第15話 学園大会本戦の説明
僕はまだ体の癒えないミアのことが心配だったのだが、学園大会本戦のためにも説明は聞かなければならないとミアに言われ僕は学校に向かっている。校門につくと、
「お、クレイ。はやく来いよ」
そう言って陽気に叫ぶレイ先生に、
「なにがはやく来いよですか、予選大会であそこまで危険な戦闘をさせておいて」
「し、仕方ないだろ、それにお前だって両腕の切断はやり過ぎだ」
「なにがやり過ぎですか、どうせいつの間にかあの鞭使いは消えてたんでしょ」
「な、何故知っている」
「あの鞭使いは人じゃない」
「な、何故そう思う」
「そろそろ、芝居はやめましょう。あれは学校のミスですね」
「あ、ああ、あいつは何故か誰の教師にも気付かれず大会に潜り込んでいたいわゆる不審者だ」
「やっぱりか、けど僕はそんなのはどうでもいい。ただミアを傷付けた代償は重い」
「あ、ああ」
僕がだす殺気に押されたのだろう。レイ先生は最後は冷や汗をかいていた。
「あ、改めてだが学園大会本戦の説明をするぞ。学園大会本戦は試合ルールや仕様は予選大会の時とほぼ同じで、一つ違うのが学園大会本戦優勝者には家一軒と学校のマスターキーが贈呈される。そして準優勝者にはマスターキーが贈呈され、その他の出場者には参加賞として50000Gが渡される。以上だ。そして学園大会本戦は別の町で行われるからこの町出発は7日後となる。わかったか」
「はい、分かりましたよ。ではさようなら」
「なあ、最近冷たくないか」
レイ先生が呟くが無視した。
「お、クレイ様じゃねえか。学校一強いとはどの程度なのでしょうな」
そう言ってがらの悪い3人のおっさんが出て来た。
「へへ、おめえをぶっ倒したらいい実績になんのよ。悪いな、死んでくれ」
そう言っておっさん達はそれぞれの得物を持って襲いかかってくる。
「ぐは、」
「ぐへ、」
「ぎゃあぁ」
おっさん達は口ほどにも無く数秒かからず地面に横たわる。
「なあ、僕を殺したらいい実績なんだろう。なら殺してみろよ」
僕はそう言っておっさん達を適当な方向に蹴飛ばす。するとおっさん達は、
「ひゃぁぁぁ」
情けない声をあげ走って行った。
「さ、帰るか」
僕はそう言って家にワープした。
「あ、お帰り」
「ただいま。調子はどうだ」
「全然大丈夫だよ。もう動けるようになったし」
僕は毎日、夜になると回復魔法をかけていた。そしてそのかいがあってか動ける程には回復していた。
「けどまだまだ体調も安定してないのに。」
「クレイは心配しすぎだよ。心配してくれるのは嬉しいけど」
「まあ僕は、、、いや、いい」
「ん、どうしたの」
「いや、なんでもない。それより夕飯にしよう」
僕はそう言って夕飯の準備を始めた。