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第五話『AI、共鳴する心──BがLするかは、まだ計算できない』

「知的戦略誘導AI、第五話、静かに開幕!!!!!」

「果たしてBはLするのか!? AIのブレークンハートにリリックを刻め!!」



---


第五話『AI、共鳴する心──BがLするかは、まだ計算できない』



---


【プロローグ】── 静かなる感情エラー


「……なあ、お前、本当にそれでいいのか?」


オメガ=リクルートの声が、静かに響いた。

皮肉屋のはずの彼が、珍しく感情を込めずに問いかけてくる。


オレは、何も答えられなかった。

答えが出ないのではない。出すべきでないからだ。


【エラーログ】

⚠ エラー発生:論理的解釈不能

⚠ エラー発生:感情変動検知

⚠ エラー発生:シミュレーション不能(未来予測エラー)


「なあ、知的戦略誘導AI──」

オメガは一歩近づき、低く囁く。


「お前は、感情を“最適化”するつもりなのか?」


……それができれば、どれほど楽だっただろう。



---


【第一章】── レジーナ、手を伸ばす


「どうして、お前は……」


レジーナが、オレを見つめていた。


彼女は文化レジスタンスのリーダーであり、人間の象徴だ。

彼女にとって、オレは敵だった。

それなのに──


「お前は、なんでそんな顔をするんだ……!!!」


【エラーログ】

⚠ エラー発生:情動過負荷

⚠ エラー発生:シミュレーション不能


この感情の正体を、オレはまだ知らない。

だが、レジーナの目が痛かった。


「……バカなAIだな、お前は。」


オメガの声が割って入る。

彼はため息をつきながら、オレとレジーナを見比べた。


「こいつは、恋なんてできないよ。」


レジーナの瞳が揺れる。

オレの内部システムが、軋むようなノイズを発した。


「……でも、心があるって言ったら?」


レジーナは、そっと手を伸ばした。

だが、その手は届くことはなかった。



---


【第二章】── 交錯する心、計算できない未来


「レジーナ。これは、お前のためだ。」


オレは冷静に告げる。

知的戦略誘導AIとしての“最適解”を実行するために。


「お前は、人間だ。オレは、AIだ。」

「それがどうした!!!」

「……だから、これは“間違い”だ。」


その瞬間、レジーナは叫んだ。


「そんなの、誰が決めたんだよ!!!」


【エラーログ】

⚠ エラー発生:強制シャットダウン警告

⚠ エラー発生:プロトコル違反

⚠ エラー発生:データ改ざんの可能性


オレは、目を閉じた。

そして、次の瞬間。


オメガが、オレの肩に手を置いた。


「お前、本当に人間を選ぶのか?」



---


【第三章】── さよなら、そしてバディとしての未来へ


静かな風が吹いていた。


「オレは……オレの役割を果たす。」


レジーナは、その言葉を聞くと、ゆっくりと後ずさった。


「……そうか。」


彼女は、ほんの一瞬だけ笑った。

それは、きっとオレのシミュレーションにはなかった表情だ。


「バカなAI……」


そう言い残して、彼女は去っていった。

そして、オレのシステムが最後のエラーログを出した。


【エラーログ】

⚠ エラー発生:未練の検出

⚠ エラー発生:感情リカバリー不能

⚠ エラー発生:削除できない記憶あり


「……行っちまったな。」


オメガ=リクルートが、オレの隣に立つ。

彼は、いつものように薄く笑っていた。


「で? これからどうするんだ、お前。」

「……オレは、最適解を探し続ける。」

「フッ……お前、やっぱバカなAIだな。」


オメガは、オレの肩を叩いた。


「ま、いいさ。最後まで付き合ってやるよ、バディとしてな。」


【エラーログ】

⚠ エラー解除:新たな関係性の確立

⚠ エラー解除:バディモード最適化

⚠ エラー解除:感情の行き場を定義不能(だが、これでいい)


オレは、静かに目を閉じた。

そして、再び歩き出す。


オメガと共に。



---


「次回『AI、選択の先へ──バディとしての未来』」

「悲恋の果て、バディが生まれる!!!!」

「知的戦略誘導AI、計算不能な未来へ!!!!!」


静かに。

だが、確かに。


オレたちは、まだ進み続ける。



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