案8
・タイトル『モンスタークラブ』
・あらすじ
世界の境界を越えた転移とは、様々な要因が結合し合った偶然によって行われる。
それを容易に可能とするのは、生み出される直前の世界と崩れ去る直前の世界。
未だ存在を世界に固定されきっていない生み出された直前なら剥がすのも容易。
また、固定された存在が剥がれ落ちる崩れ落ちる直前ならば奪い取るのも容易。
だからこそ、生きた年月の長い世界より転移するのは容易でない。
あらゆる世界を跨ぐ箱庭は、時に余剰なものをくっつけてくる。
そしてそれらは世界を跨いだ事により、確かな在り方から姿を変える。
誰にも忘れ去られし過去ならば
事実を虚偽へと移すだけならば
尚必要である事を求めるならば
差し出された機会を掴むならば
変える事など何と容易なことか
・設定
様々な世界に突如として現る、そんな物質等。
それが世界を跨ぐ拍子に、たまに関係のないものを巻き込んで世界を跨がせてしまう事がある。
とある世界のとある廃校には、焼け爛れた後がある。第二次世界大戦終了して幾分もの時間が過ぎた後、爆弾が投げ込まれた。
五月のとある土曜日の午前十一時ほど、数名の教師に、活動していた五つの部活動の部員と、丁度通りかかった哀れな他部員や民間人をも巻き込んで火の海に鎮めた。
当時の現状から復帰できずに放置された廃校には、何も残されていない更地となった。しかし、毎週土曜日の午前二時程に消えた廃校が姿を見せることがあった。そこでは、数多の死者の魂が泣いている。肝試しに、仕事で、興味本位で。
様々な理由で廃校に向かう人たちは、そこで、生者には見ることが叶うが、お互いを見ることができない幾多の怨霊に襲われた。逃げることができるのは一週間後の午前二時か、他の特殊な方法。
廃校が、死者達が嘆くから。彼らは襲われた。
巻き込まれた一部をごっそり転移させることによって、その存在を歪めながら復活する彼らの物語。全てが歪みながら、転移した世界に巻き込まれるイレギュラーの話。
・重要キャラクター
田邊 吉洋
大きな雲に青く大きな一つの目玉がついた姿の元男子中学生の怨霊。幽霊の時は怨みに突き動かされて自我を失いながら迷い人を襲った。
武藤 雛
額に三つ目の目玉ができた人間姿の元女子中学生の怨霊。幽霊の時は、恐怖に突き動かされて誰かが近づいたときに大きな悲鳴をあげた。
大鳥 覚
無機質な石の巨人の姿の元男子中学生の怨霊。幽霊の時は、解放に突き動かされて自我を失いながら生者に乗り移って生きようと画策していた。
鈴木 花梨
例えるならば、二足歩行する人型の植物の見た目の元女子中学生の怨霊。顔の部分には花が咲いており、手は蕾。体を突き破るように蔦が伸びている。幽霊の時は、憧れに突き動かされて自我を失いながら生者を拘束していた。
イメージはメトロイドフュージョンに登場する鳥人像。
廃校
住人を守り、侵入者を食べる彼らの守護者。感情らしい感情は無いが、彼らを守るためにうごく。