二萬~麻雀部結成⑨~
「今後、竜伍が過ちを犯さないように解説をしてもいいだろうか?」
なぜだか分からないが、眼鏡先輩は申し訳なさそうにしながら、説明の許可を得ようとしていた。
「…? 教えてくれるなら、ぜひお願いします」
こちとら麻雀初心者なのだ。 解説してくれるなら、願ったり叶ったりだ。
「――ふむ。 先程、『ポン』と『チー』の説明をしたな? 実は、それなんだが欠点がある」
……えっ? 普通に何も考えず、ポンしてしまったのだが、もしかしてルール違反してしまったのだろうか?
「昨日、麻雀でアガるために必要なことを教えたが覚えているか?」
「えーと確か……、同じ絵柄か並び順の牌を3枚――これを4セットと、同じ絵柄の牌を2枚の計14枚必要なんですよね?」
「うむ、そうだ――しかし、アガる為にはもう一つ必要な要素がある。 それは『一翻』(イーハン)というものだ」
「いーはん?」
「本来『一翻』というものは、手牌13枚で必要な牌があと一つの状態で『リーチ』をかけることで『一翻』を貰えることができる」
ふむ、なるほど…。 じゃあ、俺もリーチをかければ『一翻』を貰えるわけだな――ん? さっき、眼鏡先輩は何て言った?
『手牌13枚』で『リーチ』をかけるって言ってなかったか……?
「どうやら気付いたようだな――そう、『ポン』や『チー』を使用した場合、『リーチ』をかけることができない」
「えぇっ!? じゃあ、どうやって『一翻』もらえって言うんですか!?」
俺は『ポン』をしてしまった以上、もうアガれないということではないか!?
(……ん? おかしくないか? じゃあ、生徒会長とかはなんで『ポン』とかしているんだ?)
「実は『一翻』を得るためには、『リーチ』以外にもいくつか方法がある」
なーんだ、解決策があるのか。 勿体ぶらずに、早く教えて欲しい。 焦らしプレイは俺じゃなくて、石岡くんの本分です。
「それは『三元牌』、もしくは『自風牌』を三枚揃えるという方法だ。 『三元牌』は――「ハク」「發」「中」のことで、『自風牌』は自分が座っている席の方角と同じ牌――つまりこの場合、竜伍は「西」を3枚持っていたら『一翻』を獲得できる」
なるほど…、つまり『三元牌』と『自風牌』を持ってない俺は、『一翻』がないわけで――アガれないってことじゃねぇか!
しかも、眼鏡先輩がわざわざ説明したってことは、俺が『一翻』持ってないことが他3人にもバレたわけじゃん!




