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二萬~麻雀部結成⑯~

「――さて、俺が勝ったから後は分かってますよね…?」


 ブッちぎりの一位を獲得した俺は、忌々しいまでに顔を笑いの形に歪めながら、生徒会長にそう告げる――すると。


「ああ、勿論分かっている…。」


 生徒会長は悔しそうな面持ちで、上着を脱ぎ始める――えっ!?


「はっ!? アンタ、なに脱いでるんですか!?」


 カチャカチャとベルトを外そうとしている生徒会長に問いかけると、彼はキョトンとした顔で首を傾げていた。


「勝負に負けた者は、『裸』になる――そういう賭けではなかったかね…?」


 ちげぇよ! それは、俺らが負けた場合だろうが!


「えっ!? も、もしかして僕も裸にならないといけないのか…!?」


 最下位で「ー8000」点の雀も何を勘違いしたのか、服の上から胸辺りを右腕で隠し、左手で股間部を隠していた。 ――俺は野郎の裸を見たいという願望はないのに…!


「俺らが勝ったら、麻雀同好会の部への昇格と石岡くんの解放をしてくれるっていう、約束でしょうが!」


 俺がキッパリとそう告げると、生徒会長は「チッ」と舌打ちをして、外しかけていたベルトを再びつけてくれた。


「勿論、覚えているさ」


 肩をすくめながら、目障りな笑い方をする生徒会長。 タチが悪い冗談はやめてほしい――てか、上着も着てくれよ!


「…見事な勝負だった。 ――麻雀同好会の部への昇格を認めよう。」


 右手を差し伸べて握手を求めてくる生徒会長――俺はなんだか照れくさかったが、ライバルとの激しい死闘を繰り広げた後の青春みたいで、熱い握手を交わす。


 すると、生徒会長は頬を朱に染めながら大胸筋をビク、ビクと痙攣させていた――さっきまでの俺の熱い想いを返して欲しい…。


「ペス――君も晴れて自由の身だ。 好きに生きるといい」


「は、橋本氏…! 助けてくれて、ありがとう…!」


 奴隷から解放された石岡くんが、目元に涙を浮かべて鼻水垂らしながら俺に抱きついてきた――やれやれ、どうせなら女性に抱かれたいものだ。


「これで放課後に、前川先生に蔑まされる日々が戻ってくる――!」


 うん、そのうち石岡くんは警察にお世話になる可能性があるな…。 その時は、見捨てることを固く誓った俺だった。


「よくやった、竜伍」


 生徒会長に勝利した俺に、肩にそっと手を置いて賞賛してくれる眼鏡先輩――彼女は俺の耳へと近付き、甘い声でそっと囁く――。


「見事、勝ち取ったお前には『ご褒美』をやらないとな」


 そう俺の闘いは、これから始まるのだった――!



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