第88話 起床
「ん、、どうなったの、、、」
俺達が家に戻ってきた頃、そう言って体を起こしながら呟く。
「おめでとう、これで二人も神だ」
俺は今、最高神として祝福の言葉を贈った。
「え、神、どういうこと、、」
「そのままの意味だ、記憶はあるだろう」
人が神に至る時、神としての力がその身に宿る。そしてそれだけではなく、神として、最低限の記憶や知識も同時に宿ることになる。そして今回、二人を神にしたのは他でもない俺だからその分、神としての知識だけでなく、俺の神としての記憶も織り交ぜていた。
「あ、うん。なんだか私の知らないことも知ってるような、、、」
「そうだな、それの理由も理解したか」
「うん、、」
「では、最高神として、言わせてもらう。」
「はい」
「おぬしら二つは、今日この時、新たな神として、この地に誕生した。我、このウィルラドールはおぬしら二人に使命を与える。二人は神として、この世界の均衡を保て。我ら神、世界の均衡を保つものだ」
俺はそう呟くと、再び、ウィルとしての顔と気持ちに戻る。
「俺達神は、この世界で力のバランスや、間違った進み方を正しく導くのが仕事だ。」
「え、ちょっと待ってよ。なんで私とかが神になってるのよ」
「理を守るためだ」
「どういうこと」
「人は神とは歩めない。だからだ」
「だから私達も神に」
「そうだ、」
「少し待って、気持ちが追いついてない」
「そうだな、分かった」
俺はそう言うと、家を出て少し小高い丘に登った。
「そろそろ来るかな」
「親父、二人はどうするだろうな」
「どうだろうな、しかし、神になった以上、使命は全うしなければならない」
「そうかもしれないが、、それは、、、あんまりだぜ、」
「分かってる、、、けどな、、、」
「、、、」
「ん、ブルラ、それよりも先鋒隊のおこしだぞ」
すこし離れた所に、人影が湧きはじめた。今回の相手、エンドレスとは数回、戦争したことがあった。その時、奴は超魔兵と言う、人間の形で人智を驚愕した魔力や身体能力を持った魔物を量産し、けしかけてきた。恐らくはあの人影も超魔兵の部隊なのだろう。そして超魔兵の部隊は決まって魔人が率いている。
「そうだな。あたしも、少し本気をだすかな」
「存分に暴れよう、俺も本性を出すかな」
「親父、久しぶりに親子で殺るか」
「だな、」
「じゃあ、」
「よーい、」
「スタートだ」
久しぶりに体の力、全開で戦闘を始めるとしよう。
「おりゃぁ、」
「親父、いくぜ」
「おう、」
超魔兵は、見た目はムキムキな人なのだが、目が真っ赤だったり、異様な筋肉のつきかたをしていたりと、人とは違う所も、所々ある。そして俺はこんな時、ブルラとある秘策を使って簡単にこいつらを蹂躙していた。
「親父いくぜぇ、、真闇魔法、闇ノ完全ナ魔」
ブルラの右手から放たれた闇の塊は、俺にぶつかり、
「権能〔改変〕・吸収」
俺の体に当たると、闇の塊は分解され俺に吸収される。
「さあ、今度はこっちの番だ」
俺は真っ赤に染まった瞳を煌めかせ、黒く染まった右手を振り下ろした。




