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子どもの行く場所1

領主の屋敷から出て来たマヌカ達は、

子ども達のこれからを考えるのであった。

地下牢から玄関ホールに戻ったマヌカ達が目にしたものは、

分身体達が保護した子ども達を綺麗に並べている、

ここに残されていた兵士達はそれを唖然とした顔で見ていた。

地下から救出された子ども達は全員で12人、

マヌカは子ども達の状態を観察しながら、

意識体達にテレパシーでコンタクトを取る、

「他に誰かこの屋敷にいる?」

『あっマヌカちゃん、

え~っとキッチンのパントリーに、

5人が詰め込まれているよ』

「詰め込まれるって…

わかった、ありがと」

次にマヌカは分身体達に、

「キッチンのパントリーに、

5人閉じ込められているらしい、

その人達をここまで連れて来てくれる?」

『了解!』

そう言いながら分身体達はキッチンに向かって走って行く。

周りで見ていた兵士達がマヌカに声を掛けようとした時、

2階からジュリアンが叫びながら降りて来た。

『妖精さん妖精さん、

カトリーヌがカトリーヌが~~』

いつも冷静な隊長ジュリアンの慌てた様子を始めて見た兵士達は、

『たっ隊長~何が有ったんですか?』

『あんな姿の隊長を見た事無いな…』

待たされていた兵士達は何が何だか理解不能状態、

マヌカは慌てるジュリアンの様子を見て、

「ジュリアンさん落ち着いて下さい」

『それ所では無い、

カトリーヌが息をしてないんだ』

マヌカは呆れた顔でジュリアンを見ると、

「そりゃ~そうですよ、

彼女の時間を止めているんだから…

地下牢でも同じ質問してませんでしたっけ?」

そう言われたジュリアンは恥ずかしかったのか、

青を赤らめて硬直している、

マヌカはジュリアンの後ろで、

楽しそうに飛び回っている意識体に向かって、

「あんた達知ってたよね?

何で一時停止を解除してあげなかったの?」

意識体達は楽しそうにプルプルし始めて、

『だって~ね~』

そう言って他の意識体達とクルクルと回りながら、

『頼まれなかったし~』

『ほら~解除はいつもマヌカちゃんだったじゃん』

マヌカは楽しそうに飛び回っている意識体を見て、

「はぁ~楽しそうで何よりです」

そう言って諦めたようにジュリアンを見ると、

「うちの意識体が言葉足りずに申し訳なかったです、

見た所、カトリーヌさんの体は大丈夫そうなので、

一時停止の解除はもう少し待っててもらえますか?」

『こちらも慌ててしまい…

情けない姿をお見せしてしまって申し訳ない』

そう言いながらジュリアンはゆっくりとカトリーヌの体を床に下ろして、

後からゆっくりとついて来たクリスティーヌを迎え、

カトリーヌの近くで腰を下ろした。

今度はキッチンから戻った分身体達がバタバタと、

人を担いで戻って来た。

分身体達が担いできた人達は5人、

30代後半の男女が2人と20代位の若い女性が2人、

そして高校生位の少年が1人だった。

5人とも共通しているのは顔色が悪く、

ガリガリに痩せ細っていた。

マヌカは彼らの近くまで行くと、

「こんな状態になるまで…」

そう呟きながら女性の頭を撫ぜていた。

「これでこの屋敷に捕まってた人達は全員かな?」

意識体達はマヌカの問いに、

『これで全員かな~』

『これでもう誰も居ないと思うよ』

マヌカはクルっと振り向いて、

「ここは空気が悪いのでいったん外に出ます」

そう言ったかと思った瞬間に周りが光出して、

玄関ホールに居た全員が屋敷の外にワープした。

屋敷の前の草原では平和そのもの、

爽やかな風が通り抜け、心地よい気温だ、

ワープして来た場所に治癒の魔法陣を敷いて、

光に包まれた者は全員古傷から病気まで全て治癒された、

屋敷に捕まっていた人達の手首にあった刻印も綺麗に浄化もされていた。

治癒のエネルギーの心地よさに兵士達は頭が少しふらついたが、

直ぐに態勢を直し直立した。

ジュリアンも態勢を直すと、

『いったい何が起こった?

外に移動したのか?

これも妖精さんの魔法か?』

そう言いながらマヌカを見つめる、

マヌカは肩をすくめ、

「そうです、

いきなりワープして驚かせてしまいましたね、

あそこから直ぐにでも開放してあげたくって…すいません」

ジュリアンは呆れた顔をして、

『妖精さんは何でもありなんですね…

次からは一声かけて頂くと助かります』

そう言いながらジュリアンは頭を下げると、

他の兵士達がジュリアンの態度に驚いて、

『隊長がこの者に頭を下げるなんて、

地下牢で何が有ったのですか?』

ジュリアンは苦笑いをしながら、

『色々あり過ぎて、

私にも説明が出来ないが、

この妖精さんは領主に捕まっていた人達を救出してくれた、

それだけでも頭を下げる価値はあると判断したまでだ』

いつもクールで冷たい雰囲気をまとった隊長の変化に、

兵士達は驚き対応に困っている様だった。

そんな兵士達のやり取りをよそに、

マヌカは全員の手首の刻印が浄化されたか確認を取って、

「これから彼らの時間停止を解除しますが…

意識がはっきりするまで見守ってて」

そう言ってマヌカは高く浮かび上がり、

パチンと指を鳴らす、

すると救助された全員の時間が動き出すと、

深い眠りから覚めた様になり、

みんなボォ~としている、

そんな時一番小さな子どもが、

『え~?お外?』

そんな言葉に他の子ども達も、

『外に出られた?』

『逃げられたの?』

小さな子供を守って刺されていた少年が、

周りの様子を伺う様にキョロキョロしてると、

ある人物に気が付いて、

『モートンさん!』

そう言いながらパントリーから救助された、

30代の男性に駆け寄って抱きついた、

その姿を見た他の子ども達も、

それぞれ『モートンさん』と叫びながら、

男性に抱きついて行く。

時間が動き出したカトリーヌも

目の前にジュリアンがいる事に気が付き、

『ジュリアンお兄様?』

『カトリーヌ~気が付いたんだな、

もう大丈夫だ、家に帰れるぞ』

そう言われてカトリーヌの目から涙が溢れて来て、

『ジュリアンお兄様…

クリスティーヌお姉さまが…お姉さまが~~』

そう言いながらジュリアンの胸に顔を埋める、

ジュリアンはカトリーヌの背中をゆっくり撫ぜながら、

『カトリーヌ、落ち着いて私の後ろを見てごらん』

そう言われたカトリーヌは、

ジュリアンの肩越しにジュリアンの後ろを見ると、

涙を流しながら佇んでいるクリスティーヌに気が付く、

『おね~さま~』

カトリーヌはそう叫びながらジュリアンを押しのけて、

クリスティーヌに抱きつき、

『お姉さまご無事だったのですね、

良かった良かった~わたくし何も分からなくって~

領主様は怖いし~』

そう言いながらカトリーヌは泣き出した。

クリスティーヌはカトリーヌの頭を優しく撫ぜながら、

『カトリーヌ…1人にしてしまいごめんなさい』

そう言いながらクリスティーヌも泣き出す、

そんな光景をジュリアンと兵士達も涙ながら見守っている、

子ども達に急に抱きつかれたモートンと呼ばれた男は、

まだ寝起きの様にぼぉ~っとしていたが、

段々と意識がハッキリして来て、

『あ~あ~君達、

生きてた~生きてたのですね』

そう言いながら涙を流して周りを見渡すと、

『なんで私達は外に出ているんだ?

こんな所を領主様に見つかった大変な事に…』

そう言いながらパントリーに居た他の人達に目を移す、

『みんなも一緒で良かった、

なんで私達は外にいるのかミランダわかるかい?』

ミランダと声を掛けられた30代の女性は、

『私には何が何だか…』

そう言いながら周りを見渡した時、

彼女の目に入って来たのは、

白い制服に包まれた兵士らしき人達、

『あなた、あそこに兵隊さんが…』

モートン達は兵士にあまりいい印象が無い為、

どう接していいか分からない様だった。

『まずは子ども達を何処かに逃がさなくては』

『逃がすって言われても…

私達は外の世界の事何も分からないじゃ無いですか』

30代の男女がコソコソと話を始めて、

ジュリアン達は姉妹の再開に歓喜し、

子ども達はモートン達と出会えた事を喜んでいた。

そんなそれぞれの状況を、

空中に浮かんで静かに見守っていたマヌカが、

手を叩いて注目を集める、

パンパンパン!

「みなさ~~ん、

こちらに注目して頂いて良いですか?」

突然大きな声がして驚いた人達が目にしたものは、

空に浮かんでいる白いローブを着た幼女、

その後ろでは白いオオカミが佇んでいて、

オオカミの背中にはクマのぬいぐるみが寝転がっている、

ただでさえ外にいる事も理解出来ていない状況で、

今まで見た事も無い生物が浮いている…

救助された人達は口を開けて唖然としている姿を見てマヌカは、

「え~っと何から話せばいいんだ?」

そう言いながらマヌカは腕を組んで小首をかしげると、

幼い子供たちが、

『かわいい~』

『あの子可愛いね』

そう言いながら微笑んでいた、

小さい子供は3人、

どう見ても4~5歳位の幼い子、

順応性も大人に比べて高いらしい、

マヌカは小さな子供に向かって、

「ありがとぉ~

あたしは銀河の妖精、

悪い領主に捕まった人達を助けに来ました、

みんなはもう助け出されていて、

屋敷は気持ち悪いエネルギーでいっぱいだから、

お外に出てきました~」

モートン達大人達は『はぁ?』っと目を見開いている、

他の年長の子ども達は喜んでいいのか悪いのか…

判断に迷っている様だ、

ジュリアン達は事の成り行きを見守っていた。

そこへ声を掛けて来たのはモートン、

『初めまして、妖精様、

私はモートン、

隣にいるのは妻のミランダ、

ここの2人の女性は、アンとカリア、

私達は領主様の執事とメイドをやらせて頂いてました。

そしてここにいます男は、

私達の息子ボビーと申します、

息子は庭や小さな畑の手入れをさせて頂いてました。

そしてこの子ども達は、

誘拐されて連れて来られた子ども達…

本当はもっと…もっと…』

モートンが辛そうに言葉に詰まらせている姿を見て、

マヌカはモートンの顔の近くまで降りて、

小さな人差し指でモートンの口をふさぐ、

「あのブタ野郎…あっえ~っと」

つい本音が出てブタ野郎と口にしてしまったマヌカ…

気を取り直して、

「思わず本音が…申し訳ない、

あの領主がやってた事は全部把握してますから、

領主に関しては説明不要ですよ」

そう言いながらフワフワ飛んでいるマヌカに、

小さな子ども達は興味津々で、

『妖精さん、妖精さん、

何で飛んでいるの?』

『助けるって?

もう怖い事、痛い事ない?』

マヌカはニッコリと笑うと、

「怖い事も痛い事もこれからは絶対無いよ~

これからは楽しく生きていく事だけ」

マヌカの言葉に渋い顔をしていたのが、

小さい子ども達を守っていた年長の少年、

『楽しく生きていくって…適当な事言うなよ、

俺達が今までどんだけ苦労していたか知らないくせに』

マヌカは少年に向き直り、

「そうだね…

あたしは君達がどんな苦労をしていたかは知らない、

でも適当な事は言っていないよ、

君達に危害を与える者達はあたしの責任でここから連れ出します。

そして君達のこれからの生活もあたしが責任をもって保証します」

マヌカの自信たっぷりな話に、

モートンやジュリアン達も怪訝な顔で見ていた、

マヌカは続けて話を始める、

「まず、みんなに帰りたい場所があるのなら、

一瞬でその場所に帰す事があたしには出来ます。

帰りたい場所が無いのなら、

君達が安全に生活が出来る場所に連れて行くことが出来ます。

この近くの農村で衣食住を心配なく生活が出来る様になってますから、

そこへ一瞬で行く事も出来ます。

では帰りたい場所、行きたい場所がある人は手を上げて下さい」

そこへジュリアンが声をかけて来た。

『妖精さん、

この近くの農村って廃村になりかけてるって聞いていますが?』

「廃村になりそうだって…城の人は知っていたんですね」

マヌカは「はぁ~」っと溜息をついてから、

「あたしがこの星に来て、

最初に訪れたのがその農村で、

それはそれは酷い状態でしたが、

村全体を立て直したので今は平和に生活していますよ」

ジュリアン達は益々怪訝な顔になっていった、

『平和に生活をしているって…

あそこは領主の弟が管理しているはずだ、

簡単に立て直すなんて出来ないはずだが』

「あ~あのチョビ髭ね~

あいつも捕まえてますから何も出来ませんよクスッ」

『捕まえてるって…

いやいやいや、領主も弟のギルダンも私兵がいたはずだ、

それも何百と大部隊のはずだが…

はっそう言えば兵士達はどこにいる?

5人の使用人では世話の出来る数では無いはず』

ジュリアンは自分の世界に入って自問自答しているようだった、

そこへモートンが、

『私達は鎧兵士様達のお世話はしていません、

領主様だけです』

モートンの言葉にジュリアンは首を傾げて、

『それでは兵士の衣食住は誰が面倒を見ていた?

あれだけの数を抱えていたのだ、

食事一つとってもとんでもない量を必要とするはずだ』

『私達使用人は何も分からないのです、

屋敷からは出る事を許されず、

屋敷の中も行動範囲を決められていましたから…』

モートンそう言って俯いている、

『そんな生活を送っていたのだな…

妖精さん、私達は王直属の兵士です、

彼らの居場所も城内に作れます。

だから彼らの行く先に城と言う選択肢も入れて頂けないか?』

マヌカはジュリアンの申し出に、

「折角の申し出ですが…却下で」

ジュリアンは目を見開いで驚いて、

『何故ですか?

城の中は安全で衣食住は保証されています』

「城に入ってまた使用人になれと?

あたし的には、

こんな酷い目にあった方達には、

上下関係の無い

自由に楽しい暮らしを送ってもらいたいのです、

それに…城の中って本当に安全なんでしょかね~?」

マヌカは能面の様な顔でジュリアンを見ると、

ジュリアンの顔が曇り、

『妖精さんは何をどこまで知っているのだ?』

マヌカは能面の様な顔を崩さず、

「その話はまた後で」とジュリアンに告げると、

子ども達に向きを変えて、

「今お城にも行けるって話ですが…

あたし的には反対だけど、

お城に住みたいって希望が有ればお城にも送ります、

では行きたい場所を教えて下さい」

子ども達は顔を見合わせている、

そこでまた年長の少年が、

『ここにいる子ども達は全員帰る場所なんか無いんだ、

両親も親戚も知り合いもみんな…死んじゃって…

それで路地裏に集まって来た者同士で、

力を合わせて家族の様に生活していた、

大切な仲間だったのに…

アリアとリアンが領主のせいで…』

少年は俯いて泣くのを我慢している様だ、

そこに遠慮がちに声を掛けて来た少女が、

『アンドレ…あの~私達生きてる…』

その言葉に少年は顔を上げて振り返ると、

マヌカが助けた少女と、

フィーナが連れて来た弟のリアンが

後ろの方で立っていた。

アリアとリアンに気が付いた子ども達が一斉に、

『アリア~リアン~』

『わ~んわ~~ん生きてる~』

泣き叫びながら抱きついて行った。

アンドレと言われた少年も泣きながら駆け寄って、

『何だよ~生きてたのかよ~

あんな傷だったから俺はもう…もう…』

そこで膝をついて号泣し始めた、

そんな子ども達を見ていたモートン達使用人達も泣き出し、

モートンが絞り出すように、

『本当に申し訳ない…申し訳ない…

大人の私が不甲斐なかったばかりに…

助け出す事も出来ずに…』

マヌカはモートンの肩に手を置いて、

「モートンさん…お気持ちは分かりますが、

貴方も捕まっていた被害者なんです。

だからそんなに責めないで下さい」

『そう言われましても…

彼らだけでは無いのです…

たくさんの子ども達が…人達が…

見ている事しか出来ずに…』

マヌカもモートンにどう声を掛ければいいのか分からず、

「モートンさん」と呟くしかなかった。

そんな光景を見ていたクリスティーヌが涙を流しながら、

『モートン、

わたくしはこの屋敷で、

貴方がたの優しさに救われました』

モートンはクリスティーヌの声に驚き、

『クリスティーヌ様?』

モートン達はクリスティーヌの死を見届けている、

クリスティーヌが流産した時にお世話をしていたからだ、

『クリスティーヌ様ご無事だったのですか?』

クリスティーヌはゆっくりと首を振って、

『無事では無かったです…

わたくしは死にました、

そして私は肉体を離れて魂の状態になり、

天界に戻って行ったのです。

そして天界でわたくしは…知ったのです。

この国で何が起こっているのかを、

領主のゴーダン兄弟はわざとわたくし達を苦しめて、

今の様にモートンが嘆いている姿を喜んでいたのです。

そして仕組みは分かりませんが、

国民が悲しめば悲しむ程、

彼らに力を与えていました。

それを知ってからわたくしは…わたくしは、

悲しまない、苦しまない、嘆かない努力をして行こうと思っています。

だからモートンもそんなにご自身を責めないで下さい』

そう言いながらクリスティーヌの目からは大粒の涙が溢れる。

次から次へと話が変わり、

何に注目をすればいいのか分からなくなっている周りの人達は、

それぞれの疑問が浮かんでいるようだった。

兵士達は鎧兵士が何処にいるのか気になり、

モートン達は亡くなった者が何故ここにいるのかが気になり、

子ども達は領主がいつ現れるか恐れている、

そこでマヌカが、

「は~~い、みなさん、注目

話があっちこっちになってしまったので、

あたしが説明します!」

マヌカの言葉にマヌカに注目が集まる、

「まず鎧兵士ですが、

何の心配はありません、

あの兵士達は今は鎧だけになっていて中身が無い状態です。

もともと鎧の中には人は入っていなかったし…

鎧の中は瘴気の魔物だったので、

あたしが全部浄化しました。

瘴気の魔物には衣食住の必要が無かったから、

モートンさん達は何も関わらなくって済んだ」

ジュリアンがポカンと口を開けて聞いてたが、

『まてまて待って下さい、瘴気の魔物ですか?

次の疑問があるのですが、

なんで領主と言う立場の者が、

敵でもある魔物と関係があるんですか?』

「簡単に考えて下さいよ、

領主たちは魔物側って事です、

はっきり言えば魔物をここにまき散らしたのは、

領主の仲間って事、

この事は今は詳しくはお話しません、

何故なら700年前からの話からしなくてはならないので、

次にクリスティーヌさん達の事ですが、

亡くなってしまった人がこの世界に戻りたいって願った時、

あたしは戻れるように手配が出来ます。

ただ条件が有って、

元の体が有る事、

そして本人が戻りたいって切に願った場合です。

そこでクリスティーヌさんとリアン君がここに戻って来ました。

どちらの魂も天界の女神様が連れて来て下さったのです。

天界に関してはこれから長い時間をかけて思い出して行けると思います。

この国で700年の間起きた不幸は、

全てが解明された時、

この星に住む人達全員に伝わる様にあたしが手配します。

では本題、

これからの生活をどこで送るか考えましょ~」

マヌカが早口で説明すると、

みんなはポカーンとしている、

そこで口を開いたのが瀕死状態だったアリアだ、

『あの、あの~私達姉弟を助けてくれてありがと、

私達の望みはみんなで一緒に平和に暮らせる場所が良いですが…

出来ればこの国以外の知らない場所がいいです』

アリアは俯き加減でそう話していた。

「知らない場所?」

『知ってる場所だと…色々と思い出しちゃう…』

マヌカは「はっ」っと思い出した。

確かサティ達から助けたコビンダ達も元の星に帰る事を拒んでいた。

それは産まれた星では苦しく辛い思い出しか無かったからだった。

「そうだよね…そうだよ、

じゃあアリアちゃん、

全然知らない場所でもみんなが一緒なら大丈夫って事だよね?」

『はい』と小さな声で答える、

マヌカはモートン達に向きを変えて、

「モートンさん達もそれでいいですか?」

モートン達は驚いたように、

『私達もどこか連れて行ってもらえるのですか?』

「もちろんですよ、

辛かった分これからは楽しんで頂きたいので、

え~っとアンドレ君もアリアちゃんと同じ意見かな?」

アンドレは真剣な顔でコクリと頷く、

そこへジュリアンが何か言いだしそうなのを、

マヌカは指をさして、

そのままその指を口に持って行き、

黙ってろのサインを送る、

『あの、妖精様、

その前に一つだけお願いが有ります』

「それは何ですかモートンさん」

モートンはちょっと震えながら、

『領主様達の今を知りたいのです、

本当にもう私達に何も出来ない状態なのかを知りたいのです』

「あ~それはそうですよね」

マヌカはそう言いながらポシェットの中に手を入れて、

2つの玉を取り出すと、

「え~っと領主のブタ野郎と、

弟のチョビ髭はこの中にいます」

そう言って2つの玉をポイッと投げると、

地面にぶつかった瞬間元の大きさに戻り中身が見え始めると、

子ども達が悲鳴を上げ始めた、

『『きゃ~こわい~』』

マヌカは領主の姿をマジマジと見つめると、

「確かによく見ると気持ち悪いよね~

頭なんか落ち武者じゃんハッハッハ~~、

髪の毛がまばらでグチャグチャ…

落ち武者のお化けみたいだね、

でも何も出来ないから安心して」

マヌカがそう言うと、

オオカミの背中でずっと成り行きを見ていたボンタが、

『ア~~~ハハハハ、

マヌカお前なに他人事みたいに言ってるんだよ、

そいつをそんな風にしたのお前じゃん』

「へ?あたしが?覚えが無いんだけど」

『お前怒り過ぎて記憶が飛んだ?

そのブタ野郎に会った瞬間髪の毛を掴んで投げただろ?

その時にブチブチ~って結構抜けてたぞ』

「え?そうだったっけ?」

『その後お前蹴り飛ばしてたよな?回し蹴りで、

飛ばした後またそいつの髪の毛掴んで、

ズルズルと引きずってたじゃないか、

その時も結構抜けて手を払ってたけどな~

そのせいで髪の毛まばらのお化けが出来上がったって訳だハハハ』

「え?おかしくない?

あたしちゃんと治癒してたじゃん、

毛も戻るだろが~~」

『治癒が終わった後に掴んでたからな』

ボンタの話に引きつった顔でマヌカが、

「ハハハハ~みんなあたしがこんな風にしちゃったみたい、

ごめんね~でもね~元々気持ち悪かったからね」

『どんな言い訳だよ』とボンタが突っ込んでいる。

そんな話を聞いていた子ども達が、

『妖精さん領主様を投げたの?』

『回し蹴りって…見たかった~』

『ブチブチ~だってクスクス』

ボンタの話で、

あんなに怖かった領主が酷い目にあってた事を知って、

子ども達はクスクスと笑い始めた。

モートン達はあの領主にそんな事をする者がいるなんて、

信じられないようだったが、

初めて見る領主のボロボロの姿を、

信じられない気持ちで見ていた。

「え~っと、

領主の体は今時間を止めてるから話とか出来ないけど、

この状態で信じられないなら、

頭だけ停止解除すれば話が出来るけど…

どする~~?」

マヌカの問いに首を横に振るモートン達と、

子ども達だったが…

ジュリアンが凄い勢いで走り寄って来て、

『私は話がしたい!

話が出来る様にして頂けないか?』

マヌカはジュリアンの顔をジッと見つめて、

「ジュリアンさん…今は却下です。

ジュリアンさんが聞きたい事は想像つきますが…

多分このブタ野郎は答えませんよ、

今は一分でも早く移動場所を決めたいので申し訳無いです」

ジュリアンはマヌカが何処まで何を知っているのか?

それに関しての対処を考えてくれているのか?

問い詰めようとした時、

マヌカが口を開く、

「あたしは王様にも会いに行きますよ、

その時に色々と説明もさせてもらいますから、

今は子ども達優先で」

『王にも会うと…そうだったのか…

それはいつ位になるのでしょ?』

「そうですね…2日以内には会えるでしょ」

『それでは、

3日後の正午にして頂けないか?』

「それは何故?」

『3日後、

領主全員と聖女教会の神官が王と謁見する…

これは神官から執拗に追られて…

何か裏が有りそうなんだ、

そのタイミングで謁見の間に来て頂けると助かる』

「へぇ~神官もかぁ~

それはあたしにも好都合です。

領主達も全員会いに行く予定だったのでクックック~」

嫌な笑いをするマヌカに、

『会いに行くとは…全員捕まえる為に?』

「勿論!

奴らはここに…この星に存在してはいけないから」

『存在してはいけない…?』

「まぁ~これ以上はその謁見の日に」

そう言ってマヌカはジュリアンにウィンクした。

その姿があまりにも愛らしく兵士達もホッコリしているが、

この幼女は領主の巨体を蹴り飛ばす娘だ、

ジュリアンは苦笑いをしている。

「では気持ち悪いこいつらは」

そう言いながら領主兄弟をポシェットに詰め込む、

そしてちょっとしたミニシアター位のモニターを出して、

「みんな~この画面にちゅうもく~

あたしが一番お勧めな場所をこれからここに映し出すから、

みんなの感想を聞きたいんだ、

もしこの場所に行きたいって言ってくれたら、

直ぐに案内するからね~」

マヌカがパチンと指を鳴らすと、

モニターに映し出される風景は…ミナ星

















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