第64話 領主
「やっとだな」
あれから数日。領主の循環の日がやってきた。
「ミア、これを」
「なにこれ、」
俺は白い水晶を懐から取り出すとミアに渡す。
「こないだ言ってた通信用の魔法道具だ。魔力を流すと流した反対側に光が映写されて会話ができる。」
「ウィル、いつのまに」
「行ってくる」
俺はそう言うと扉を出る。
「そろそろだな」
俺は領主が通りかかるであろう場所の近くにつくと、
「よし、」
俺は擬女化を使うと性別を女に変える。
「さ、行くか」
俺はいつもの服から少し女性らしい服装に着替えると人混みのほうへ入っていく。その時、近くにミア達の気配を感じたが小さな守護獣を召喚するとそれをミア達に向かわせて俺は人混みに入っていく。すると、
「お、姉ちゃん。外の人間か」
忘れていた。この町にはこんな人が多いことを、そして俺の姿が今は女の子だと言うことを、
「は、はい。な、なんですか」
一応、ひ弱そうな反応をすると案の定男は舌舐めずりをして無理矢理俺を引っ張って行こうとする。
「や、やめて下さい」
まだ芝居をする必要があるのかは分からないが、俺は上手いこと男の動きを予想して道端に俺を突き飛ばさせた。すると、
「そこの者、何をしておる」
領主が通るということで、開けられていた道に俺を突き飛ばしたということで、男は端を循環していた兵士に見つかり連行されていった。
「お、お前は外の人間か」
兵士は顔を赤くしながらも横を向いて尋ねてくる。自分で言うのはなんだが、擬女化した俺はだいぶ整った容姿をしていた。少し低い身長に銀髪のロングヘアー、そして白を基調とした服装をしていた。
「あ、はい。ありがとうございます。わ、私怖くって」
自分で言ってて恥ずかしくなるが、一応今は女の子ということで我慢しよう。
「そ、そうか。あと少しでここは領主様が通られる。ここは戻ってくれるか」
「はい、分かりました」
俺は小さく頭を下げると、人混みに戻っていった。その時、
「領主様が通られる。皆の者、道をあけよぉぉ」
先頭を歩く騎士がそう叫ぶ。
「うわぁ、すげぇぇぇ」
下品なくらい金色の装飾が施された馬車に、それのまわりを歩く騎士までもが金色の鎧と武器になっていた。
「ひでぇぇ」
それだけ下品な装飾の上に、それを取り囲む騎士の顔を見ると余計に引いてしまった。そしてその馬車が俺の前を通りすぎようとした時、
「止めよ」
下手に高い声をした声が馬車から聞こえると、騎士達は馬車を止めた。
「どういたしましたか、領主様」
「そこの者をここへ」
「はっ」
騎士は領主が言ったほうへ顔を向け、俺を見つけると俺の腕を力強く掴むと馬車の所へ引っ張っていく。
「領主様、連れて参りました」
「よし、下がれ。そこの者、名はなんと申す」
「え、わ、私は、リューと申します。」
「リューか。お前、私の所へ来ぬか」
下品な笑みを見せてそう言う領主はカエルよりも醜く見えた。
「こ、光栄です。」
一応ヘドを吐くようなセリフを吐くと、
「そうか、では乗るといい」
領主が馬車を開けるたので俺はそれに乗り込んだ。




