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五萬~復活の「H」④~

「フォオオオオオオ!!」


 …はっ!? つい、誰もいない教室とはいえ思わず叫んでしまった…。 先程、『覚醒』という名の『妄想』にふけっていたら、興奮しすぎて二つの意味で立っていた――。


 なぜ、俺がエロい妄想をして性欲を掻き立てたかというと、皆は『茶柱が立つと縁起がいい』という言葉は聞いたことがあるはずだ。 ――そう、『立つ』ということは『縁起がいい』ことに違いないのだ…! 多分。


 恥ずかしいことに、俺が今まで女性相手の時だけ『国士無双』や『役満』でアガれたのは、きっとそういうことなのだろう……。 この事に気付けたのは、先日行われた合宿で、眼鏡先輩が考案した『脱衣麻雀』という素晴らしいルールのおかげだった。 常に刺激的な露出された肌をみることにより、俺は『覚醒』したのだった――。


「さて……」


 俺は改めて、スマフォの画面を見て自身の手牌について確認する。


 普通にアガるためならば『八向聴パーシャンテン』(アガリまで残り9つの牌が必要)だが――『国士無双』を狙う場合なら、『一向聴イーシャンテン』(アガリまで残り2つの牌が必要)という状態だった。


(よし…そして、これで――)


 山から牌をツモる順番が俺まで回ってきて、手に入れた牌は「九萬」――これで『聴牌テンパイ』となった。


 後は、俺の待ち牌である「一萬」が手に入れば『国士無双』の完成なのだが――それだと『☆ゼロ★』には勝てない。


 国士無双は32000点の獲得をすることができるが、ツモアガリだと3人の分割払いとなるので『☆ゼロ★』からは16000点しか奪取できない――そうすると『☆ゼロ★』は15700点で、『復活のH』は55000点……一見勝ってるように思えるが、これではダメだ。


 彼女には『ゼロサムゲーム』という能力があるので、俺が国士無双でアガった分以上の得点を回収してくる――そうなると太刀打ちができない。


 だから勝つためには、『☆ゼロ★』が俺の待ち牌である「一萬」を河に捨てロンをすることが勝利への限定条件だった(ロンをされたプレイヤーは責任払いとして全額分の点数を払わなければならない)。


 普通ならば、そんな都合のいいことなど起こり得るはずがない――だから俺は『罠』を仕掛けた。


 俺は当初、『☆ゼロ★』が「一萬」を河に捨てるのをひたすら待っていた――なぜならば、一度捨てた牌は自身の手牌には『不必要』な牌ということになるからだ。


 そうすることで、『☆ゼロ★』が『二度目』の「一萬」を掴めば、それは河に捨てざるを得ないだろう――それに合宿でも学んだことだが、『虎鉄くん』が言っていた効率重視を考えるならば「一」と「九」の牌は早めに河に捨てるという戦略……それを俺は逆手にとろうっていう寸法なのだ! 完璧だ…完璧すぎる!


 ――まぁ、『☆ゼロ★』が沢山積まれている山から「一萬」を掴む保証はどこにもないわけだけど……。


 キュイキュイーン!!


 そんなことを危惧していたが、どうやら杞憂だったようだ――先程の音は、麻雀アプリの『アガリ』を知らせる告知音でスマフォ画面の中央に赤いボタンが出現している。


 一萬を河に捨てたのは――『☆ゼロ★』だった。


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