逆光
あたたかい、これは春だろうか…ピンク色の壁が私を優しく包み込む…。
ポコポコと音がする。
不思議な言語で優しい歌声が聞こえてくる。
優しい愛。その愛を受ける程、
前世の糞みたいな愛が過る…。
しかし、あまり意識していない。
前世?そんなものが存在するのかしら?
私の敵…敵…?
これを繰り返させている黒幕がいる。
前々世の記憶を辿らなくちゃいけないのに、前世の記憶が阻んでいる。
私は何も思い出せない…。
イライラする…。なんだか、私は最悪な気持ちになった。勢い余ってピンク色の壁を蹴り飛ばしてしまった。
その瞬間、誰かが泣いていた…。
水が溢れ出した。
私はとんでもない過ちを犯してしまったみたい…。ごめんなさい。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。
私は泣き叫んでいた。
泣き叫びながら…、
私は意識を獲得した。
この地の言葉を獲得した。
目の前に居るのはお父さん…。
母親は私が生まれた時、死んでしまったらしい。
私はお父さんを見ているとムズムズと変な気持ちを催していた。
恥ずかしながら、股を触るのが気持ちいい。
私は淑女になれないのだろうか…。
父は冷静だった。
私は父からの愛を感じなかった…。
お父さん…。お父さんは私を愛してる?
ねぇ…お父さん…。
私はお父さんが嫌いだ…。
小学校という場所があるらしい…でも私はそこが大嫌い…。たくさんの人は私の頭の処理が追い付かなくなる…。
私はたったひとつの愛を求めてるの…。
ねぇ…愛してよ…。愛?勉強しなきゃ…。
お父さんは勉強すると褒めてくれた。
そうだ…認められなくちゃ…。
私は必死で文字を書いていた。
私は嫌々、中学校に通っていた。
片隅で黙々と…図書室で本を読んでいると…。
私は軽い気持ちになった。
本は私を救ってくれる…。
私はこの世界の根源を理解したくなった。
どうやらこの世界は小さなものが集まることでひとつの集団となるらしい。
そうだ、私はヤクザの頃、たくさんの人に囲まれていた…。どのようにして、私はあれだけの人に囲まれていたんだろう…。
どうして私は今、このような運命を歩まされているの?
胸糞悪い、早く解放されたい…肉体?
私は肉体を思い切り傷付けた。自分が自分に傷を付けて血が出て変な笑いが込み上げてくる。これも黒幕の陰謀なのかもしれない。
私は知りたい。そうだ…私は黒幕を倒さないとこの不愉快な気持ちから解放されない…。
ねぇ…。お父さん…。お父さんは何か知ってるの?
お父さん…やっぱり嫌いだ。お金を稼ぐことに必死でやっぱり知ってることなんて少ないんだ。
ごめんなさい、お父さんを悪く言ってしまう…。
父は私を心配していた…。精神病を勧めていた。
何を言ってるの?私は私の目的で生きてるのに!
医者は薬を処方した。
この薬は何?お父さんはその薬を飲まそうとしてくる…。まさか…お父さんは黒幕の一人?
私は恐怖を感じた。
気が付くとお父さんは赤くて汚い無機物になっていた。
あれ?おかしいな…おかしいよ…私は何を言ってるの?
ああ、でも…もう一回死んだら…私は解放されているかな…。