第10話 ミアの戦闘訓練
「ねえ、学園大会の訓練しなくていいの」
「ん、別にいいと思う。どちらかと言うと手加減の練習かな」
「そう言えばそうだったね」
「それにしても、ミアも出てみないか」
「え、なにに」
「学園大会だよ」
「え、私も」
「ああ、それで、出てみないか」
「けど私なんて」
「ミアはそんなに弱くないぞ。恐らく学校と生徒とは一瞥するくらい」
「え、そうなの」
「ああ、前も言ったが魔力の保有量も流れもいいし筋肉の動きも良い。これで弱いって言ったら皮肉になるぞ」
「え、そうなの」
「まあ一度訓練してみるといい。なんなら手伝うぞ」
「え、いいの。じゃあお願いするわ」
「ならこないだの森で良いよな」
「あ、うん」
僕達は朝食を食べ終えるとこないだ狩りをした森に移動した。
「じゃあまず対魔戦だな」
「ええ」
「よし、じゃあ行くぞ」
僕は魔物を数匹呼び寄せる。そして余分な魔物を一掃する。
「さ、始めましょう」
僕は捕まえた魔物をミアに向けて仕向ける。
「やっ、、、ウェントゥス・イニミークス・カエデーンス 風刃」
ミアが放った魔法は魔物を切り裂き後ろの木も切り裂く。
「な、言ったろ」
「え、えぇ。凄い」
「じゃあ次はあそこに行こう」
僕はさっき確認しておいた魔物の群れにミアを連れて行く。言い忘れていたがミアの武器は弓だ。
「よし、行くよ」
ミアは矢を3本同時に構えると連続で5回、合計15本の矢を放つ。放たれた矢は全て魔物に命中して群れは8割程が壊滅した。そして、
「イグニス・イニミークス・エールプティオー 炎爆波」
僕が前使った魔法を真似たのだろう。爆風などは制御しきれず発生したがその魔法で魔物の群れは殲滅された。
「ミアってそんなに弓が上手だったのか」
「ええ、狩りが好きだったから」
「へえ、じゃあ僕も」
僕は魔力で弓を形成すると弦を引く。すると矢が形成され矢はどんどん加速しながら数匹の魔物の体を貫く。
「やっぱり良いな。弓は」
「クレイも良い腕じゃない」
「まあ数百年も戦い続ければ必然的に上手くなるさ」
「へぇ、」
「さ、最後は対人戦だな」
「え、、、と言うことは」
「ああ、僕と勝負だ」
「い、いや、少し待って。私なんて無理だよ」
「手加減するさ」
「や、ちょっと待って」
「始め」
僕はそう言って魔力で剣を形成すると斬りかかる。すると、
「や、」
ミアはとっさに飛び退いて矢を放つ。僕は矢を掴むと魔力をのせて投げつける。ミアはそれを数本の矢で相殺すると、風魔法で同時に大量の矢を的確に僕に向けて放つ。僕は、
「炎周波」
放たれた矢は全て炎で燃やし尽くされる。僕は炎に身を隠し魔力剣をミアに斬りつける。
「きゃっ」
飛び退いたミアだが溝に躓いてしまう。
「おっと」
僕はとっさにミアを抱きしめてしまう。
「あ、ごめん」
僕がミアを放すと、ミアは顔を赤くしてしまう。
「べ、別にいいよ、わ、私気にしてないから」
「大丈夫か」
「え、ええ、大丈夫」
僕は様子のおかしいミアを不思議に思うがそれを追求することはなかった。
「まあミア帰ろうか」
「え、ええ。」
僕達はそう言って家に帰った。