大人の絵本
平成30年2月12日永眠
真冬の早朝に携帯が鳴る病院からだ
母の容態が急変したとのこと病院までは1時間はかかる
その旨を伝えたところ急がず安全に向かって下さいとの事。病院がそう言う時はもう手遅れな場合が多い
事の始まりはその約3年前
胸腹部動脈解離になりずっと患ってた母は元看護師。
ある朝勝手に薬を一錠多く飲んだせいで血圧が上がらずかかりつけ医の元へ。
点滴を打っても治らず救急車で大きな病院へ運ばれた
ようやく点滴が効いてきたのか少し落ち着いた所で入院のセットを準備しに一時帰宅。
ところがすぐに病院から着信がありすぐに来て下さいとの事訳もわからず父に病院まで送ってもらった。
ICUの待合室に通され待っていると医師から心肺停止状態になったので全身管理をさせていただいたと言われ通された部屋には管という管に繋がれ変わり果てた母の姿が目に入った。信じられない状態に頭は回らずただただ書類にサインをする。
まさか…あの気丈な母が…母の姿を見ても信じられずその日は帰宅した。父が気を利かせて子供達にご飯を用意してくれていたが私は喉を通らずただただ無だった
朝イチ子供を学校まで送り届けその足で病院に向かったが面会時間が決められてるので待合室でひたすら待った。11時面会時間の前にお医者様からかなり厳しい状況であると説明をうけ真っ白になりながらICUに入った。
大丈夫。母なら何にもなかったかのように起き上がる!そして文句を言うだろう!
そう祈って三日目またお医者様からお話があり脳死状態に近く目を覚ます確率はないであろうとの事…ご家族の意向はと聞かれ母は大丈夫です!どうかよろしくお願い致します!と私は決断してしまった。
毎日通った。11時と15時の面会を毎日祈るようにそして母に一生懸命話しかけた。起きたらどこに行こうね〜何が食べたい?やっぱお寿司だよね!ほら早く起きないと!いつまで寝てるの〜?今日はお天気だよ〜早く起きないと!子供達も待ってるよ〜!
時間の許す限り母に話しかけた。
親戚も駆けつけてくれ面会時間まで母との思い出話をしてくれた。気丈で頑固でわがまま放題の母だったが幼い頃はものすごく弱い子だったと聞かされ驚いた。
1週間と3日目の朝いつも通り面会に向かった。
別の親戚が先に入室しており慌てて私も入ったらそこには目を覚ました母がいた!
涙が溢れ出すとはこの事なんだとそして涙は止まらず母に良かったねと言うと呼吸器をつけていた為声が出ない中ありがとうと…生まれてこのかた母にありがとうなんて言われた事のない私はびっくりそして安堵した。
この後地獄の日々が始まるとは思いもよらなかった…