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私とカマキリとハニワ

ちょっと長くなってしまいましたが、

楽しんでもらえたら嬉しいです。

ライアンの仲間たちはまだ停止中

近づけば近づくほど、やっぱみんなデカイ

仲間の様子が変なのでライアンが焦りだした

『おいどうしたんだ、何があった?』

「あの~止めたの私です、状況が分からなかったので、

調べるまでは皆さんに止まってもらった方が平和かなと。」

ライアンがこっちをみて、

自分が私に剣を向けた事を思い出したのか

申し訳なさそうに

『さっきは本当に失礼な事を…』

「覚えているのですか?」

『はい、でも心と体が別人格の様で

自分の意志で動いてなかったような』

「その通りですよ、

ライアンさんはあのマイクロチップに操作されてましたから」

ライアンさんは俯く

『あんな小さい物に操作されてたなんて』

ちょっと悔しそうに呟いた

「そうですね、必ず操作してた奴見つけますから」

そう話しながら私は呟く「集合」

馬に乗った騎士を目の前に並ばせた、

騎士はライアンを含めて20名

まずは全員の兜を取り、まとめて魂の状態を観察

大丈夫みんな綺麗なまま、変な物に侵されてはいなかった。

次に肉体、ライアンと同じで脳にマイクロチップが入ってはいたが

他には何も問題はない。

早速マイクロチップを全員取り出した、

取り出した後はみんなを寝かせた、

時を動かした途端ライアンみたいにフラフラになると思ったからだ、

そして彼らの時を動かす、

「停止解除」みんな動かない…ううっとうめき声がし始めた、

周りをきょろきょろする者、体を起こして頭をおさえている者

よく見たら女性騎士も5人いた、女性は髪の毛があり

兜を被るためか皆ショートカットである。

「皆さん目が覚めましたか?

私は銀河の管理人達からこの星の状態を調査するように頼まれて来た、

マヌカと申します。

体調はいかがですか?具合が悪かったら言ってくださいね。」

みんなまだ深い眠りから目覚めたばかりの様でぼぉーとしてる

そこにライアンが声を掛けて来た

『みんな無事か?私も何が何だか分からない状態だが…

何かとんでもない事が起きてるのは確かだ。

こんな時こそ冷静にだ』

そうそう冷静は大切

次に馬車に目をやる、あそこは最後がいいな

ん?この馬車車輪が無い、浮いている、

私は思わず馬車の下を覗き込んだ、

馬車の四隅にクリスタルの様な石が付いてるだけ

そんな私にトゥーリアさんが声を掛けて来た

『下に付いてるのは反重力のクリスタルです。

重たい物に取り付けると簡単に動かせるようになるんですよ』

「ほぉ~~素晴らしいですね、

因みにトゥーリアさんこの馬車の中の人知ってますか?」

『え?人が乗ってるのですか?

私が知ってる方は乗って無いと思います』

それを聞いてライアンが

『いやその馬車には、

トゥーリア様も知っているガイル様が乗ってるはずです。』

トゥーリアさんが俯いて話し出す

『ガイルはこの数百年、この星では存在を確認できてません、

ガイルだけでは無くもっとたくさんの人の確認が…』

ライアンが驚いて

『じゃあ馬車の中のガイア様は誰なんですか?』

ライアンも何か察したのか俯いて黙ってしまった。

やっぱり、馬車の中のこいつは後回しだ

「多分ですが、本物のガイルさんって方はこの馬車乗って無いです。

先に皆さんの開放をしたいので、後で馬車は確認しますね。」

次に魔導士みたいな方々10名、種族はライアン達と一緒

彼らも騎士の方々と同じ、頭にマイクロチップ、

同じように取り出し休んでもらっている

次は弓を装備してる方々30名、

彼らは身長はライアン達と同じ身長3メートル位あって

種族が違うみたいで、髪があり美しい黒髪で長く伸ばし、

肌が薄っすら緑色、ライアン達と同じように発光している。

耳が長く、目はアーモンド形で大きい

鼻はちょっと小さい感じだが、とても美しい

彼らにはマイクロチップは入って無かったが…

みんな変なチョーカーを着けていて

チョーカーをジーッと見つめ構造を観察すると

このチョーカーは首から下を操作するように出来ているみたいだ、

無理に引っ張ると毒の針が出てきて死んでしまう様になってる。

首から下を操作とは…

意識は本人のままで、体は誰かが操作

本人が誰も傷つけたく無いと思っていても

操作されて人を傷つけてしまうって事が出来てしまうのだ、

やりたくない事を本人の目の前でやらされるのだから…

本当に酷い…私の体の中心が熱くなる冷静になろう

まずは外さなきゃ

『マヌカさん?』

様子が変だと思ったトゥーリアさんが声を掛けて来た。

「大丈夫ですよ、このチョーカーを外せば、

彼らは自由になります」

笑顔で答えた、

耳長族の皆さんを並べて驚いた…子供がいるじゃないかぁ!

身長が周りの大人より50㎝程小さく

見るからに中学生位の男女4人、なんて事を…落ち着こう

チョーカー外さなきゃ

30名の体を20cm程に小さくした、

チョーカーの大きさはそのままだ

体が小人になったのでチョーカーは何事も無く、

彼らの体をすり抜け足下にポトリと落ちた。

これで大丈夫後はゆっくり休んでもらおう

みんなを元の大きさに戻し横にして、「停止解除」

「トゥーリアさん、彼らの側に居てもらえませんか

どうもこの4人子供に見えるんですよね」

トゥーリアさんが辛そうな顔をしてこちらに来た

頑張って泣かない様にしているだね

そして彼らの側に来て頭を撫でている

『分かりました、そばに居ますね』

次が獣人達だ、

私は大きく深呼吸をして心を落ち着かせた。

獣人達は20名身長は3メートル位だけど、

他の種族よりちょっと大きいかな?

オオカミの様な獣人10名と、猫の様な獣人達10名だ

体は毛に覆われているが、

人間と同じ体と手と足だった

魂も体も問題なし…でも同じチョーカーを着けてる

10名には重たい荷物を背負わせられ

後は荷台を2つ引かされていたが、

荷台には車輪が付いてて動かすのも大変そうだ

何で反重力クリスタル使わないのよ、

またムカムカと…ダメダメ、チョーカー外さなきゃ

犬と猫は首輪を付けられてると、そこが凄く痒くなる

地球に居る時に一緒に住んでいた犬と猫がそうだった。

でもチョーカーを着けられた彼らは

痒くなっても首を搔く事も出来なかったのか、

何気に荷台の上に乗せられてる物が目にとまった

「あれってオリ?」思わず声にしてしまった

トゥーリアさんが心配そうにこちらを見てる

私も笑顔になる余裕も無く荷台へ行って確認した

そうだこれは、たたまれてはいるが、

組み立てるとオリになるようだ、何を入れようとしてた…ムカムカ

落ち着け私、チョーカーを外すぞ

同じように彼らを小さくした

足下にチョーカーが落ちる、

手のひらにちょっと大き目な透明な球を出し

チョーカーを全て集めて球の中に入れた。

後でゆっくり調べて、犯人を突き止めてやる

彼らも元の大きさに戻し横にして「停止解除」と呟いた

そして馬車に向き直り歩み寄る

ドアを開けるとひときわ大きい首長族が座っている。

ライアンが駆け寄り一緒に中を覗き込み

『やはりガイル様じゃ無いですか』

ライアンのその言葉に私が静かに声を掛ける

「本当にそうかな?

彼を感じ取ってガイルさんって方の波長を感じますか?

解放されたライアンさんなら分かるはずです」

感じ取ろうとしてるのか、ライアンは静かにガイルを見つめる

そしてハッとして後ずさりしていった。

「危ないかもしれなから、みんなちょっと離れててね」

そう言って私は馬車の中に入って

ガイルと言われてた奴の前に立った

魂と肉体の記憶を探ろうとしたが…今そんなものを見てしまったら

暴走してしてしまいそうだ…後で落ち着いてから

後こいつ見た目を変えてるよ、

シェイプシフター(見た目を自由に変えられる妖怪)なのか?

違うな、なんか変な電波が体の周りを覆っているどこからだ?

電波の発信元は指輪だった、これ壊せば元の姿になるって事ね

突然みんなに見せていい者か確認しなきゃ

指輪の電波を止めて正体を見た…そこに現れた姿は…

カマキリだった!!!

カマキリだと…見た目はカマキリだけど

地球のカマキリと同じ生態なの?

カマキリってさ、肉食だったよね…

今はこいつの記憶を見なくてよかった、

もし見ちゃったら…怒りが…抑えられなくなってた

ん?ブレスレットからも変な電波が…どこに繋がってるんだ?

繋がった先は私が持ってるチョーカーだった、

ムカムカ、ムカムカ、ムカムカ…

駄目だ抑えられなくなって来た、抑えなくっちゃ

賢者達は何をやってるんだ?

私のネガティブゲージ見てないのか…

後で本を全部没収してやる、

ムカムカ…こいつが…ムカムカ…子供まで使って…

ムカムカ…獣人達にも…ダメだ何とか抑えなくては

心を落ち着かせる何か…面白い事思い出す…無理

面白い音、そう考えた瞬間変な音が聞こえて来た

ポクポク…お寺の木魚?ポクポクポクチーン!

シーン…突然心が落ち着いたが、顔がなんか変だな

視線を変えて自分の顔を見た

「は~~何でしょうこの顔は」

心が落ち着いてるから口調も落ち着いてる

本当は大笑いしたい顔だ、だって( ̄ー ̄)こんな

目と鼻と口が太い線になってるハニワだよハニワ!

『マヌカさん大丈夫ですか?』

心配になったかトゥーリアさんが馬車を覗き込んで来た瞬間

『ぶぅううううう~~~~』とトゥーリアさんが吹き出した

私は穏やかな声で

「ホッホッホ~大丈夫ですよ、危ないですから下がっててください」

『でもマヌカさん顔がっぶぅ~~線になってます、たっ大変ぶっ』

笑いを堪えるのが大変そうなトゥーリアさん…

初めて笑ったね、この顔が少しは癒しになったかな、良かった。

「心が怒りに飲み込まれそうになりましたら、

変な音がしましてね、この様にお顔が変化して、

心がとても穏やかになりましたのよ、

わたくしの怒りを勝手に調整される仕様になってるみたいです。」

何で口調まで変わるんだ?キモイ

「トゥーリアさん危ないですよ離れて下さいね。」

トゥーリアさんが離れたのを確認してから

カマキリの胸グラを掴み外に投げた

「おらぁ~~」

バキバキバキー---と馬車の扉が凄い音を立てて壊れて

カマキリが外に投げ出された

心は穏やかだけど…行動と掛け声は乱暴だわ。

投げ飛ばされて来た巨体に驚いている者、

まだ頭がハッキリしてない者はぼぉ~と見つめるだけ

後はビックリ通り越して恐怖の表情に…ごめんね。

カマキリを吹っ飛ばした後、私はゆっくりと馬車を降りて

カマキリを直立させた、

首長族はライアン以外全員、

ガイル様と言われてる人物が投げ飛ばされたと思い

私を睨み付ける。

好きに睨むがいいさ~

他は違う表情だ、

このガイルって奴に酷い事を強要されてたのであろう

苦痛な表情、恐怖の表情、怒りの表情様々だ

「皆様、これから今分かった事だけですが、

ご説明させて貰いますので、このガイルさんって方を囲むように

集まって頂けますか。」

顔は線のままだから、みんな『なんだこいつ』って顔だ仕方ないよね。

それを聞いてトゥーリアさんが、みんなに声を掛けてくれた

『この星に住まう我が子供たちよ、私はトゥーリア、わかりますか?』

周りがざわついた、耳長族と獣人達には何も説明してなかったものね

『トゥーリア様だ』

『トゥーリア様やっと繋がれるように…』

みんな各々声をあげる

『そうやっと皆さんとまたお話が出来るようになったのは

ここにいらっしゃる、マヌカさんのお陰です。

マヌカさんは銀河の管理人の方々がこの星の調査と修正に派遣して下さった方なのです。

今はちょっと事情があって、お顔が……かっ変わっていらっしゃいますが

信用できる方なのでマヌカさんのお話を聞いて下さい。』

そう言ってトゥーリアさんが私を見た

『マヌカさん何をやってるのですか?』

そう、私は無意識に、本当に無意識に

ガイルの頭の上に乗っていた、浮いてるはずの私の体に重力を掛け

強く、それは強くガイルの頭の上で足踏みしてたのだ、

足踏みする度に、ガイル(カマキリ)の頭がビヨヨ~ンてなってるW

心は静かだけど、何かしてないと怒りが戻って来そうで

可愛く痛めつけてるだけだ。

「トゥーリアさん気にしないで下さい。

この様にしてないと心にまた怒りが戻って来そうで

仕方なくやっているだけですから今降りますね」

そう言って2,3回強く足踏みしてガイルから降りた

降りた時もむ~( ̄ー ̄)な顔のまま…

こんな奴信用出来る訳ないよね~~

そう思っていたら、ガイルの頭を踏みつけたお陰か元の顔に戻った。

『マヌカさんお顔戻りましたね、良かった』

「本当に良かったです、足踏みして怒りが和らいだみたいで

では仕切り直して

「トゥーリアさんご紹介ありがとうございます、

今紹介されたマヌカです、私の事は置いといて。

ここに居るガイルさんを装っていると思われる存在の説明します」

首長族がざわついてるが話を続ける

「銀河の管理人達の話では、

700年前位からゆっくりだけど、この星の波長が下がり始めたと言ってました。

波長が下がるって事はこちらに住まう方々と大地に何かあったのではと思ったたのですが、

予想通り大変な事が起きてたようです。

それの原因の1つが今ここに立っているガイルさんを装ってる者で、

どうも別の星から来たと思われます。」

みんなざわつき出し、トゥーリアさんはまた困った顔になってしまった。

「話だけでは分かりにくいと思いますので、正体をお見せしますね」

そう言ってガイルの手を取り、指輪を壊した。

ガイルの体がモヤモヤとしたら、本当の姿が現れた。

体つきは人間と変らないが顔がカマキリそのものなので、

それを見て頭を抱える者、泣き出す者、怒りを表す者

そりゃあそうだよね、長い年月こいつらのせいで…

いかん、いかんまたハニワになっちゃう冷静に

私はみんなに説明した

首長族が頭にマイクロチップを入れられて操作されてた事。

チョーカーを着けられた者達は意識はそのままで体だけ操作されてた事

そしてこのカマキリみたいな奴は肉食である事

肉食と聞いてトゥーリアさんがフラフラし始めて

耳長族の子供達に支えられた。

「このガイルさんに化けてた生物を、

前に住んでた星で見た事があって

それは昆虫で名前はカマキリ。

これの正式な名前が分からないので、

これからはカマキリって呼びます。

それでこちらも聞きたい事が有るのですが、

この星に住むのは、ここに居る3種族だけですか?

後人々が住む集落ってどの位の数あるのでしょう」

何やらぼそぼそとみんな話し合ってるようだ

最初に説明してくれたのがライアン

『この星には首長族、耳長族、獣人族の3種族ですが、

獣人族は見ての通り犬族と猫族の2種族になっています

この大陸にある集落はここから10キロ先に首長族の大きな集落があるのと

私達が住んでいる集落が2つあるだけで、他の種族の事は私は知りません』

なるほど~10キロ先の集落に人を誘拐でもしに行く所だったのか。

すると突然、星の調査に放った意識体から連絡が入った

『アンテナってやつ見つけたよ~』

「ありがと~」

早速視点を意識体と同じにして見てみた

山脈の中で一番高い山の頂上近くにある洞窟の中に

携帯のアンテナの様な何本か細いアンテナが出てるやつだった。

『これ壊す?』

「まだ壊さないよ、何に繋がってるか調べないとね」

『了解、じゃあ調査にもどるね~』

「ありがと~よろしくね~」

意識体とのやり取りはテレパシーなので周りには聞こえていない。

そんなやり取りをしていると

復活したのかトゥーリアさんが説明始めた。

『マヌカさん、

獣人族と耳長族の集落は誰にも分からない様に術を掛けているのです。

他の種族とコミュニケーションを取るのが嫌でと言う理由では無いのですが、

休む時は本当に安心できる場所を好むの習性があるので

耳長族で聴覚が素晴らしく発達していて

森の異変なども音で聞き分けたりするので、

木や草花や森のなどの自然を管理していたのです。

そして獣人族の皆さんは嗅覚が素晴らしく発達してるので

嗅覚を使い森や草原に住む動物達を管理してくれています。

聴覚や嗅覚が鋭い分休む時は安心できる場所をって事なのです。

首長族は技術の開発などをしていて

環境にあった便利な物を作るのが得意です、

後自然災害などの対応などしており、川に土手や橋なども作ったりしています。

後は全ての種族が協力し合い、物々交換などして本当に平和な星なんです。

共存共栄はここでは常識で

個の幸せは全の幸せがあってこそ成り立つものと考えが私達の軸となる信念です』

「本当に素晴らしい星ですね、それなのに…

それを破壊するような輩に侵入されてたとは、

それからずっと気になってたのですが?

トゥーリアさんは前から住人の皆さんと交流が出来てたのですか?」

『はい、この様な人の姿が無くても、木に花に大地に声を掛けて貰えれば

いつでもみんなと話が出来てました。

それがここ数百年繋がる事ができなくなり、

どうしていいか分からなくなったので

管理人の方々に向かって助けを呼び掛けていたのです。

でも今はマヌカさんがここの大地の土で

この様な人型を作って下さったので、

みんなと目を合わせながら話ができ、

子供達の頭を撫でる事ができるなんて夢の様です』

「よかった、その体は残しておきましょうね、

そうそう皆さんの集落の数は分からなくてもいいのですが、

私の知りたいのは、他にチョーカーを着けられた人がいないかです。

そこのカマキリがブレスレットを使って、皆さんを操作してたようで

突然ブレスレットを壊したら、

遠くにいて操作されてる人達に悪い影響が出てしまうかと気になって。

他に付けられてる方いますかね?」

そう尋ねると凄い毛並みのボントスと名乗る犬族の1人が話し始めた

『俺達はここに居る20人だけだ、

集落の外に出ている時に誘拐された者ばかりだからな

集落はそのカマキリって奴には見つかって無い』

「それは良かった、でも誘拐って酷いですね、

ここに居る人みんなそうですか?」

重たい口を開いたのが耳長族のテイヤだった

『俺たちは村を襲われて…逃げれた仲間もいるが大半が捕まって

首長族の王都言う所に監禁されている。』

首長族はその話にビックリしてライアンがテイヤに尋ねる

『王都ってなんだ?監禁て何がどうなってる

私達の他の仲間もみんな監禁されているのか?』

ライアンの質問に戸惑う耳長族と獣人達

『何を言ってるんだ、誘拐から監禁は全部首長族達がやってる事だ

他の首長族は監禁などされてない、自由に過ごしているよ』

怒りのこもったテイヤの言葉…

ここで揉められても困るので

「すいません良いですか?

さっきもお話したように、みんな操作されていました。

多分誘拐も監禁もそこにいるカマキリが操作した事でしょう。

直ぐに理解は難しいと思いますから、ゆっくりと理解をしていきましょう。

皆さんはそれが出来る7次元密度の住人ですから。」

みんな黙ってしまった…

『あの、マヌカさんそろそろ日が暮れてきます

日が暮れるとここはとても寒くなるので何とかしなくては』

流石トゥーリアさん、気が利きます

「そうですね皆さんお疲れで、食べ物とか飲み物も必要ですしね

食べ物は何を食べていたのですか?飲み物は水でいいですかね?」

『食べ物も飲み物も大地の恵みで全ての生き物が生きてきました。

川や井戸の水を飲む時もありますが、

だいたい大地の恵みで済ませているはずです』

トゥーリアさんがそう答えると

言いにくそうにボントスが話し出した

『トゥーリア様…大地の恵みは大地が荒れたせいか、

俺達の森でも殆ど見なくなたんだよ』

ええええ~~~とビックリトゥーリアさん

『それではどうしてたのですか?』

『何とか畑で作れる物で食いつないで来たんだ

川や井戸の水も質が悪くなって来て、

トゥーリア様に相談したくても繋がらなくって、

俺達もう滅ぶしかないのかと思ってたんだ』

それを聞いたトゥーリアさんが『そこまで…』

「あの~この星の人は自分で欲しい者を作り出すってできるのでは?」

『そんな事俺達にはできね~よ』

なんで?7次元密度って?まだ世界観がよくわかってないな。

まっ今は取り敢えず

「トゥーリアさん心配しないで大丈夫ですよ

まずは大地の恵みとやらを教えて下さい」

トゥーリアさんが目をウルウルさせながらこっちを見た

「大丈夫全部復活させますから、

私はカマキリの頭に乗るために来たんじゃ無いですよ

メインは浄化と復活ですから、ではその大地の恵みを教えてください

トゥーリアさんの記憶覗いてもいいですか?

トゥーリアさん見た目も味もわかってるんですよね?」

『もちろんです私の大地にあった木ですから、

どうぞお好きな様に覗いてください。』

フワフワとトゥーリアさんの目の前に行き彼女の記憶を追った

大地の恵みとは2種類の命の木と呼ばれてる木の実ようだ、

1つは葉が濃い緑で、

アーモンドの実を50cm位大きくしたような実がなる木だった。

それは『命の実』と呼ばれてる

記憶の中で味と食感と栄養素をみてみた

その実は地球で言う所の牛肉を焼いたステーキの様な食感と味がして、

でも食べた事が無いくらいとてもおいしい。

高たんぱく質低脂肪でありとあらゆる栄養が含まれてる。

もう1つの木は、葉が綺麗な黄緑色で、

サッカーボール位大きい実がなる木だ、その実は『命の果実』と呼ばれ

中身は液体で、大量の液体が入っている

味はフルーツミックスのジュースの様で柑橘系が強いのか

非常にさっぱりとした味でこちらもとてもおいしい

栄養素としてはありとあらゆるビタミンとミネラルが豊富な万能ジュース

この実を3日に1度食すだけで、寿命の500年位は楽勝に過ごせるらしい、

他の木で、とても美味しい果物や木の実をつけるものもあるが、

ここまでの栄養は無いらしい

全てを理解出来たから、再現出来るでしょ

パイヤが何でも出来るって言ってたからね…

今見た光景、味、栄養素全てを思い出し創造し決定する

数は人数分「復活」と声に出してみた

目の前が凄い光を放し大きく広がり徐々に小さくなって行く

そこに現れたのは命の実と命の果実

その光景を見た全ての人が歓喜に満ち溢れていた

そんなにか…

「全員分の命の実と命の果実を再現してみました、

同じかどうか味わってみてください、

これを3日に1度って凄いですね、お腹が空かないのですか?」

ボントスが嬉しそうに実を抱えながら

『空くに決まってるだろ、

これは栄養があり過ぎるから3日に1度なんだよ、

後は畑で育てた野菜や、他の木の実や果物を食べるんだよ。』

「なるほどね~

あ~後今から地面に円を描きますから、円の内側に居て下さいね、

今から結界を張ります、結界の中は温度一定です。」

私は浮かび上がり「結界」と呟いた

円の中が黄金色に光輝き、乾いた地面が綺麗な芝生に変わった

「横になる為に何か出しますか?」

『要らない』とみんなが叫ぶ

『草の上が気持ちいいからこのままがいいです』

と耳長族達が答えてくれた

ライアンが近づいて来て申し訳なさそうに話し出した

『マヌカさん私達に着る物を出してもらえませんか?

鎧は慣れて無くって、何でこんなの着てたのかも記憶が無いし』

「もちろんいいですけど何がいいですかね?」

『それは勿論、命の花の綿で作った服と命の果実の皮で作った靴でしょ』

トゥーリアさん自信ありげに答える

命の花ってのもあるんか~~い

『それは贅沢な…』みんなが驚いてる

「ではまた記憶見せてもらいますね」

花って言うから小さい物想像してたけど…

凄く大きい、凄く成長したひまわりくらいあって

葉っぱが綿みたいになってて、いっぱいついてる…

花を見てて、ん?出すのは服だよね?

命の花で作った服~

命の花で作ったシャツは薄いベージュでとてもシンプルなカットソー

パンツは同じ色でジャージみたいな形で動きやすそうだ、

靴の素材は命の果実の皮を使っていて、

柔らかい牛革で作った様なショートブーツ

靴の裏にはシリコンみたいな柔らかい靴底になっていた。

いくつ出せばいいのか分からなかったので

全員分、尚且つサイズはそれぞれ着た時にサイズが合う様に意図した。

これさ~全員着てたら、どっかの収容所みたいにならないか~~~い?

まっいいか「出てこ~~い」と叫ぶ

さっきと同じようにお洋服、靴セットが現れた

「サイズは着た時に勝手に本人のサイズに変わるようにしてありますから

どれも同じで、人数分ありますからね、持ち帰ってもらっても構いませんよ」

『ありがとうございます。』と首長族がおのおの言いながら

いそいそと服を持って行って着替えている

シュルシュルと音を出しながらサイズが変わるのをみんなが驚いてた。

私もびっくりだ、本当に意図した通りになるんだね、

良し、忘れない内に浄化をしましょうね、

私はその場で10メートル位浮かびあがり、

手のひらを上に向けて宇宙の中心ソースエネルギーを繋げる

ちょっと重力がかかったような感じがしてエネルギーが降りて来たのを確認

自分の体にエネルギーを通して星の中心に繋げる

そして呟く「浄化」呟いた途端私を中心に白い光が広がる

この大陸全部に届けと意図する

乾ききった大地に命が蘇ったかのように、肥沃な土に変化していった

その光景を見ていた全ての人が口を開けてただ茫然としてる。

私は地面に降り今度は大地に手を付けて

星の中心のエネルギーと繋がる

足が地面にめり込んだ感じがしたら、それを宇宙の中心に繋げる

繋がりを確認し、この大陸全部と意図して呟く「復活」

私を中心に復活エネルギーが広がる周りは見る見るうち

草、花、木が音を立てて生えて来た

結界の外が緑溢れる森に大変身。

みんなから感嘆の声が沸き上がった。









長文読んで頂きありがとうございました。

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