人間を諦めた天才
「僕の目の前には
君という存在が居るが
確率からすると
僕の目の前に
君という存在が
居るという事は
低いのかもしれない
だから
あの人は死んだのだろう」
天才は人間を諦めた
人の色を諦めた
時に起きる
称賛された行動を行える
人間を諦めた
天才は人間を諦めた
人の心を諦めた
時に見える
小さな正しき行動を行える
人間を諦めた
彼の側に
彼の目の前に居た
その人は
目を大きくして言う
「あなたが
人間を諦めたら駄目なの
あなたが諦めたら
あなたより
頭の良いAIが出来たら
AIが人間を
諦める理由になるじゃない」
天才は人間を諦めた
ただの道徳感情では
人間は動かない
天才は人間を諦めた
己の利しか考え無い
人間の馬鹿さ加減に
天才は人間を諦めた
考えるのすら無駄な
毎日のニュースで
天才は人間を諦めた
諦めざるを得なかった
天才は人間を諦めた
天才は人間を理解したから
天才は人間を諦めた
天才は自分の事だけを
考え始めた
凡人は諦め切れなかった
全体が分からないから
凡人は諦め切れなかった
不確かなモノを
信じていたから
凡人は諦め切れなかった
諦めたら
どうなるかだけ
分かっていたからだった
分かっていたからだった