えろ」

無理もない。

周りにとって君は赤の他人。

君がどんな気持ちで飛び込んだかなど知る由もない。



2月17日


バレンタインが終わって周りも落ち着いた頃。

一通のメールがあった。

「死のうと思ってる」

君からだった。

寒かったはずの日。

大量の汗が体をつたった。

「なんで?」

そう聞いた。

「辛いの」

帰ってきた言葉は短かったが、感情がこもっていた。

みんななら君のことを止めるだろう。

ただ、それに何も答えられなかった。

「生きていれば楽しいことがあるよ」

「生きてあいつらを見返してやろう」

そんなのただの綺麗事だ。

当事者はきっと、悩んだ結果死を選ぶのだろう。



4月7日


未読にしたまま2ヶ月が経った時、

一通の訃報が届いた。

あの時返信していれば、止めていれば

何か変わったのか。

自分が殺したかもしれない。

そう考えると夜も上手く眠れない。

君の分まで生きるから、

絶対に忘れないから、

どうか許してくれ。


いや、生きている価値はないのかもしれない。



4月10日


君が死んだ線路に行き、真ん中に経つ。

もうかれこれ2時間待っている。

ふとスマホを開くと

どうやら脱線して運休だそうだ。

こんな自分を君が助けてくれたのだろうか。

溢れる涙を拭きながら、

走って君のお墓に向かった。

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