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神様の探し物  作者: すけ介
第六章 屋敷
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第72話 告訴

「この度、皆様にお知らせ申し上げるのは、これからの私の身の振り方とここにおらっしゃられる領主様の運命についてです。」

「リュー、なにを言っておるのじゃ」

すると、領民達は全員が静まりかえり全ての瞳が俺を見ていた。

「まず、領主様の運命についてです」

「リュー、やめぬか」

人々が沈黙する中、領主の声だけがあたりに響く。

「皆様も、知っての通りここの領主様は着任してすぐに、ここの領民を身勝手に奴隷にしました」

俺がそう言うと、領主は血相をかえて俺を取り押さえようとする。

「リュー、」

領主が無理矢理俺を押さえようと、テラスに向かおうとするが、もうすでに領主の体は俺の魔法で縛られており、一寸たりとも動かせない状況だった。

「その奴隷にされたお一人を紹介いたしましょう」

俺がそう言うと民衆はまわりを見渡す。そして俺がもう片方の扉を開けると、中からマーサと呼ばれていた人が出てくる。俺は予め、あの拷問部屋から助け出して、このスピーチに参加するように、言っておいた。

「み、皆様、わ、私はマーサです。もう何年になりましょうか、久しぶりにこの太陽の光を浴びました。」

その時、群衆の一角から声が聞こえてくる。

「私は奴隷に堕とされて、ずっとここの領主様に、虐待を受けていました」

マーサが放った言葉に、群衆の目が領主に集まった。

「ち、違うのじゃ。マーサ、冗談はよして欲しいのじゃ」

「冗談なんかじゃありません。私は、、、」

「と言うことです、私はここにいる、ナイル・エントロー様を、訴えます」

その時、群衆から大きな歓声が沸き起こった。

「リュー、なにを言っておるのじゃ。わしを訴えるじゃと、お前の身分でどうやって貴族を訴えるのじゃ」

青ざめた顔で、そう叫ぶ領主に俺は懐から出した短剣の紋章を見せる。

「なっ、」

すると領主はそれ以上は黙ってしまった。俺はそれを確認すると、再度民衆を見下ろす。

「私はある人からの依頼を受け、ここの領主の告訴および、この領主の成敗を執行しに来ました。」

すると歓声はやみ、その代わりに全員が驚愕の表情を浮かべる。

「その依頼の中に、ここへの着任権がございました。私はそれを行使してここの政治形態を民主制にさして頂きます。これで私のスピーチを終わります」

俺はマーサを連れて、自分の部屋に戻った。あとには驚愕で静まりかえった民衆と青ざめ跪く領主、それに呆れかえった奥様が民衆を指揮しているくらいだった。

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