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三萬~新生雀士現る⑤~

 翌日――金曜日。


 いつもと変わらぬ朝を迎え、普段と変わらない退屈な授業が終わり、今日もまた放課後がやってくる――。 そこで、俺はふと妙案を思いついた。


「なぁ、雀…、先に部室へ行っててくれないか?」


「えっ、いきなりどうしたの竜伍…? トイレなら待っててあげるから、早く行ってきなよ」


「ばっか、ちげえよ! 俺は子供かっ!」


 大をしている音が聞かれたくない思春期は、もう過ぎているんだよ!


「じゃあ、一体何の用があるの…?」


 不安そうな表情を浮かべる雀――そんな顔をされると、こっちが困る…。


「――実はさ、麻雀部に入部してくれそうな奴に心当たりがあるんだよ。 だからさ、先輩にも部活勧誘で遅れるって伝えといてくれ!」


 雀の疑問を解消するために、俺はそう言い残して、その場を離れた――向かった先は、自分の教室である1ーCクラスへと足を運ぶ。


**********


「――よし、じゃあ始めますか…」


 1―C教室へと着いた俺は、まず自身のスマフォを取り出して麻雀アプリのゲームを立ち上げる――クラスには誰も居ない。


「またいるかな、アイツ…」


 俺は顔も知らない人物を思い浮かべながら、麻雀ゲームの対戦画面を開いて「近くのプレイヤーを探す」ボタンを押していた。


 10秒、1分…、5分――と時が流れて、『アイツ』はもう帰っているのかと思い始めた頃、スマフォ画面に現れる。


『☆ゼロ★』が入室しました――という文字が。


「やっぱり、来たな…!」


 釣りで獲物がかかったような高揚感がした俺は、ニヤリと白い歯を覗かせながら笑った。 そして、次に俺がするべき行動は――。


 麻雀ではなく、歩きスマフォだった。     ※良い子はしてはいけません!


 なぜ、麻雀ゲームのアプリを立ち上げているのに、麻雀をしないかだって…? 理由は簡単――今この瞬間にスマフォ画面に集中している奴が『☆ゼロ★』に違いないからだ!


 じっちゃんの名にかけて、俺の名推理が正しい事を証明してみせる! ――まぁ、俺のじっちゃんはただの農家で、キャベツとレタスの見分け方しかできないのだけれども。


 俺は自分の考えが正しい事を信じて、ひたすら歩き回る――1年教室はもちろん、2年、3年の教室へと躊躇なく入る。


 だが、俺の推理は諸刃の剣だった――ようやく2ーBクラスに居た先輩がスマフォをいじっていたから、プライバシーのへったくれもなく画面を覗き込んだ俺は、タコ殴りにされたのである。


 そりゃあそうだ。 誰だって、知らないやつにスマフォののぞき見なんてされたくない――だが、俺は諦めない…!


 ここまで来たら、なんとしてでも犯人を捕まえてやる! という固い意志を抱いた俺は、先輩だろうが女だろうが容赦なく画面を覗き込む!


「てめぇ! なに人の、LI○Eのやり取り見てんだよ!?」「きゃー、変態!?」「ハァハァ、どうだい僕の、前川先生に蔑まされた画像のフォルダは?」「おっ、君もモン○トするのかい?」


 などなど、散々な目にあった――途中、石岡くんが居たような…。


 そうこうしている内に、『☆ゼロ★』は見つからないまま、麻雀の局は東3局となり、オーラス(最後の局)まで残りわずかとなってしまった。(点数はもちろん、ぶっちぎりの最下位である)



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