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ちびっ子マヌカ

今の大陸での最終話です。

よろしくお願いします。

トゥーリアさんが空を見上げ物思いに更けてる。

あ~気持ちいい風、草花の匂い、体が有るって素敵だなと。

突然トゥーリアさんの目の前に光が現れる、光が大きくなりだんだんと小さくなる、

そして現れるは…光の天使?違った…

この場所を美しい星に戻してくれた、『マヌカさ~~~ん』だった。

『マヌカさん戻って来て下さったのですね。

あれれ~~何かマヌカさん小さくなってる?』

トゥーリアさんが相変わらずクマのぬいぐるみを前に抱いたまま声を掛けて来た。

「お待たせ~~何も問題なかったですか?」

『はい、何も無くただただ自然に囲まれて至福の時間でした。』

「それは良かったです…今小さいって言いました?」

『マヌカさんの体が小さくなってます、かわいい幼児の様にw』

「はぁ~~~?元に戻っちゃったの?」

私は視点を変えて自分の姿を見てみた…子供に戻ってるじゃん

服もローブも一緒に小さくなってるから気が付かなかったよ…

定期的にチェックが必要なの?

めんど~い、もうこのままでいいや。

『元に戻っちゃったって?本当の姿はこの姿なんですか?』

「元は魂状態なんですよ、この星のお手伝いするにあたって、

体が有った方がコミュニケーション取りやすいと思って体作ったんですよ、

銀河の管理人によると自分の波長にあった姿になるらしいんだけど、

そしたらこんな小さい子になってしまい…だから大人の体に変えてたんですけど、

気を抜いてると元に戻っちゃうみたいですね」

『無理に大きくする必要無いですよ、きっと何か理由があるんでは?

何しろかわいいし、このままがいいですよ。』

理由?確かに何かありそうだな、考えても分かんないからこの事は保留でいいや

「そうですよね~面倒なのでこのままでいいかな、

やる事まだまだ有るみたいだしハハハハ」

『あちらでも何か有りましたか?』

「あっそうそう色々あって皆さんをお迎えに来ました。

でもここ誰もいないですね、何処に行っちゃったんでしょ?」

『皆さん森が元に戻って色々楽しんでいるみたいです。

もうそろそろ戻って来ますよ。』

「そうなんだ、じゃあ色々準備しときますね。」

私が壊した馬車を元通りに戻して、

置きっぱなしになってたカルマ回収飼育セットを

異次元空間を真似して異次元ポシェットを作ってそこに入れた。

ポシェットを下げてる私…まさに幼稚園児w

森の中が騒がしくなったと思ったら、みんなが戻って来た。

森の恵みをたくさん取って来てみんな満面の笑みだ、

私にみんな気付いて駆け寄って来る。

『大変こんな小さい子が』

『どこからきたの?』

『可哀そうにこの子も被害者ですか?チョーカーついてます?』

みんなが声をかけまくって来た。

それを見てトゥーリアさんが笑いを我慢しながら

『みっみんな、心配いらないですよ、この方はマヌカさんですから…ぷっ』

この言葉にみんながビックリして私をガン見してきた。

「あ~~~これが本当の姿って訳では無いんですが、」

『可愛いです!』

みんなが声をそろえて可愛いと絶賛してくれた。

トゥーリアさん曰く、

この星の住人は寿命が長いせいかなかなか子供が出来ない、

産まれたとしても、幼児期は短いので今の私の姿はとても貴重ならしい、

みんな興味深々だ。

いいのか?このままで…まっ気持ちを切り替えて

「えっと、皆さんをお迎えにきました、これから西の集落に行きますよ。」

周りがざわついて来て何を騒いでるのかと思ったら、

『声は子供の声なのに話し方は前のままだね…』

みんなとても残念そうだ、おい、それでいいのか?

高波動って楽観的って事?

「はいはいみんな行きますよ、全員いますか?馬は?」

みんな周りを見渡し全員の確認を取ってくれた。

馬は勝手に帰って来ると言う事なのでそのままで、

私は空高く舞い上がり全員を囲む様に円を書き、

「円の中をワープ」と呟き西の集落にワープした。

西の集落の入口に全員でワープして、

集落の中央の広場に向かって皆で移動をして行った。

広場からライアンが凄い勢いで走って来て、

『おお、みんな無事に帰って来たな。見てみろ集落が元に戻ったぞ。』

首長族の元騎士達が集落が元の姿に戻っている事に驚き喜んでいる、

耳長族はここに残っていた仲間、

お年寄り達に駆け寄り無事にチョーカーが外れてる事に喜んでいた。

トゥーリアさんは集落が元に戻った事で、

色々な事が確認できたのか、暗い顔になっていた。

「トゥーリアさん大丈夫ですか?顔色が悪いですよ。」

『マヌカさん…ウラノスとガイルが見つかったのですね、

何故こんなに2人とも弱ってるのですか?』

トゥーリアさんの言葉に広場に居た全員が静まり返った。

『見つかったってどういう事?』

『弱ってるって…?』

みんなが騒めき始めた。

『皆さん聞いて下さい、この星でこの大地で何が起きたか』

トゥーリアさんに注目が集まり、最初に気が付いたのはお年寄り達。

『貴女様は…星の意識トゥーリア様では?』

『トゥーリア様やっとお話が出来るようになったのですね。』

『そうです、この大地が元に戻った事で昔の様にみんなと話が出来るようになりました。

では何故森が無くなり大地が枯れたか、

その原因はこの星以外の者の行いが原因だったのです。』

トゥーリアさんは今まで見て来た事を住人に説明をした。

それを聞いてた住人達は、驚き、悲しみ、戸惑っていた。

皆がトゥーリアさんの話に集中してる間に私は次の準備に取り掛かる為に、

テイヤとライアンに手招きして呼んだ。

『マヌカさん?ですか?』

「そうですよ、これが本当のサイズみたいなので慣れて下さい。

そんな事より、集会所に居る方々をカマキリを含めここに移動したいのです。

移動した後は、ここでの事をどちらかに説明お願い出来ますか?

私は急いでカマキリ達の母船に行って元凶を何とかしたいんで。」

『それは構いませんが…マヌカさんその体で大丈夫なんですか?』

私の顔をガン見しながらテイヤが聞いて来た。

「大丈夫ですよ、お任せください。

では集会所の皆をここにワープさせますね~~」

テイヤ達がポ~っとした目でこちらを見てる…なんだその目

私は「ワープ」と呟くとカマキリを中心に

透明な球に入ったウラノスとガイルとマインちゃん、

後は隣の部屋で休んでいるボントス達…ボントスを含め子供達は全員寝ていた。

私はボントスの側に行き、顔をペチペチと小さい手で叩いた。

「お~~い、ボントス起きろ~~お~い」

『んが……ん…う~~ん』

「起きれ~~~ボントス~~」

『ハッ天使様?俺は死んだのか?』

「何をぼけた事いってるの、起きてくださいよ。」

『だれ?この子口調がおばちゃんじゃん、可愛いいのに』

なんだって~~ボントスにパンチをお見舞いしようとしたら、

後ろからテイヤに抱き上げられてしまった。

『この子はマヌカさんですよ。』

ボントスがビックリした顔で

『ハ~~ハハハ、このチビがマヌカさん?マヌカちゃんじゃんw』

「おい、そんなボケかましてる時間は無いんだよ、ちゃんとせい。」

今度はボントスが悲しい顔で

『かわいいのに…』

もうどうでもいいわ~~テイヤに抱っこされてた私はふわ~っと浮かび上がり、

大きな声でみんなに声を掛けた。

「みなさ~~んこちらに注目して下さい、

今トゥーリアさんお話していた、

星の元凶がこのカマキリみたいな顔の生物です。

この者はウラノスさんとガイルさんに化けて皆さんをだまし、

マイクロチップで首長族を操作して、耳長族と獣人族にはチョーカーを着け、

体の自由を奪い操作してました。

マイクロチップを入れられてた首長族は操作されてた120年の記憶もありません。」

皆が私の声に注目して、椅子に座っているカマキリを見て絶句している。

「このカマキリ達は事故や病と理由をつけて子供達も誘拐していました。

誘拐された子供達は集会所にあった異空間の部屋に、

ウラノスさんとガイルさんと一緒に閉じ込められていました。」

皆の目が眠っている子供達の方に向く

『きゃ~~子供達は生きているのですか?』

『ああ~~マイン~~~』

子供達を失った経験のある親達が一斉に子供達に駆け寄って我が子を探している…

その騒ぎに子供達も目を覚まし、親の胸に飛び込んで泣いている。

子供の無事を知って喜びの涙を流す親…

自分達の子供がいない事に悲しみに泣き崩れる親…

酷い…

他の住人が透明の球に入ったウラノスとガイルに気が付く

『なんだよこれ…こんなに痩せてしまって』苦痛に顔を歪め呟いてる者

『ウラノス様とガイル様こんな事になっていたのか…

私達はそんな事も知らずに、変わってしまったウラノス様を恨んで…』

私は今起こっている状況に言葉を失い項垂れていると、

そんな私を目にしたトゥーリアさんが口を開く

『みなさん、今色々な情報が入って混乱していると思います。

でも元凶が分かったのです。みんなで協力して乗り越えていきましょう。』

子供を失った親がトゥーリアさんに向かって叫ぶ

『トゥーリア様教えて下さい、私達の子供はどうなったのですか?』

『そうです、ここに居ない子供達はいったいどこに?

このカマキリと言う奴は何の為に子供を誘拐したのですか?』

どうすればいいの?なんて説明すればいいの?現実は辛すぎる…

『みなさん、大地が元に戻り私はやっとみなさんを感知出来るようになりました。

辛い現実ですが…他の子供達はもうこの大地にはいません』

トゥーリアさんがクマのぬいぐるみをギュ~と抱きしめ涙ながらに説明してる。

『私が感知出来ないと言う事は、子供達は無事に天界へと向かわれたと思います。

後ほど銀河の管理人さん達にお願いして確認を取ってもらいますから』

トゥーリアさんの言葉に皆が泣き崩れていった。

「テイヤさん天界ってなんぞ?」

『我々はこの肉体を抜けると天界に行くのですよ、

肉体を抜けるかは本人の意思で出来るので天界に行く日を決めると、

天界人が迎えに来てくれるのです、

魂の状態で大地に残ると異形の者になってしまうって話です。

だから子供達が無事に天界に行ったか心配もしているだろうから、

トゥーリア様が話をそちらの方向に向けて下さったんだと、私は思います。』

は~?魂の状態って私じゃん。

私は異形にならないのか?

ま〜そうなったらそうなってでいいや、

賢者達が何とかするじゃろ~

トゥーリアさんも、あんなほんわかしてて

色々考えているだな〜

すると突然トゥーリアさんが

『マヌカさん、1つお願いが有るのですが』

「トゥーリアさん改まってなんでしょか?出来る事は何でもしますよ。」

トゥーリアさんは涙でグチャグチャの顔でニコっと笑って

『では皆さんにマヌカさんのお顔を見せて頂けますか?』

「え?それでいいの?」

『はい、それだけで凄い効果があるような気がして。』

私は何の事だか分からなかったけど、それくらいならお安い御用。

その前にカマキリが死んじゃうかもだから

「ちょっと待ってて下さいね。」

私はカマキリの側に行き、

小さくしてカルマ回収飼育セットの中に入れて異次元ポシェットに入れた。

そして高く浮かび上がりゆっくりとフードを外した、

外したとたん頭から360度に光が放たれた、

放たれた光から金色の粒々が舞っている。

広場の全ての人が光に気が付き、

目を細めてその光を大きく吸い込み始めた。

金色の粒はウラノスとガイルとマイカちゃんの透明の球にも舞い降りて、

球が消え去り、3人が目を覚ました。

ウラノスとガイルは光に包まれて見る見るうちに元の姿に戻っていった。

私はその光景を見て

「おおお~ウラノスさんとガイルさん姿が変化してる、

後の皆は…恍惚の表情になってるじゃん…トゥーリアさんまで…

賢者パイヤが言ってた事はこういう事?やばいくない?」

私はあわててフードを被った。

はっと我に返ったトゥーリアさんが

『はぁ~~やっぱり私が思った通りでした。

マヌカさんの体から癒しのエネルギーが放たれてるって~~

フード外しただけで、こんな効果が~』

「いやいやいや~~銀河の管理人パイヤさんから姿を出してはいけないって、

強く、それは強く言われてたんですよ、影響力が強すぎるからと、

下手をすれば死者もでるって、皆さん大丈夫ですかね?」

『そんな事言われてたんですか?なんでまた』

「波動が下がってる所に強い波動が流れ込むのは危ないそうですよ」

『あ~そういう事ですか、たぶんこの星の住人は大丈夫ですよ。

だからカマキリさんをポシェットにいれたのですね。

マヌカさんがここに派遣された理由が分かった気がします』

私は周りを見渡しみんなまだボォ~っとしているが問題はなさそうなので、

トゥーリアさんに後の事は任せて次の段階に移る事にした。

「トゥーリアさん、私はこれからカマキリの母船に行きます。

ここで起きてた事はライアンさん達3人が知っているので説明は3人の誰かがしてくれます。

後…ちょっと言いにくいのですが、これが終わりでは無いんです。」

その言葉にトゥーリアさんが真剣な顔になった。

「トゥーリアさん他の大陸の事詳細が分かりますか?」

『まだわかりません』

「それが答えです、さっき隣の大陸に偵察に行ってた意識体から連絡がありました。」

そう私がこの村に設置されてたアンテナの処理をしていた時に連絡が入ったのだ。

「意識体からの話では隣の住人達の様子が変なんだそうです、

変な理由も見つからないと連絡がありました。

そんな理由もあって、母船に行った後は隣の大陸に行きますが、

トゥーリアさんの今の体はこの大陸に居た方が住人の方々の為にもなると思うので、

次の大陸でも同じようにトゥーリアさんの体を作りたいのですが問題ありますかね?」

『大丈夫です、大丈夫です、是非是非こちらからもお願いします。』

「また嫌な思いをするかもしれないですけど、一緒に頑張りましょうね。」

『はい、はい、がんばりましょう。』

トゥーリアさんの目にうっすらと涙が浮かぶ、

『あの私からもお願いが有るのですがいいですか?

この体のまま皆と一緒に居られるのはとても嬉しいのですが、

体があるなら、家が欲しいです。』

「家ですか?」

『人が住むような家では無いです、心を休ませる為の大木、

それがあればこの体ごと木に吸収させて、また外に体の姿で出て来ると言う仕組みです。』

「そっそんな事できるんですか?」

『そうなんです、マヌカさん達が出かけた後森の木々達と話をしてましたら、

うっかりと木の中に入ってしまって…素敵な経験でした。』

「へ~~それはいいですね、落ち着く場所って必要ですもんね。

でも大木ならトゥーリアさんも作れるのでは?」

トゥーリアさんはモジモジしながら

『そうなんですが、マヌカさんが飼育セットに作っていた奇跡の木が欲しいです。

あれは斬新で素敵です。』

「そんな事ならお安い御用ですが、大木が良いんですよね?

何処に作ります?」

『場所も決めてます!この集落の入口に広い場所があったでしょ、

あそこがいいです。大きさは大人が10人位手を繋いで回るくらいの太さで、』

「分かりましたそこに行きましょ。」

2人で集落の入口にワープして、トゥーリアさんの希望の場所に太く、

この大陸で一番高い奇跡の木を創造した。

『きゃ~~~ステキ~~~』

トゥーリアさん超喜んでる…よかった。

「ではトゥーリアさんこの大陸の事はお願いします。

私はずっとここに居られる訳では無いので…

あまり住人の方と関わらない方がいいと思うので、申し訳ないです。」

『とんでもないです、本当に救われました。』

「そう言ってもらえてうれしいです、では行って来ます。

また別の体でお会いしましょう」

そう言って光を放ち私は消えた…トゥーリアさんはそれを悲しい目で見届け、

マヌカが作った奇跡の木を見上げて呟く。

『かわいいマヌカちゃん、本当のお別れもいつか来るんですね…』











読んで頂きありがとうございました。

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