第11話 学園大会予選大会初日
次の日僕達は学園大会の受け付けのため学校に訪れる。
「お、クレイじゃないか。もう受け付けは済ませたか」
「いいえ、今から行ってきます」
「そうか、じゃあな」
僕達はレイ先生と会話した後、受け付け場所に向かう。
「すいません、学園大会予選大会の受け付けをお願いします。」
「はい、ではこちらに氏名をお書き下さい」
僕達が名前を書くと受け付けが大会の番号を渡してくる。
「私は9番だ。クレイは」
「僕は1番だ。」
「じゃあお互い最後まで残ろうね」
「ああ」
控え室は選手一人に対し一部屋あるそうで僕達はそう言って互いに自分の控え室に入った。
学園大会のルールは簡単だ。初日8戦して、2日目に決勝、準決勝以外の試合をする。そして3日目に準決勝だ。そして4日目に決勝をする。また試合は舞台からでると負けになり、相手が降参した場合も負けになる。また予選大会でのルールと本戦のルールも変わらない。僕が大会のルールを思い出していると、
「クレイ様、第一試合が始まります。」
「分かりました」
僕がそう言って控え室を出ると廊下で前から黒いフードを被った男が歩いてくる。男は僕にぶつかってそのまま歩き去る。僕は不審に思うが今はほっておいた。僕が舞台に上がると、
「お、おせえぞ。優勝すんのは俺様なんだからさっさと負けて帰れ」
態度の悪い男はそう言って剣を振り回す。
「お願いします。」
僕がそう丁寧に挨拶すると、
「ああん、なにがお願いしますだ。武器も持たずお前は馬鹿だな」
「始め」
審判がそう言った瞬間、
「ぐはっ」
僕は一瞬で男の懐に入ると深く鳩尾を殴る。うずくまる男の頭を蹴り飛ばし男を場外まで吹き飛ばす。
「しょ、勝者。クレイ選手」
審判がそう言うと僕は舞台を降り控え室に戻った。
「はあ」
深いため息を吐き僕は観客席に向かう。
「お、次はミアか」
少し緊張しているようだがミアは堂々と舞台に上がる。審判が、
「始め」
開始の合図がでるとまず相手の選手が剣を持ち斬りかかる。ミアはそれを器用に躱すと矢に炎を付与し約20本程の矢を立て続けに放つ。矢は見事相手の選手の足を射貫く。相手の選手は矢を強引に引き抜くと剣を杖にして一旦退く。
「く、やるな」
相手の選手がそう言った後、今後はミアが風魔法を使い矢を四方八方から相手の選手に飛ばす。相手の選手は流石に矢を弾ききれず数本の矢が刺さってしまう。するとミアは腰の短剣を相手の選手に突きつける。
「勝者。ミア選手」
審判が合図するとあからさまに緊張を解き舞台を降りていった。数分後ミアが控え室から戻ってきたミアは僕の隣に座る。
「ねえどうだった」
「よかったと思うぞ。相手の剣も見切れていたしな」
「ありがとう」
ミアはそう言って笑顔を浮かべた。