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Heart〜生まれつき心の声を聞く能力を持った僕は、神様のまねごとで人との絆を紡いでいく〜  作者: くろくまくん
シン・転職編

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サトシに相談しよう、そうしよう

ユキのカミングアウトをモールで詳しく聞いていて、


急に抱きついてきたユキ。


しかもその現場をサヤに見られてしまう。



◯登場人物


松岡マツオカ シン

26歳。物語の主人公。生まれつき人の心の声を聞く能力を持つ。


進藤シンドウ 紗弥サヤ

26歳。シンと幼稚園の時の幼なじみ。雑貨小物の製造メーカーで、アートデザイナーとして働いている。


逆瀬川サカセガワ ユキ

20歳。たまたまストーカーに追われていたところを助ける。


進藤シンドウ サトシ

48歳。サヤの父親。基本的に楽天家。優しい心の持ち主。

「サヤちゃん!これは違うんだ」


「サヤちゃんおつかれさまです。あ、たまたまシンくんと仕事の途中で会って、仕事あがりに休憩してたんです」


-ね、ホントのお兄ちゃん


 ユキちゃんは僕にくっついた姿勢のまま答える。


「仕事あがりに休憩で、イチャイチャってするもんなんだ。へぇ…」


「シンくんにお兄ちゃんごっこしてもらってたんですよー!」


 ユキちゃんが何をしたいのか僕はわからなくなっていた。


「あっ、あっ、サヤちゃんこの相談所のチラシ。凄く助かったよ!作るの大変だったでしょ?ホントにありがとうね」


 会話を変えようとチラシのお礼をする。


「あぁ…そんなの全然いいよ。私が勝手にしただけだし。それより…いい加減離れたら?」


「う、うん。僕もそう思う…ユキちゃん、そろそろ」


「えー、ダメです。あと五分はお願いします!」


 この状況は…絶対にまずい。


「住むところとか、仕事の都合までしてもらって、やることかよ…」


 サヤちゃんの顔が青ざめていく。サヤちゃんが怒るのも当然だ。でもここで真実を知ってしまったら…


「あ、いや…そんなつもりじゃ…」


「勝手にやってろよ!!」


 そう言って、手に持っていたポテトと飲み物が乗ったトレイごと、僕のほうにぶつけてきた。サヤちゃんはそのまま走っていってしまった。


「サヤちゃん!」


「あーあ、びしゃびしゃになっちゃいましたね」


「ユキちゃん!ちょっとふざけるのも度が過ぎるよ!何がしたいのか僕には全然わからない…」


 思ってたより強く言ってしまった。ユキちゃんは途端にびくっとなって、顔もこわばる。


「あ…ごめん。強く言うつもりはなかったんだけど…でもサヤちゃんにしたら気分良くないよ。ちゃんと謝ろ?」


 僕はその場だけの言葉であることはわかっていたが、まずはユキちゃんに伝えた。


「そうですよね…ごめんなさい。私も調子に乗りすぎました…」


 その日、サヤちゃんは一言も口を聞いてくれなかった。僕は…これからどうしたらいいのか。


 それからのユキちゃんは、今まで通りのユキちゃんに戻った。あの時のユキちゃんはなんだったのかなと思うくらい。でも…あの時の恐怖は忘れられない。


 サヤちゃんは次の日も何も言わずに仕事に行った。僕はどうしようもなく、サトシに相談をすることにした。でも…全部は言えない…


「えーと…お父さん。今日ひととおり仕事済ましてからか、遅くなってもいいので二人で話したいんですけど、時間作れますか?」


「おっ、まだまだ寒いしおでんいっとく?俺は今日は外には出ないし、17時くらいからならいつでも大丈夫だよ〜」


「ありがとうございます。じゃあ17時に、いつもの赤ちょうちんのところで。もし遅くなりそうな場合、連絡しますね」


「はいよ〜、今日も頑張っていってらっしゃい」


 今日は火曜日なのでゴミ出しの依頼はないのだが、前に思いついたことがあるので、ゴミ出しのばあちゃん(竹ばあちゃんという名前みたいだ)の住んでるあたりに向かう。


 前にも少し思ってた、ゴミ出しの依頼は1件1件の単価は安いんだけども、同じエリアで、複数のゴミ出し依頼を受けれた場合、一回のゴミ出しは単価五百円で安いとしても、週二回で千円、それが一ヶ月になると四千円、さらにゴミ出し依頼がもし増えた場合、十件になると4000×10で、ただ週二回、十件のお家のゴミ出しをするだけで、月四万円になるわけだ。あと、金額の問題だけでなくて、こういうことを通じて、住民の人と繋がりができたり、そういうこともある。


「タケばあちゃんおはよう、元気?」


「年寄りに元気かどうかあまり聞くもんじゃないで!こんなからびた年寄りが元気なわけないやろ」


 いや、充分元気だと思うが…


「タケばあちゃん、前にも聞いてたんだけど、ゴミ出し困ってるお家って、ばあちゃんち以外にもいそうかな?」


「んー、どうやったかいな…いくつか聞いた気もするけど、忘れてしもたわ。まぁお茶でも飲んできな、羊羹ようかんもあるで」


 羊羹食べる気分じゃないんだけどな…


 たまたま商店街で声をかけてくれたばあちゃん、あ、名前は竹子たけこだからタケばあちゃんと言うんだけどね、ゴミ出しの依頼を受けた縁で、というか商店街でチラシ配りとかしてたらまぁまぁしょっちゅう会うんだ。そんなわけでヒマな時は話し相手をしてたりする。


「ばあちゃん…女の子ってさ、たまに何を考えてるかわからない時あるよね…?」


「ほっほっほー、何を考えてるかわからんのは、女子おなごだけでなくて、人間みんなやろ。裏表があって当然なんやけども、それがわかりにくいから、争いも起きるし、ややこしいんやと思うで」


 なんかよくわからんけど、的を射てるような気もする。ユキちゃんの表と裏…また考えてしまって、僕はゾッとした。


「そういえば、ばあちゃんは旦那さんはいたの?」


「もちろんいたで、もう随分前に死んだけどな。めちゃくちゃ男前やったで。あぁ、兄ちゃんに少し似てるかもやなぁ」


「へ、へぇ〜、そうだったんだ。あ、じゃあそろそろ仕事してくるよ。お茶ごちそうさま、またなんかあったら教えてね」


 そのあたりで、仕事の営業に回ることにする。さっき言ってたゴミ出し依頼や、他にも掃除、探し物、困ったことがないかなど、仕事にすぐ繋がらなかったとしても、色々話したり聞くだけでも何もないよりはいい。


 結局この日はゴミ出しの依頼を三件、ばあちゃんとこと合わせると四件で月額一万六千円になる。それと、庭の草むしりの仕事と、家の掃除の依頼を受けた。


 そうやってなんやかんやしてるうちに、17時前になった。集中していると時間って早く過ぎるもんだよね。今はとにかく動いていないと、余計なことを考えてしまいそうだったから尚更必死に動いた。


 サトシに連絡をいれる。


「シンくんおつかれ〜、もう赤ちょうちんでお先に飲んでるよ〜」


 ホントにこの人、仕事ちゃんとしてるのか…


「おつかれさまです。そろそろ向かいますね」


 おでんの屋台は、冬以外は何をするんだろうな…そんなどうでもいいことを考えながら、赤ちょうちんの屋台に向かう。


「おーい!17時過ぎてるよ〜、遅刻遅刻!」


「あっ、はい〜、おつかれさまです」


「大将熱燗おかわりと、シンくんにも適当におでんいれたげてね」


 サトシには、僕の父親と、ユキちゃんのお母さんの話は伏せたままで、それ以外の話をした。今のユキちゃんの真意がわからない以上、迂闊うかつに話せないと思ったのだ。


「シンくん相変わらずモテるね〜!サヤだけじゃ物足りず、ユキちゃんにまで…やるな〜!」


「いや、そういうのじゃないんですよ。僕も困ってて…なんていうか、ユキちゃんはかわいいし、妹みたいに思ってることは間違いないんですけど、サヤちゃんのことを大事に思ってる、その気持ちとは違うっていうか…」


「うんうん…まぁそうだね〜。あ、シンくん、魔性ましょうの女、ってわかるかい?」


「魔性の女…?」


「ウブなシンくんにはあまり聞き慣れない言葉かもしれないけども。まぁ簡単に言うと男をもて遊ぶような、危険な女のことだね〜。簡単に言うと、ユキちゃんは魔性の女だね。あ、これはユキちゃんのことを悪く言ってるわけじゃなくてね。きっとユキちゃんは狙ってそうしてるんじゃないと思うんだけど、知らず知らずで、そういう態度をしてしまってる、という感じだね」


 今のユキちゃんの場合、知らず知らずではないような…サトシにそれを伝えられないことがもどかしい。まさに魔性の女だ。


「まぁ…なんとなくそれはわかるような…」


「サヤの場合、俺が言うのもなんなんだけど、すごいド直球な子なんだよ。色々なテクニックとか、駆け引きみたいなものはできなくて、でも、そのかわりものすごく一途なんだ。どっちがいい、っていう問題でもないんだけど、だいたい平均的なことで言うと、モテるのはユキちゃんタイプなんだ」


 サヤちゃんが素直な子だというのはわかる。


「去年の年末の時も一度アドバイスしたかもだけど、女心って難しいようなんだけど、意外と単純なんだよ。それは男もそうなんだけど、思っている気持ちを、素直に、正直にぶつける。結局のところそれだけだよ」


 ユキちゃんは果たして思っている気持ちをぶつけてくれるだろうか…


「サヤちゃんとは、最近なかなかゆっくり話もできてなかったかもしれないです」


「うんうん、そうだよね。こういう時はとことんまで話す。それが一番だよ。あ、それとついでにいい情報も教えてあげよう」


「いい情報ってなんなんですか」


「まぁまぁ…サヤのね、あれがね、これでね。こうこうこういうわけでね…ゴニョゴニョ」


 そうだったのか…それはいいタイミングな気がする。ユキちゃんのことは考えるとして…ひとまずサヤちゃんと仲直りしたい。


「え、それって今週末ですよね?ちょうど。あー、もしいけそうなら、お父さんにもちょっと協力してもらってもいいですか…?」


「おっ!いいじゃんそれ。実は最近そういうのも全然してなかったから、たまにはいいかも。じゃあまぁそっちの準備はシンくんに任すから、こっちの準備は任せといて」


「ありがとうございます、よろしくお願いします」


 色々と、ほんとに色々あるけど。できればサヤちゃんと仲直りしたい。そして、また元通り仲良くお話したい。


 仲直り…できるだろうか…


全てを話すことができないシンだったが、


表面だけの相談ではあるがサトシに話を聞いてもらう。


ユキのことは気になるが、サヤとの仲直りもしたいシン。


仲直りは上手くいくのか?

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― 新着の感想 ―
抱きつきユキちゃんの心の声は聞こえなかったのかなあ? あ、焦ってそれどころじゃなかったか(・_・;)
大丈夫なのかな? いや、まあ。 エスパーなんだから、大丈夫な筈なんだよね。 変な声が聞こえなければ……。 ( ・∇・)大丈夫?
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