第26話 鎖鎌の選手
「さ、いよいよだね」
僕達は今日の試合に向けて会場に来ていた。全国の凄腕が集まるだけあって会場は大いに賑わっている。
「昨日受付を済ましたのですが何処に行けばよいのでしょうか」
「はい、失礼ですがお名前を」
「クレイと言います」
「クレイ様でしたらあちらの控え室にて待機と伺っております。またお連れの方はあちらの階段から観客席にお上がり下さい。」
「分かりました」
僕はそこで皆とわかれると言われた控え室に入った。控え室は12畳程の白ベースの部屋だった。
「まあ、試すか」
僕は部屋の壁を軽く殴る。すると、
バキッ
壁はヒビが入ってしまった。
「やば、 修復」
すると壁は元通り白い壁に戻った。しかし簡単に使ったがこの魔法は恐らく下界には数人しか使えないと思う。
「クレイ選手大丈夫ですか。そろそろ試合が始まるのですが」
「分かりました」
そう言って舞台に向かった。
「皆様ようこそお越し下さいました。記念すべき学園大会初戦を始めます。よーい、始め」
司会がそう言うと相手は鎖鎌と言う武器を使って僕に襲いかかる。一応説明するが鎖鎌とは鎌に分銅がついている武器だ。
ガキンッ
相手の鎌と僕の黒剣がぶつかり火花を散らす。
「くっ、」
相当な衝撃があったのだろう。相手の選手は腕が折れていた。相手選手はそれでも怯まず分銅を振るうが僕は分銅の鎖を切り裂き、
「はっ」
相手選手の腹に膝蹴りを食らわす。そして一瞬みせた隙に顔面へと蹴りを入れる。すると相手選手は舞台から飛び出し会場の壁にめり込んだ。
「勝者、クレイ選手」
審判がそう言うと会場は拍手に包まれる。僕は相手選手を一瞥すると控え室に歩いて行った。
「ふう、もう少し加減するか」
このような試合でやり過ぎるとあとで色々とあるので僕は加減しようと思っていたのだが以外と思っていたより相手が弱くやり過ぎてしまった。
「クレイ選手、そろそろ次の試合がございます。」
「ありがとう」
わざわざ知らせに来てくれたのだろう、僕が扉を開け礼を言おうとしたのだがもうそこには誰もいなかった。
「あ、クレイ。遅かったね」
「ごめん、少しな」
「お父さん、もしかして」
「いや、分からない」
「そうですか、、、」
「なに、二人ともどうしたの」
「いや、なんでも無い。それはいいとして強そうな奴はいたか」
「まだ、今の所強そうな人はいなかったよ」
「そうか」
僕はそれからも試合に出て来た他の選手を観察していたのだがこれと言って特殊な人はいなかった。しかし僕の中で控え室に知らせに来た人のことがいつまでも頭を離れなかった。




