第58話 訓練
「ああー、コホン、それでは今日の訓練はこれにて終了とする。では解散」
さっき俺に瞬殺されたのを他の兵達にイジられ大変だったそうだが、俺が隊長のところに行った時にはげっそりしていたくらいで、そこまでは分からなかった。
「なあ新入り。お前強いな」
そう言って先輩達が話しかけてきた。
「そうですか、ありがとうございます」
「いやいや、俺達なんてお前には勝てないからな」
「ははは、よかったら先輩達も一緒に訓練しませんか」
「お、いいのか。なら頼むぞ」
俺は先輩達と部隊に上がると木刀を握る。
「先輩達は魔力斬撃は使えますか」
「いや、使えない。多分使える方が凄いんだぞ」
「そうですか、ではそこからしてみましょう」
「おお、で、どうすればいいんだ」
「えーと、手を伝って木刀に魔力を流すんです。そして木刀の刃の部分に魔力を集めてから放出するように刀を振るうんですよ」
「こ、こうか」
先輩達が試すと、木刀の刃は少し光ったがそれは斬りつけるときに分散してしまい、斬撃にはならなかった。
「難しいな、、、」
「魔力を刃に集める時に、魔力をしっかりと形作るといいですよ」
「そうか、じゃあ」
今度は魔力の形がしっかりと出来ていて斬撃の形になった。
「お、出来たぞ。どうだった」
「凄いですね、僕なんて数日はかかったのに」
「そ、そんなことはないぞ。」
「よし、次は模擬戦でどうです」
「え、そ、それは」
「大丈夫ですよ、ユキとですから」
「え、この子とか」
「はい、」
「そうか、お前ごそんなに言うなら」
先輩達数人は木刀を構える。
「ユキ頼むな」
「うん、分かった」
ユキは元気に返事をして戦闘態勢にはいる。
「では、、、、、始め」
先輩達は真ん中の人が一直線に挑み、他二人が横から斬りかかる戦法だったのだが、
「やぁぁっ」
ユキは急加速して前の一人の木刀を破壊する。そして横から同時に来たので少し後ろに退くと木刀を避ける。その時二人の木刀が絡んでしまい、一瞬ではあったが隙ができた。ユキはその隙を逃さず木刀を叩き折ると武器を失った二人を蹴り飛ばす。その時、
「え、炎球」
始めに木刀を叩き折られた先輩が魔法を放つがユキは右手からそれより大きな炎球を放ち、炎球は先輩に着弾した。
「ぐわぁ、あちいぃ、、嬢ちゃん、強い、、、」
「ぐは、ぐは、嬢ちゃんも強いな」
「はあ、はあ、確かに。俺達じゃあ歯が立たなかった」
「ははは、けど僕達はずっとこんな感じでしたから。まあ先輩達も頑張って下さい」
俺はそう言って拠点に向けて帰っていった。




