最終話 フィオナが無事!?
「ウィル、」
あれから数日、俺はまだ落ち込んでいた。幸いなのはユキが今不在なことだ。こんな姿をユキには見せられない。
「ウィル聞いてるの、」
「ミアか、」
「フィオナさんのこと」
「ああ」
「フィオナさんが、学べって言った意味は分かった」
「えっ、」
「フィオナさんは、ウィルに学べって言ってたんでしょ」
「そうだな、、なんなんだろうな。俺は何を学べばいい」
「私は分かったよ」
「そうなのか、」
「うん、私は難しいことじゃないと思う。ウィルの落ち込んでる姿。私は見てて悲しい。フィオナさんは、それを学べって言ったんじゃないかな」
「そうかな、」
俺は今までのことを振り返る。
「ミア、」
「なに」
「俺な、本当の家はここじゃないんだ。」
「そうなの、」
「俺は神、そしてルークもブルラも神。俺達の家は天界なんだ。」
「そうなんだ、」
「うん、、ミア、行かないか」
「私が、」
「ああ、久しぶりに行きたいし、ミアにも見ててほしいし」
「そう、」
「どうだ、行くか」
「うん、」
「そうか、じゃあ行くか」
俺はミアと一緒に天界までテレポートした。
そこは真っ白の空、そしてのどかな平野。そして一軒の大きな家。そして余多の墓。
「ウィル、ここが天界」
「そうだ、ここが天界。そしてここにいるのは神だけ」
「そうなんだ、」
「俺がここに来た理由。それは、、」
「私の無事でしょ」
そう言って、家の中から出てきたのは、、、
「フィオナさん、」
「あら、あの時にいた人ね。私の子孫にあたるとか言ってたけど」
「そうだな、一応フィオナの子孫にあたるが間違ってもいる。もう、フィオナがエンドレスに支配された時点でフィオナの存在は世界から抹消している。そして、その代わりそこにいるはずの人間として創った人の子孫だ。だからフィオナの遺伝子も入っている。」
「そうなんだ、分かりにくいけど、私はフィオナさんの子孫ではないってこと」
「そうだな、まあ、血は繋がっているんだがな」
「そうなんだ、、けど、なんでここにフィオナさんが、」
「エンドレスが、フィオナの体を奪った時点で存在を消したと言ったが、それは生の世界だけではない。だから、死んでしまうと世界を永久にさ迷い続けることになる。だからいっそう、フィオナも神にしたんだ。」
「ウィル、、、」
「、、、」
「本心は、」
「一緒にいたかったから、」
「やっぱり、」
「けどいいじゃない。私もウィル君と一緒にいたいし、それにミアさんもさっきからそこにいる澪さんも、一緒に暮らしましょうよ」
俺達が後ろを振り返ると、木陰から、澪が顔を覗かせている。
「ボ、ボクだって、一緒に来たかったですよ。なのに二人とも、ボクだけほっといて、、」
「ごめんな、、」
「もう、」
「ウィル、疑問なんだけどフィオナさんは何の神なの」
「フィオナはなぁ、、」
「はーい、私は魔法の神だよ。」
「フィオナは生前、魔法の技術が突出してたんだ。まあ、そのせいでエンドレスにも目をつけられたんだが」
「まあまあ、けど、私はこれがあったからウィル君も成長できたと思うけどな、」
「それはそうだが、」
「そう言えば、ここにくらすんだったらユキちゃんはどうするんですか、」
「ん、ユキか。ユキは元々神だぞ、」
『えっ』
「ユキは獣の神だ。元々狼型の魔物だからな、」
「そうなんだ、」
「まあいいや、これからも、改めてよろしくな、」
『こちらこそ、』
三人がそう返してくれて、俺は自然に涙が流れた。