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退屈な日々の終わり
皆は時が止まったような感覚を体験したことはあるだろうか?
少なくとも俺はある。
というか、今がその時だ。
蒸し暑い体育館の中、桐竜高校の全校生徒が集まるこの公共の場で、壇上に立っている眼鏡を掛けた女性がこう言った。
「私に麻雀で勝てたら服を脱ぐ!!」
あまりにも突拍子の出来事により、自分の耳を疑わざるを得ない。
壇上に凛として立っている女性は、目鼻が整った綺麗な顔立ち、スラッとした手足、肌が透き通るように美しく見るものを魅了するには十分なプロポーションだった。
その女性が、麻雀で負けたら服を脱ぐ…?
こんな非日常を目の当たりにした俺こと『橋本 竜伍』は、この日を境に人生が一変する。