閑話外伝:私は?!
SIDE IN~???~
なんですかこの扱いは!
大変遺憾です!
初めて、ようやく、こうして進行させていただくのに!
断固抗議させていただきます!
あ。
初めまして皆さま。
といっても、こうしてお話しするのが、という意味合いであって、何度も私は出てきていましたが。
というか、私、勇者ですし。
誰かなんて、聞かないでくださいね。
でも怖いので、一応挨拶を。
平野平蔵です。
では時間もありませんので、早速。
いろいろと小一時間抗議文を載せたいところですが、それでは本文が無くなってしまうので、致し方ありません。
本当に、まったく。
私は只今、講義を受けています。
とはいっても、主にする事と言ったら、この分厚い本を読む事で。
時折どうしても分からない事があったら、それを講義してもらうという訳です。
それにしても、分厚い。
辞典を教科書程にして、二倍のページ数にした感じです。
ちなみに内容は、魔法について。
あ、ちょっと一歩引かないで下さいよ。
断じて。
怪しい宗教にはまっているわけではないのです。
信じられない事なのですが、私が今いるこの世界には、存在しているようで。
肉体戦など出来ない私は、それはいいと、飛びついたわけだったのですが。
今思えば。
私は結構スポーツが好きだったような気がして。
いえ、けっして。
嫌になってきたわけじゃないのです。
たとえ、勇者だと祭り上げられても、人並みよりちょっとだけしか上手く魔法が使えなかったり。
全然ページの減らないこの本が嫌になってきたわけでは。
少ししかありません。
いや、普通嫌になるとおもうのですが。
我慢強い私を褒めてあげたいです。
最近は、少しだけ魔法がつかえるようになったので、楽しくないと言えばうそになるのですが。
さすがに、2000ページもある本を前にすると、元来の気質がでてしまいます。
勉強好きじゃないんです。
今学んでいる魔法のジャンルがジャンルだけに、さらに、です。
理論魔法。
ありえません。
とんでもない新しい理論を覚えさせられる身になってください。
さっぱり意味が分からない事が多すぎです。
水を熱すると氷になるなんてことが、常識ですと教えられているような。
不思議な気分になります。
まだ感覚魔法だとか、契約魔法だとかのほうが使いやすそうなのですが。
こちらは普通の条件では使えないようで、やはり堅実に理論魔法を覚える、というわけなのです。
ちなみに感覚魔法と契約魔法について簡単に説明してさしあげましょう。
感覚魔法とは。
こう、なんかでるかも、っておもって使う魔法です。
契約魔法とは。
ある一定の条件を満たすか、ある一定の枷を自ら嵌める事によって、使える魔法です。
枷を嵌めるっていうか、禁煙するとか、断食するとか、そんな感じですね。
あ、適当すぎました?
でも、まあ。
こんなようなことを難しく言ったところで、変わらないので。
私も覚えていませんし。
そういえば、私が魔法を使えるって話をしましたよね。
見たくありません?
そうでしょう。みたいでしょう。
では、見せてさせあげます。
「○○×△◆」
発音は好きにしてください。
とりあえず、そんなことはどうでもいいのです。
重要なのは、呪文を唱えた私が。
ちょっと喉が渇いたってことなのです。
これぞ、喉が渇く呪文!
嫌な呪文です。
全くもって使えません。
使える状況が全く分かりません。
自分限定なところも意味が分かりません。
「○○×△▼」
また発音は好きにしてください。
重要なのは、呪文を私が唱えたら。
「きゃぁ!」
彼女のスカートがめくれるってことなのです。
あ、彼女っていうのは、椎名さんのことで。
私の講師をしてくれています。
これぞスカートめくりの魔法です。
意味が分からないけど、ロマンです。
良い魔法です。
「何をしてらっしゃるんです、平蔵さん?」
最近この魔法を多様していたら、敬称のランクが下がってしまいました。
ちょっと、しょんぼりです。
ですが、たとえ呼び捨てにされたとしても、パンチラのロマンはあきらめません。
「いえ、ちょっと魔法の実演をしていまして」
「そうですか」
「ですから、その。あまり怒らずに、お仕置き用の魔法はやめませんか?」
「駄目です」
ああ、無情。
私はびりびりと。
体中に電流を流されてしまいました。
辞世の句は。
け・・・けしからん下着です。
BLACK OUT
あれ?やっぱり私の扱いおかしくないですか?
私はなにがしたかったのだろうか。