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ルーセントとトラストの戦闘能力

 ふぅ、昨日はちょっと疲れたな。

 公爵家の皆さんと夕食を一緒に話しながら楽しく食べてたんだけど、途中でバルツさんが私の料理が美味しいって話をし始めた。

 バルツさんがあまりにも褒めるから公爵ご夫妻も食べたくなったらしく、もし良ければキッチンを貸すから食べさせて欲しいと言われる。

 ご夫妻のお願いは無理やりな感じではないから、断ろうと思えば断れたんだろうけど……。

 料理を出す事が出来ない訳じゃないし断りにくいよね。

 多分、バルツさんは交流を深めやすい様に私の得意分野の話を出したんだと思うし。

 幸いマジックドロワーの中には沢山の作り置き料理があるので、マジックバッグから出すふりをしつつ、今食べるならデザートだろうと考えてプリンを出した。

 小さめなプリンなので食べ比べ用に普通のお砂糖を使った物と、スイートアントのお砂糖を使った物の二種類を選んでいる。

 もちろん、スイートアントのお砂糖を使った方は言わずもがなすごく美味しいんだけど、そうじゃない方も十分美味しいのでご夫妻は驚いていた。

 作り置きは沢山あるのでおかわり用と使用人の方達の分も渡しておく。

 ちなみに、フィリップ様、ユリアンくん、マルティナちゃんの三人も美味しそうに食べていた。

 まぁ、フィリップ様は直ぐに表情を引き締めて、尊敬しているバルツさんに褒められた私を睨んできてたけど……。

 それを見てフィリップ様を睨むアーテルとリリー。

 なんという悪循環。

 ユリアンくんの呼び方はもっと砕けて呼んで欲しいと言われたので、くん呼びに変えた。

 マルティナちゃんの方はご夫人に似たような事を言われたので、ちゃん呼びに。

 フィリップ様は終始あんな感じなのでそのまま様付けにしている。

 当たり前だけど他の人というか他の貴族の目がある場では、様付けで呼ぶつもりだ。

 色々と面倒なのでね!

 ちなみに、バルツさんが大伯父と呼ばれているけど正式には大伯父じゃない。

 大伯父は弟や妹の孫から呼ばれる呼び方なので、ルーファス様達はもっと後の子供な訳で。

 けれど、変えていくのも面倒だと思ったバルツさんは弟の孫の子供達にも大伯父呼びでいいと言ったらしく、そのままその大伯父呼びが続いているそうだ。

 プリンはとても気に入られたみたいなので、商人ギルドに提出したレシピの紙を渡しておいた。

 喜ばれ過ぎてちょっとびっくりしたけど。

 公爵家から別邸に帰った後は、転移陣の試運転も兼ねて辺境伯邸に全員で転移した。

 ちゃんと使えたので一安心。

 初めてだったから少し心配だったんだよね。

 なんて、ぼーっと昨日を振り返っていたらアーテルに声をかけられた。


「姉さま、おはよう!」

「おはよう」

「今日はどうするの?」

「うーん、編入試験は数日後って言われたし、依頼をするか料理したり薬を作ったりして過ごすかな?」

「分かった」


 私達の話し声で起きたリリーとも朝の挨拶をして、そのまま食堂に向かう。

 私達が借りている辺境伯邸の別館には私達しかいないので、料理は私がする。

 頼めば来てくれるし、私の専属メイドになってくれているキアラさんが来て手伝ってくれたりもするんだけど、ほぼ一人で出来るんだよね。

 服とかの洗濯も浄化魔法を使えば必要ないし、贅沢な使い方なんだけど。

 光属性を持っている人は他の属性に比べて少ないから、大体の人が治癒魔法を生かす職を選んでいる。

 冒険者や教会に所属している治癒術師とか、それこそ貴族の子飼いになっている人も。

 ごくたまに、光属性持ちで浄化魔法を駆使して凄腕メイドをしてる人もいたりするらしいけど。

 光属性持ちでも治癒魔法が得意な人もいれば、浄化魔法が得意な人もいる。

 浄化魔法は清潔にするだけじゃなく、穢れと呼ばれる悪しき力を祓えたりもするのでそれ関連で教会に所属している人もいるんだ。

 なんだか、話がすごく逸れたな。

 今日の朝食は目玉焼きを乗せたトーストにポテトサラダ、たっぷり野菜のスープに厚切りにしたベーコンを焼いたものだ。

 人化出来るリリーやルーセントを含め全員が美味しそうに食べてくれる。

 トラストも同じメニューが良いみたいなので、全部を食べやすく小さく切ったりしておいた。


「トラストも美味しいって!」

「ふふ、良かった」

「本当にリアの料理は美味しいわね。今まではそんなに人族達の食事に興味なんてなかったけれど、リアの料理を食べてから変わったわ」

「ネーロもなにか食べてみたい物とかあったら言ってね」

「分かったわ。しっかり考えておく」


 ネーロの瞳がキラキラしているので、結構喜んでもらえてるんだな。

 食事が終わると全員で今日どう過ごすかを考える。

 最終的に、ルーセントやトラストの戦闘能力を把握するついでに依頼を受ける事にした。

 受けた依頼は辺境領内の森にいるゴブリンとオークの討伐と、巣が出来ているかどうかの調査だ。

 行った事の無い森なのでビジョンワープを使ってから、ワールドワープで行くことも出来るけど徒歩で行く事にした。

 私とアーテル、ルーセントは無属性の身体強化を使えるので、それを使って走る。

 リリーは無属性を持っていないので、ルーセントに抱っこしてもらう事になった。

 ネーロとトラストは身体強化した私達並みの速度で飛べるので、それで付いてきてもらっている。

 ちなみに、ネーロとトラストの飛ぶ原理は違うらしい。

 詳しくはよく分かんないけど!

 馬車を借りる事も出来るけど、色々と面倒な気がしたのでやめた。

 どこに馬車を置いておくかとか、馬車や馬が魔物とかに襲われないよう守らないといけなかったりするからね。

 いつか、リリーの為にも騎乗系の従魔が仲間に増えたら嬉しいななんて思いつつ。

 森に着いた所でよく巣ができる場所を見て回る。


「ゴブリンやオークがいたら倒していいからね」

「はーい!」

「あい!」

「かしこまりました」


 少し経つと十体ぐらいのオークに遭遇した。

 多いな。やっぱり、巣が出来かけているのかもしれない。

 まずは、ルーセントが相手をするつもりみたい。

 ルーセントは基礎属性を闇以外持っているので、使える魔法の種類が豊富なんだよね。

 特殊属性は雷が使える。


『ウィンドエッジ』


 ルーセントは風の刃で五体の首を落とした。


『サンダーショック』


 雷属性の攻撃でもう五体も倒した。

 思った以上に強い。

 いや、Aランクであるバジリスクの新種ならこのぐらい普通なのかな?

 どちらにしろ強いのは悪い事じゃないし、仲間としては心強いよね。

 また、少し移動するとマップ上にゴブリンの表示が現れたのでそちらに向かう。

 今度はトラストが相手するみたい。

 ゴブリン達がいる場所の木の上に止まると魔法を発動した。


『カァー』


 影魔法で黒いツタをゴブリン達の影から出して拘束する。

 そのまま、何体かはそのツタで首を絞めて倒した。

 おお、そういう手段にも使えるんだ。

 首を落とすよりちょっと怖く感じるのは何故か?


『カー、カァー』


 今度は火の玉を使って残りのゴブリンを倒した。

 うん、トラストも思った以上に強いね。

 ルーセントとトラストの戦闘能力は分かったので、そこからは私達も戦闘に参加する。

 ちなみに、ネーロは基礎属性だと光属性以外が使えて、魔法で戦うのなら私達と同じぐらい強い。

 私達の仲間強過ぎでは? すごく助かるけど!

 そこからはいくつかの巣になりかけた場所を潰して回り、討伐を済ませた。

 うん、順調に終わったね。

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