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エピソード16:Q.愛とは

〜アムールsaid〜


綺麗な夜空を背に一人の騎士は走っていた

「御二人とも…無事でいてください…」

そう呟きながらアムールは必死に走りあの時のことを思い出し自分の弱さを感じていた


〜30分前〜

「待ってください!私も…「ダメ」…どうしてですか!?」

「足でまといだから」


そう言われた私は納得した気持ち半分納得できない気持ち半分だった

理解はしていた、自分が足でまといなことくらい

主を守る立場のはずなのに主より弱い

そんな気持ちが足枷になっているのかもしれない

しかし何よりそれを理解してるはずなのに立ち直れない自分が嫌いだった

そしてこんな時に頼りにされない今の自分が憎くて仕方なかった

それでも納得わできなかった


「し、しかし!私は!」

「アムール…今は0.1秒無駄にできない…言ったよね?」

「は、はい…」

「今のアムールじゃ私の速さについていけない…それを待つ時間はない…わかって」


その言葉を受け取れるほど今のアムールの心は強くなかった

理解していたことを突きつけられる、それは果たしてどれほどの負担を与えるか…

いつものロヴィーナなら言葉を選んでいたかもしれないがそんな余裕はなかった

正直この会話をすぐにでも終わらせようと完結的に話している


「わかってます…私が足でまといなことくらい…それでも…」

「…それでもと言うのなら追いかけなさい、全てが終わる前に」

「ッ!」


驚き、顔を上げた私の目にはほんの少し笑顔をつくったロヴィーナ様がうつった

やはりロヴィーナ様は優しい…そんな優しさを裏切りたくない…そう私は強く思った


「はい!必ず追いついてみせます!」

「じゃぁ、先に行くね」

「はい!」


そしてロヴィーナ様はリフレクターをはりどんどん加速して行った


〜現在〜


あの時のことを思い出しながら私は時折リフレクターをはり全速力で走る

果たしてあのような日々を取り戻せるか…私は不安だったが今はロヴィーナ様が

間に合うことだけを考えよう、私はそう思った


〜ロヴィーナsaid〜


「はぁはぁ…着いた…ストゥーピドの屋敷…」


正直今の体はギリギリだった

距離がもっとあったら体への負担が限界に達して骨が砕けてたかもしれない

しかしそんなことより私の頭の中はフェリチタの安否でいっぱいだった


「ッ!どういうこと?」


その光景はあまりにも異様だった

門の前にいる兵がいなかった、それだけならまだしも門は空いており屋敷の扉も空いていた

それに加え「お前が求めるものは地下にある」と置き手紙も貼ってあった

罠だと誰でも思うだろう、しかし可能性があるならそんな罠にも飛び込んでいくほど

今のロヴィーナは余裕がなかった


「へぇ〜…随分と甘く見られたものね…いいよ、乗ってあげる」


そこからは簡単だった至る所に矢印が貼ってありまるで嘲笑ってるかのようだった

それでも考えてる暇はなかった

すると矢印は地下へと続きそしてひとつのドアにたどり着いた


「この先に…フェリチタが…」


私は先走る気持ちを抑え込めずに勢いよくドアを開けた

そして私が見たのは鎖に繋がれたあられもない服装で静かに涙を流すフェリチタの姿だった


「フェリ…チタ…」

「ッ!ロヴィーナ…様…」


私が一歩前に出るとすぐさまフェリチタの声が地下に響いた


「来ないでください!」

「フェ、フェリチタ?どうしたの?もう大丈夫だよ、一緒に帰ろう」

「無、無理です…私は…私は!」


フェリチタの顔は絶望と不安と恐怖で染まった


「汚されたんです…もう…ダメです…見ないでください…こんな私を…見ないで…」


ピキッ

またヒビが入った割れそうなガラスにヒビが入る音がする

しかし今回はそれだけじゃなかった

チェーンにヒビが入る…そんな音もしたのだった


「大丈夫、大丈夫だよフェリチタ」


私はフェリチタの首に手を回しこちらに引きつける

何を言ってあげるべきかわからなかったがとにかく安心させようとそう思った


「やめてください…私は…汚されて…ッ!」


私はフェリチタを少し離してフェリチタにキスをした

フェリチタは最初驚きたのか動けなかったがすぐに抵抗してきた

そんなフェリチタを押さえつけ私はキスを続けた

そして三十秒程キスを続けるとゆっくとり唇を離した


「フェリチタ…私はね…どんなフェリチタも大好きだよ」

「やめてください…こんな言葉を…かけないでください…私は…汚されて…」

「だったら私がもっと汚してあげる。汚して汚してこんなこと忘れさせてあげる

だから…フェリチタ…帰ろ?私が歩く道にフェリチタがいないと寂しいよ」

「ヴィーナ…様…」


すると扉の方から人が降りてくる音が聞こえる

確認する必要も無い

ストゥーピドだった


「お久しぶりです!ロヴィーナ様!」


そう元気よく挨拶したストゥーピドに私は殺意のこもった目を向けた

ただただコイツが憎くて憎くて仕方なかった


「一つだけ聞く、なぜフェリチタにこんなことを?」

「それはもちろん貴方様をおびき出すためです!いや〜この家の者と結婚させるつもりが

邪魔者がいましたので焦りに焦って作戦を変えざる負えませんでしたよ」


そうニヤついた顔でストゥーピドは答えた


「あなたの…いえ、あなたのボスは何が目的なの?」

「ふむ…どういうことか自分にはさっぱりですな!」

「とぼけなくていいよ、未完全体…私の無限解析を前に隠せると思う?」


するとストゥーピドの相手を嘲笑うかのような態度がガラッと変わった

私はすぐさま短剣を取り出した


「ふむ…甘く見すぎていたようださすがわ勇者といったところか」

「一応聞いておく、貴方はストゥーピド?」

「答えはノーだ」


私の中で点と点が繋がった

兄様がなっていたのは第1段階、そしてコイツは未完全体…第2段階と予想できる

完全体になる前に殺した方がいい

そう思った私はすぐに行動に出た


「速さはある…が軽い!」

「へぇ〜私攻撃に反応して返すなんて」


ストゥーピドの姿をした何かは腰の長剣を抜いて防いだ

正直分が悪い

場所はこちらに分があるがフェリチタがいることによって本気を出せない

何とか外に出たいが相手はそれを許してくれそうにない…

そもそも来る時のリフレクターの負担がまだ残っている

勝機はあるが果たしてそのような時間を待ってくれるかどうか…いや待ってはくれないだろう


「未完全体でこの強さ…完全体は騎士団長レベルかな」

「ふむ、時間稼ぎか…」

「ッチ」


私の言葉に全く反応してこない…下手に情報を出さないためか…

できるだけ情報は欲しい…冷静に進めていくしか


「そういえばそこの娘を汚したやつを知っているか?」

「ッ!!!」

「い、言わないで!」

「それはこの体の息子でな…それはそれは猿のようだったよ」


その時ついに音を立ててチェーンが

…切れた


「……ロス」

「なんと言った?」

「殺す!!!!!!!!!!!!」


そう言ったロヴィーナ今までのロヴィーナと全く違った

ただただ相手を、ストゥーピドの姿をした何かを殺したいとそう思った

今までこんなにも感情をあらわにしたことはなかった

チェーンが切れたとたんにロヴィーナは感情を抑えられなくなっていた


〜???〜


「ん〜切れちゃったか…でもこっちでよかったかも」

「もしあっちが壊れてたら…」

そう言った青髪の女性は少し笑った

「会いたいな〜」


〜ロヴィーナsaid〜


私の頭の中は相手を、ストゥーピドの姿をした何かを殺したいという思いでいっぱいだった

冷静さの欠けらも無い荒々しいとにかく相手の首を狙っていた

私もなぜこうなったのかはわからなかった

止められない、縛っていたものが切れた、そんな感覚を感じだ


「ふむ、冷静さを失ったか」

「殺す!絶対に!殺す!!!!!!!」

「かの勇者と同じく幼少期から前世の記憶を持ち転生したと聞いて警戒していたが…子供だな」


そういいストゥーピドの姿をした何かはロヴィーナを蹴り飛ばした

そしてロヴィーナは勢いよく壁にぶつかり吐血する、さらに額からは血が流れていた

体はリフレクターの反動もありギリギリの状態、さらに勢いよく壁にぶつかったことで

数本の骨が折れる


「もう戦えないか…期待はずれだな、しかし貴様は知りすぎたここで死ね」


そう言ったストゥーピドの姿をした何かは長剣を掲げ振り下ろそうとする


「やめて!!!!」

「弱者が、黙っていろすぐに貴様も殺す」


そう言われたフェリチタだったが必死に繋がれていた鎖を引きちぎろうとする

しかし切れる気配は全くない


「…お前さ、すっごいテンプレなこと言うね」

「ッ!」


そう言ったロヴィーナはすぐさま短剣を首に向けて刺しに行ったが

避けられてしまう


「ふむ、壁にぶつかった衝撃を利用して感情を抑えたか…

しかしもう戦えぬだろう、見たところ体はボロボロ血も足りぬだろう。

その状態でまだ戦うか?」

「もちろん戦うでしょ、私たち勇者の役目知ってる?

あんた達を倒すことだよ」


ロヴィーナは最後の力を振り絞り出すかのように相手の懐に飛び込む

しかしストゥーピドの姿をした何かは少し後ろに飛び長剣を振り下ろす

それをロヴィーナは二本の短剣で受け止める

そしてロヴィーナは空間にリフレクターを貼りそれを踏み勢いよく後ろへ移動する

相手が勢い余ってできた隙をロヴィーナは見逃さずリフレクターを貼り突っ込む

あえて使わなかったブーストとウィンドブーストをここで使い短剣でとどめを刺すと見せ掛け

構成魔法で構造した靴で首を刺しに行くがギリギリのところで避けられてしまう

しかし避けられた先にはリフレクターが貼られておりもう一度首を襲う

想定外だったのかストゥーピドの姿をした何かは反応出来ずにいたがトドメはさせられていなかった

それだけならまだしも体の限界で動けなかった


「ック!せめて貴様を…道ずれに…」

「ヴィーナ様!!!」


ストゥーピドの姿をした何かは長剣を振り上げる

そして下ろそうとした瞬間長剣を持っていた腕ごと切り飛ばされていた

切り飛ばされた腕からは大量の血が流れた

ロヴィーナの攻撃で失った血もあったためかストゥーピドの姿をした何かは起き上がらなかった


「はぁはぁ…アムール…ただいま参りました…」

「遅いよ…アムール…」


そういい私はなけなしの力でフェリチタのところへ行き鎖を切って

フェリチタに手を差し伸べた


「帰ろうフェリチタ」

「…はい」


〜3日後〜


ロヴィーナ証言や現場の確認の結果ストゥーピド一家は全員死刑となった

もちろんこのことだけが一家全員死刑の理由ではない

調べたところ国家を乗っ取ろうと考えていたことが判明した

これは国家反逆罪として成立し一家全員死刑になったのだった

そして私は私の部屋でフェリチタと過ごしていた


「フェリチタ今日は何する?」

「…そうですね…何しましょうか」


このやり取りがずっと続いていた

フェリチタが簡単に割り切れることではないことはわかっている

それでも私はフェリチタに元気になって欲しくて毎日一緒にいる


「そういえば最近アムールがとても頑張ってるんだ」

「ッ!」

「毎日毎日騎士団長に模擬戦頼んでるんだよ」

「そう…ですか…」

「そ、そうだ!フェリチタ!特別にコスプレしてあげる!何がいい?」

「そう…ですね…猫耳のロヴィーナ様が見てみたいです」

「ッ!!!そ、そっか…わかった!楽しみにしててね!」

「…はい」

「じゃぁ一旦席外すね」


そう言ってロヴィーナは部屋を出た

1人残った部屋でフェリチタは考えていた

今後の自分の行動を


〜夜〜


またフェリチタがどこかへ行ってしまった

もちろん私はすぐに飛び出した

そして私が一番最初に言った場所はフェリチタが教えてくれたお花畑

またあのようなことになってしまったら…そう考えると私はリフレクターで急いで移動した


「はぁはぁ…フェリチター!!!」


そう叫んだが周りから反応はない

しかし月光に照らされた人影が見えた

フェリチタだと思い私は急いでそこに向かった


「フェリチ…タ…」


そこに居たのは首を吊って自殺していたフェリチタだった

それを見たロヴィーナは表情を変えずに黙っていた

しばらくするとフェリチタを下ろす

そしてロヴィーナは冷たくなっていたフェリチタを抱いた


「…ごめんね…ごめんね…ごめんね」


私はただそう言うしかなかった


〜二日後〜


フェリチタの葬式は無事に終わった

私はただ下を俯くしかなかった

そして私の部屋戻る度に聞こえるフェリチタの声


『ロヴィーナ様!』

『ヴィーナ様!』

『ロヴィーナ様…』


フェリチタの日々を思い出し私は涙を流した

今まで流して来なかった涙が止まらない…


「フェリチタ…」


そう呟いてロヴィーナはフェリチタがくれたヘリアンサスを見た

そこには一通の手紙が置いてあった

なぜ今まで気づかなかったのか自分を責めたいところだが急いで手紙を開けた


『ロヴィーナ様へ

どうか勝手に死んだ私を許してください。

あの時汚された私にかけてくれた言葉はとても嬉しかったです。

しかし汚された私があなた様のそばに居ることは許されない

誰もがそう思うでしょう。

本当は死にたくなんてない、でもそれだと私はあなた様のそばを離れたく無くなる

あなた様の優しさに甘えてしまうだからわかってください。

私のことは忘れて新しい人を見つけて幸せになってください

きっと近くにいますから

最後に一つだけ言わせてください


あなた様との毎日はとても楽しくて嬉しくて幸せで夢のような日々ですた


大好きだよ!ヴィーナ!』


手紙の最後の方にはいくつかの水滴の後があった

きっと涙を流しながらフェリチタはこの手紙を書いたのだろう

ロヴィーナはフェリチタからの手紙を胸を抱えて


「フェリチタ…私も…僕も大好きだよ…!」


そう涙を流しながらロヴィーナは言ったのだった


序章完結!

5000文字はやっぱりきついです…


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