表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/63

二萬~麻雀部結成⑤~

「え…、私?」


 俺はマリアさんの方に手を差し伸べる――だって考えてみて欲しい。 もし仮に、勝負に負けたとしたら、『裸』になるのは誰だろうか?


 結論、勝負で負けてしまった人物が責任として『裸』になるべきだ。 ならば、俺が取る選択肢はただ一つ――マリアさんと組む他ない!


「ちょっ、竜伍!? なんで僕じゃないの!?」


 雀は俺の素晴らしい策略に気付いてないようで、反対の意を示していた――この愚か者…! 万が一、負けたとしたら野郎2人の裸を見せなきゃいけないんだぞ…!? そしたら得をするのは、『ゲイ』の生徒会長のみ! それだけは避けなければならない…!


 …と言いたいところだが、最初から負けを想定していることが眼鏡先輩にバレたら、きっと軟弱者!とか罵倒されるに違いない。 だから、俺は違う理由を述べて、雀が勝負の場に赴くのをなんとか避けようとする。


「あー…。 雀は、麻雀のこと知らないって俺に嘘ついてたからなぁ。 そんな奴は信用できないからな」


「う、それは…!」


 よし、少し言い過ぎたかもしれないが、これで雀は引いてくれるだろう――俺はマリアさんの手を取ろうとしたその時。


「…待って! もし、竜伍と僕が一緒に戦って負けたら――僕は何でも言うことを聞くよ…!」


 なんでも…? 俺の耳がピクリと動く。 なんでもってことは、例えば宿題をやらせたり、女子のスカートをめくってこい! とか命令できるのか…!?


 俺は雀の方を見てニヤリと笑うと、何を勘違いしたのか、雀は赤面しながら胸の前で腕をクロスさせながら、


「も、もしかして、竜伍も僕の裸を…!?」


「俺はゲイじゃねぇよ!」


 変な誤解をされる前に、俺は強く否定する。 ――そして、マリアさんへと伸ばしていた手を雀の方へと向けて、俺たちは握手をする。


「よろしくな、相棒」


「竜伍こそ、足引っ張らないでよね」


 こうして、俺たち幼馴染の共闘が決定したのだった。


「ふふ…、ようやく対戦相手が決まったようだね――じゃあ、麻雀卓のある君たちの部室へと移動して、麻雀の勝負をしよう」


 戦いの幕が切って落とされる――!!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ