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未来を見る目  作者: ゆうなぎアルファ
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第一話「未来でも学校行くのは変わらない」

一話なのにタイトル詐欺かも......。

  ー十分に発達した科学は、魔法と見分けがつかないー


2XXX年8月中ごろ、人類が道具に頼りきりだった頃より一段階進化し、特殊能力と呼ばれる力を持つ者が現れた。


 事の発端は中国のある農村で、ひとりの少女が他の村人の未来を言い当てた、というものだった。これだけならばよくあるカルト話なのだが、それがあまりにも多くの人数、長い期間に渡ったので政府がその少女を保護することにした。

 中国政府は保護からしばらく少女のことは秘匿、関わった人間の口止めなどをしたが一ヶ月後インドでも似たような能力を持つ人間が確認された。

そうして立て続けにアメリカ、ロシア、日本と能力者の存在が確認され、各国政府のコントロールが効かない速度で増えていくうちに、世界中の人間に特殊能力が存在すると認められた。


20年後の5月初頭ー

 世界人口の約5%が能力持ちとなり、世界中の国が特殊能力者管理のための機関を設置、能力の研究を行っている。

日本も例外ではなく、国立超能力研究所と能力者が入るための学校である学園を全国に設立した。

 その内のひとつ、風桜学園高等部、1-Eに無気力感全開の男がいた。


「あぁ〜ダルい、テストなんかやってもやらなくても変わらないんだから無くせばいいのに......」


 そう机に半ば伏せながら嘆くのは黒髪、身長167センチのどこにでもいそうな男、名前を未永来透(すえながらいと)


「そりゃ来透には意味がなくてもテストがないと俺みたいなバカが勉強全くしなくなるからな!そんなことよりも終わった後のこと考えようぜ、女ナンパするとかさ!」


 そんな嘆きに立ったまま来透の机に手をつき答えるのは、頭をスポーツ刈りにした陸上短距離の選手のような体つきをした男、名前を風切瞬(かざきりしゅん)

 来透の親友であり、成績が悪く頭の中はいつも女性の事でいっぱいというようなやつである。


「そんなにナンパがしたいなら僕なんかじゃなくて他のやつを誘えばいいじゃん」

「いや、高校生活が始まって一ヶ月も経ってるのに俺以外の誰とも話そうとしなくて独りぼっちなお前が不憫でさ......」


 そう、来透はいまだに新しい友達がひとりもできていなかった。


「るっさいな、第一このクラスのみんななんか暗くて近づきづらいんだよ。それにどうせ話したって面白くもないだろうしね」

「それは仕方ないだろ、みんな自分の能力に自信があったのにいざこの学園に入ってみれば下位クラスなんだ。それに、そんな他人を見下した態度じゃいつまでたっても変われないZE☆」

「うぜぇ......]


 なんだかんだいって来透自身も気にしているのだ


「なになに!瞬がいつもナンパーとかいいつつも本当のところは超ヘタレで結局誰ともヤれてないってはなし!?」

「うわぁ!!?」


突然後ろからかけられた大きな声に対して心臓を締め付けられる瞬。来透の方は見えていたので別段驚きはしなかった。


「お前!声かけるならもっと小さい声にしろよ!!死ぬかと思ったぞ!!!」


瞬は声をかけてきた女に向かって抗議の声を上げる


「クックック......アハハハハ!!!あー面白い、そんなに驚くことないじゃん。あと君に言われたくねーし、普段からうるさい発情猿君?」

「なっ!?それを言ったらお前なんかそんな格好していっつも遊び歩いてんだろ!遠野!」

「んなわきゃねぇだろ!」ベチン


遠野と呼ばれた見た目白ギャルなその女は手に持っていた雑誌で瞬の頭を思い切り叩いた。


「いってー、なにすんだよ!」

「流石に頭にきたかんね、仕返しさ」

「なにも叩くことねえだろ......」

「あっ、そうだ末永君」


2人の会話を苦笑しながら見ていた来透は、いきなり話を振られて少し戸惑った。


「......僕?」

「そうそう未永っていったらこのクラスじゃアンタしかいないって」

「なに?」


実を言うと来透は遠野と話すのは初めてではない。というのも遠野が時々瞬に話しかけ、瞬が来透に逃げてくる。そんな瞬をさらに遠野が追いかけるため、必然的に話すことは度々あった。

それならば来透にとって遠野はもう友達なのではと思えてくるのだが


「あんな猿の言うことなんて気にすんなよ!友達ならアタシがいるじゃん!」

「ああ......うん、ありがと」

「いいのいいの、じゃ!」


 そう言い残すと遠野は自分の机へと戻っていった。と、同時に昼休み終了のチャイムが鳴る。


「たく、なんだったんだあいつ」

「さあ?」

「ってかよかったな!友達だってよ!」

「う、うん......」


 来透が反応に困っていると、遅れた教師が教室に入ってきた。


「授業始めるぞー、席つけー」


 教師の言っていることと聞き流しつつ、来透は瞬に言われたことを考える。


「遠野が友達か・・・・・・なんかな」


 じつを言うと来透は、遠野のようなノリの軽い女の人が苦手だった。

 瞬は男だから別だ。

 

「うん、違うな」


 来透の中では、友達という関係は双方が認めないと成立しないものなのだ。





 そんな中間試験1週間前のクラスの一風景




 

次の話から能力出します。

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