第14話 マジギレ
「大丈夫か、ミア」
僕は昨日の夜から夜通し看病していた。ミアは昨日の試合で両腕両脚は勿論他にはも数カ所骨が折れており、体中に鞭の傷跡が残っていた。
「大丈夫だよ、だいぶよくなったなら」
ミアはそう言うが全然まだまだ傷跡は癒えずまだ体も中々動かせなかった。
「そんなことないだろ、背中の傷見せてみろ」
「え、どおして」
「いいから、」
「分かった」
そう言って後ろを向くミア。
「ほら、跡がのこってるじゃないか」
「え、でも仕方ないよ」
「大丈夫だ。僕が治すから」
僕がそう言うと僕の右目が光る。するとミアの全身の傷跡はしっかりと治っていた。
「え、クレイ。それは」
「これは僕の神眼だ。今はこれの下位互換の魔眼のほうがよくあるけどね」
「魔眼、、、」
「まあそれはあとで説明するとして、今日は観戦はどうする」
「私はいい。流石にまだ動けないや」
「じゃあ、安静にしとけよ」
「うん」
僕はそう言って家を出た。
「さあ、今日は決勝戦であります。さあどちらが勝つのでしょうか」
すでに舞台上に上がっている僕は相手の鞭使いを観察していた。勿論ミアをあそこまで痛めつけたこいつには黒剣、白剣も全開でかからせてもらう。
「始め」
審判がそう叫ぶと、
「はっ」
鞭使いは鞭を十数本取り出し僕にけしかけてくる。しかし僕はその全てを切り捨てそのまま鞭使いの腕を切り捨てる。
「ぐ、、」
鞭使いは悲痛そうな叫び声を出すが僕はお構いなしに鞭使いの顎を蹴り上げる。吹き飛ばされた鞭使いの体は空中で静止すると上空から大量の鞭を叩きつけてくる。僕はテレポートで鞭使いの後ろをとるとそのまま舞台に向けて蹴り飛ばす。そして、
「獄黒炎」
僕の右手は黒い炎で覆われ僕はその右手で鞭使いの腹を力一杯殴る。すると鞭使いの内蔵が数個破壊され、肋骨も数本粉砕された。
「ぐはっ」
鞭使いは赤黒い血を流し立ち上がる。僕はそのまま鞭使いの体を、
「神技 閃光」
二本の剣から斬撃を大量に放つと鞭使いの体は切り傷で血塗れになり、
「呪術 痛覚増幅」
僕は手にそんな技を付与して死なない程度に鞭使いを殴り飛ばす。ちなみにこの技を付与して殴ると殴られた側は通常の数十倍の痛みを受ける。
「ぐは、」
「なあ、痛いか。けどミアはもっと痛かったぞ」
僕は鞭使いに痛覚増幅を使い受けるだけで無く感じる痛みも数十倍になるようにした。そして、
「最後だ」
そう言って鞭使いの残っていた腕を切り落とした。するとついに鞭使いは痛みで気絶してしった。
「しょ、勝者。クレイ選手。今年の学園大会本戦出場者はクレイ選手に決まりましたぁ」
審判がそう叫び場をもり立てるがもう舞台の上には気絶した血塗れの鞭使いしかいなかった。
「ただいま。ミア変わったことはないか」
「ええ、大丈夫だよ。」
「そうか、よかった」
「心配してくれてたの」
「当たり前だ。今の僕の家族はミアだけだからな」
「か、家族」
「ああ、僕はそれくらい大事にするさ」
真っ赤になったミアは布団の中に隠れてしまった。
「そう言えば、鞭使いは潰しといたぞ」
「え、わ、分かった」
そう返事したのを確認して僕は夕食の準備を始めた。