第76話 包囲
「はあ、きりがないな」
「そうだね、それにどんどん増えてない」
俺達は朝起きると、魔物の群れに囲まれていて身動きが取れず、ずっとこうして防衛戦の連続だった。
「はぁっ、」
左手に持った創破で、魔物の顎を抑えると右手に持った創射で魔物の額を撃ち抜く。
「グワァァ」
俺が撃ち抜いたと思ったらすぐに後ろから右腕を振り上げて熊のような魔物が俺に襲いかかってきた。
「くっ」
俺は創射の側面で爪を受け止めると、その力を別方向に逃がしながら創破で魔物の心臓を貫いた。その時、
「ガルルルルルルルルル、、」
上空から鷹の翼と上半身、それにライオンの下半身をした4mを超える魔物が雄叫びをあげて急降下してきた。
「グリフォンか、、」
「ガルルルル」
ガキンッ
振りかざされた爪は十分に人間の体を粉々にするような威力があったが俺はそれを簡単に右腕に握った創破だけで受け止めた。
「ガルルッ」
驚いたようや鳴き声をあげて、腕を引いたグリフォンに、俺は創射で牽制する。その時一発一発に小爆発の魔法を込めて打つ。すると当たった瞬間、まわりに爆炎を吹き散らしながら爆発する。
「はぁっ、」
俺は爆風で見えにくい中、創破を振り下ろす。
「ガル、ウゥゥ」
振り下ろした創破はグリフォンの片腕を切り裂いたが、骨までは至っていなかった。
「くっ、落とせなかった」
俺は負傷していない片腕で攻撃してくるグリフォンの腕を躱すと、落としきれなかった片残をもう一度斬りつけ、今度こそ切り飛ばした。
「グルルルルゥゥ、ガゥ」
グリフォンは俺に雄叫びを向けると、炎を吐きつけてくる。
「吸収」
炎を創破で切り裂くと、炎は全て消え去った。
「グルルルゥ」
グリフォンは残っている腕を振りかぶると、爪撃を繰り出すものの、それは全て弾かれる。しかし、
「グルルルルゥ」
俺が腕に気をとられている間に、炎を吐きつけられ、俺は数m吹き飛ばされた。
「はあっ、」
俺は拡散した炎を創破で回収すると、創破を構え、グリフォンの眉間目掛けて剣先を向け、突っ込む。
「グルルル」
グリフォンは俺目掛けて炎を吐くが、炎は創破に当たると分散させられ、そのまま創破に吸収されてしまった。ついにグリフォンの目の前まで来ると、
「解放」
俺は吸収した全ての魔力を強化に注ぎ込むと、グリフォンの眉間を貫いた。
「グルルルルゥゥゥゥ」
グリフォンは最後の足掻きにと、残っていた腕を俺に振りかざすが、俺はそれを落ち着いて蹴り飛ばすと、魔法で切り裂いた。
「グ、、グルル、、ゥ」
グリフォンは少しずつ意識が遠のいていくようで、最後には目をつむり、倒れ伏してしまった。俺はそこまでいくと、やっと創破を引き抜くと、血を拭き取った。
「こいつがボスだったのか」
グリフォンが倒れたのを確認すると、他の魔物達は蜘蛛の子を散らすようにあちこちへと逃げていった。
「さ、移動再開だな」
俺は取りあえず皆を集めると、マジカルトへ向けて出発した。勿論グリフォンの素材は回収した。




