第1話『崩壊寸前の世界へようこそ!』
「⋯⋯ん?」
高校から自宅への帰路の途中、閑静な住宅街を歩いていた狛の視界の隅に、小さく丸まった少女が映った。
迷子だろうか、近寄ってみると鼻をすする音が聞こえた。
「大丈夫?」
狛は少女に近づくと、膝を曲げてそう声をかけた。
急に声をかけられた少女はビクッと体を跳ねらせ、怯えたような視線を狛へと向ける。
「あっと、急に声かけちゃってごめんね?何だか困ってるみたいだったからさ⋯⋯よければ、泣いてる理由を教えてくれないかな?」
狛は出来る限り優しい声で話しかけた経緯を伝える。
すると、少女は安堵からか口端に少し笑みを浮かべ、話し始めた。
「えっと、あのね、お母さんとおかいものに来たんだけどね、はぐれちゃったの」
緊張からか、少女は少しどもりながらも話してくれた。
狛は茶化すことなく真剣に最初から最後まで聞き納め、そこ顔ににっこりと笑顔を浮かべた。
「そっか、怖かったね。良ければだけど、俺もお母さんを探すの手伝っても良いかな?」
少女はコクコクと頷き、それを肯定と受け取った狛は折っていた膝を真っ直ぐに伸ばした。
「それじゃあ、行こうか。きっとお母さんも心配してるよ」
少女の申し出で手を繋いだ2人は、最寄りのスーパーへ向けて歩き出した。
◇◇◇
「⋯⋯へぇ、時雨ちゃんは星が好きなんだね」
「うん!昔お父さんとお母さんとキャンプに行ったんだけどね、その時に見た星がとっても綺麗だったの!」
「良いなぁ、俺は星なんて月くらいしか見たことないや」
「月も好きだよ?私」
狛は星月 時雨と名乗った少女と会話を途切れさせないよう最新の注意を払いながら言葉を紡ぐ。
時雨の方も話す事は大好きなようで、満面の笑みを浮かべながら会話をしてくれている。
「時雨!」
10数分歩き、もう少しでスーパーが見えようかという所で、突然少女の名が響いた。
「お母さん!」
2人が声のした方向を見ると、息を切らした40代程の女性が心底安心したような顔で時雨を見ていた。
そして女性を認識した時雨は女性の元へ駆け寄る。
狛は微笑みながらそれを見つめ、やがて目を逸らして帰路へと戻⋯⋯ろうとしたのと同時、突如時雨の足元に何かの機械的な文様が現れ、光り始めた。
(何だあれ⋯⋯まさか、魔法陣!?何で急に⋯⋯って、今はそんな事考えてる場合じゃないだろ!)
あまりの出来事に、狛と時雨の母親の両者は一瞬固まる。
しかしすぐに再起動した狛が未だ強さを増している魔法陣の光に飲み込まれる寸前、狛は時雨を抱きかかえた。
(このまま逃げ──)
あと一歩、足を踏み出せば魔法陣から抜けられる。
だが狛がもう一歩足を踏み出す直前、魔法陣は狛と時雨、2人を連れてこの世界から消え去った。
◆◆◆
気づくと、時雨は知らない部屋にいた。
急きょ片付けられたのだろうか、部屋の中には本や杖のようなもの、何に使うのか全く分からない道具などが散乱している。
そして狛と時雨を合わせれば12人の男女が、その部屋にはいた。
「ふっふっふ、全員出揃ったようだね。では⋯⋯」
その中の1人、全員が困惑の表情をしているのに対して唯一余裕そうな顔をしている黒いローブに帽子をかぶった、まるで魔女のような服装をしている金髪の少女が、両腕を広げて高らかに言い放った。
「地球人諸君、崩壊寸前の世界へようこそ!」
異世界系の小説、漫画、アニメを観ながら、私は思いました。
異世界転移系の王道展開って、異世界に召喚された人達が力を合わせて魔王や悪の組織、その他etcを倒す物語りでは無いのか!?⋯⋯と。
まぁ、上の文とは関係なくただただ私が書きたくて書きました。
以上!




