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ダンジョン「オーア」攻略編 七 (二十階のボス)

 お昼ご飯を食べて食休みしたらお昼休憩は終了。

 十五階のセーフティゾーンを出て探索を再開する。

 バルツさん達曰く、十階以降の階も前より魔物の数が少ないらしい。

 理由が分からないので慎重に探索をして欲しいと言われた。

 私もアーテルも弱くはないけど気をつけないとね。

 探索中に見つけた採掘ポイントで採掘をしていると、魔石や魔宝石が思った以上に取れたんだ。

 それを見たクラルテさんは感心していた。


「一度の探索でここまで魔宝石が出るのは珍しいですね。リアさんとアールさんはとても運が良いのでしょう」

「クラルテさん、ぼく達が採掘した魔宝石の数ってそんなに多いの?」


 クラルテさんの言葉を聞いて、気になったアーテルが質問する。

 うん、私もたぶんこの数は多いんだろうなって思ってる。


「ええ、水晶などの入手しやすい魔宝石を多く採掘出来ることはあります。ですが、ダイヤモンドやサファイア、エメラルドにルビーなどの宝石としても価値の高い物をいくつも採掘できるのはとても珍しいのですよ」

「やっぱりそうなんですね。良い物がいっぱい取れると嬉しいから、アール良かったね!」

「うん!」


 そのままでも結構高いし装飾品兼魔道具などにすればもっと高値が付く。

 ただ、今回取れた魔宝石とかは自分達で使おうかなって思ってるんだ。

 もちろん、プロじゃないから原石から切り出したり、カットするのは職人さんに頼むけど、その後はとっておいて魔道具とかに使うつもり。

 魔道具製作スキルのレベルも上げたいし。

 ちなみに、魔宝石を使うと魔石より効果を高くできたり持続時間を長くできるからすごく重宝する。

 人に危害を加える可能性のない魔道具なら、誰かに譲ったりどこかで売ったりするのもありだな。

 さて、探索に意識を戻すと二十階へ行く階段の手前まで来ていた。


「次が二十階か。思った以上に早く来れたな」

「そうですね。やはり魔物の数が少ない事で戦闘回数が減っていたからでしょう」

「この変化が危ないやつの予兆とかじゃないといいんですけどねー」


 バルツさん達の会話を聞きつつ考える。

 二十階にはまたボスがいるけど、どんなボスなんだろう?

 十階のボスはゴブリンの上位種が多めな群れだったけど、前回より上位種の数が増えたって言ってたな。

 ダンジョンが変わる前の二十階のボスはどんな魔物だったのかな。

 よし、気になるし聞いてみよっか。


「アスティさん、前回の二十階のボスは何だったんですか?」

「あれ、なんだったかな? あっ、思い出した! オークの群れだよ。確か、群れの中にBランクのオークジェネラルがいたはず」

「オークジェネラルってBランクなんですか?」

「単体はBランクだね。オークを従えてる場合はAランク相当だけど」


 オークジェネラルとオークの群れか。

 オークは倒した事あるし、そこまで心配しなくてもいいかな。

 二十階へ降りて探索を開始。

 今までと変わらずスイスイ進んでいく。

 そして、ボス部屋の扉に辿り着いた。


「準備はいいか?」

「ええ、大丈夫ですよ」

「大丈夫でーす」

「リア達も大丈夫か?」

「大丈夫です」

「行けます!」

「ます!」


 確認が終わったところでバルツさんがボス部屋の扉に手をかけた。

 すると、ゆっくりと扉が開いていく。

 部屋に全員が入ると扉が閉まり閉じ込められた。

 これって人によってはすごく苦手なシチュエーションだよね。

 なんて、今考える必要の無いことを考えていたら目の前に魔物が現れる。

 アスティさんに聞いた通り出てきたのはオークの群れ。


「あっれ? オークジェネラルもいますけどオークキングもいません?」

「ああ、いるな」

「これが前回との変更点でしょうね。オークキングは単体でAランク。前より厄介なボスになりましたね」


 じゃあAランク以下の冒険者の人達は、二十階より下には行けないようになっちゃったのか。

 でも、このダンジョン都市オーアスの近くには、このオーア以外にもダンジョンがあるから大丈夫だよね?

 ここに来てから気になってオーアスの歴史を調べると、最初に見つかったのがこのオーアで、そこからオーアスって名前になったらしい。

 しかも、近くに他のダンジョンも生まれていて、オーアスの中にあるのはオーアだけだけどすぐ側に三つもダンジョンがあるそうだ。

 このオーアは階層が少ない割に難易度が高めだって聞いたから、近くのダンジョンはもう少し難易度が低いんだと思う。

 ちなみに、Aランク冒険者は思っていたより多くいる。

 Aランクなるのは大変で実力もいるけど、魔族やエルフ、ドワーフに獣人族などを含めるとAランクになっている人は多いらしい。

 流石に、Sランクは少ないけどね。

 ただ、Aランクは結構ピン切りだってバルツさんが言っていた。

 世の中には色んなタイプの人がいるからなぁ。

 そろそろ、オークの群れが出揃って来たので思考を切り替えますか。


「リア、アール、お前さん達はどうしたい?」

「倒したい!」

「私はどっちでも大丈夫です」

「じゃあ、そろそろボスもやってみるか?」

「はい!」

「はい。頑張りますね」


 二人で相談して二体のオークジェネラルはアーテルに任せることにした。

 私はオークキングと半分の普通のオークを相手にする。

 まずは、土の壁で群れを分断しようかな。


『アースウォール』


 おっ、綺麗に群れを分断できたね。

 アーテルの方にジェネラルが二体、私の方にキングがいる。

 よし、狙い通り!

 クラルテさんとアスティさんが、アーテルの近くにいてくれているから心配はない。

 私の方にはバルツさんがいてくれてるし。

 オパールの弓輪から弓と矢筒を出して、オークキングの周りにいるオークの額を射抜いていく。

 この弓って腕輪と同じオパールでできているらしく、とっても綺麗なんだ。

 宝石なのになんでしなるんだろう、とか不思議を深く考えちゃいけない。

 魔法武器はそういうものなんだって納得しておく。

 五体ぐらい倒したところで、矢に魔法を付与してみる。


『ファイヤー』


 矢に火属性を付与して射ると、貫かれたオークが燃えた。

 おお、思った以上の威力。

 今使っている付与は一時付与で、魔道具とかを作る時にする付与は永続付与だ。

 魔道具は魔法を魔宝石や魔石などの付与できる素材に付与して作るタイプと、魔法陣や魔法式を素材に描いたり書き込んだりして作るタイプがある。

 私は一応どちらも作れるけど、付与して作るタイプの方が多い。

 個人的には付与して作る方が簡単だから。

 オークを倒すのが若干作業になりつつあるせいで余所事を考えちゃった。


『サンダー』


 付与する属性を変えたりして色々と試していると、いつの間にか残りはオークキングのみになった。


「ブヒッ! ブヒブヒー!!」


 オークキングは部下を倒されて怒っている。

 怒るのはごもっともだけど、ボスを倒さないとボス部屋から出られないんだ、ごめんね。

 さて、何で倒そうかな?

 オークキングは鎧も着けてるし、剣も強そうなのを持ってるんだよね。

 私も剣は使えるし剣術スキルもあるからそれで戦うのアリかなって思ったけど、どちらかと言えば弓の方が得意だし。

 うん、普通に一番得意な魔法で倒そう。


『ウィンドアロー』


 風の矢を放ってオークキングを射抜こうとする。

 けれど、鎧に当たって魔法が消えた。

 あら、良い物を着けてらっしゃいますね。

 今度は鎧のない首元狙ってみるけど、剣で弾かれた。

 さすが、Aランク。

 じゃあ、エッジ系で終わらせますか。


『アイスエッジ』


 鋭い氷の刃でオークキングの首を落とす。

 おっ、今度は上手くいった。


「終わったな。リアは今Bランクだったか?」

「はい」

「もう、Aランクでもいいレベルだな。ピン切りなAランクの中でも上位の実力だぞ」

「目立ちたくないのでBランク良いかなって思ってます」

「そういえばそれを気にしてたな。それならまぁ仕方ないか」


 アーテルの方の戦闘も終わったみたいなので、土の壁を消す。


「姉さまー! 楽しかった!」

「ふふ、良かったね」

「うん!」

「リリーも手伝ってくれたんだよ」

「そうなんだ。リリー、ありがとう」

「あい!」


 駆け寄りながら戻って来た二人の頭を撫でる。

 やっぱりうちの子は可愛いね!

 満足するまで撫でたら、アーテル達とドロップアイテムを拾っていく。

 ドロップアイテムには、オーク肉を始めとしてキングやジェネラルのお肉もあった。

 食べられる魔物は、上位種になればなるほど美味しいらしいからすごく楽しみだ。

 肉以外にも、オークキングやジェネラルが装備していた剣や鎧、そして皮などの素材が落ちている。

 いらない物は売って、お肉とか使える物は残しておこう。

 ドロップアイテムを拾い終わったので、バルツさん達と一緒に奥側の開いた扉を通りボス部屋を出る。

 次の部屋には十階と同じで宝箱が一つあった。

 さて、何が入っているかな?

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