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町の保護活動

毎日暑いですね…

皆さんも体調に気を付けて下さい。

今回は町の人の保護活動のお話です。

ここはボンタ星に有る小さな町、

町人達は領主の理不尽なルールに縛られ辛い日々を送っていた、

町人達には自由は無く外出も自由に出来ない状態だ、

日が暮れれば家から出る事も許されず、

もしルールを破った事が領主にバレると…

いつの間にか居なくなってしまうらしい、

そんな町は日が暮れると静寂に包まれるのだが…

今夜は違った、何やら子どもの声がする…それも騒がしい、

町人達は子どもの声を聞き祈るのだ、

『どうか子どもが無事で有りますように』と…

騒いでいる子どもの声の原因は、

路地裏で保護活動をしているマヌカとボンタの声であった…

「だ~か~ら~何で今なのさ~」

『今食べたいからだ』

「一緒にいて今忙しいの分かるよね?

星の意識様そんな事も分からないくらいバカなの?」

『バカとはなんだ、バカとは!おいらは賢い』

偉そうに『賢い』と言い放ったボンタを冷たい目で見ているマヌカが、

「そう、じゃあ賢い意識様は村に帰るまで待てますよね~」

マヌカの言葉に『はっ』とするボンタだったが…

『そんな事は関係ない、

おいらはこの待ち時間を利用して団子とおはぎを食べたいんだ~』

マヌカの声はより一層大きくなり、

「ああああ~団子だろうがおいなりさんだろうが村に戻るまで待ってろ、

待て、待て、待て~~~だぁ~」

そんなマヌカをじっと見つめるボンタが、

『おいなりさんってなんだ?』

「ああ~ただの言い間違え、おはぎだったな」

『違う違う、おいなりさんってなんだ?』

マヌカは「あああ~やっちまったか~」と小さく呟いた、

『やっちまったって何だよ教えろよ~』

「今は教えません!食べ物の種類なんか星の数ほどあるんだから」

マヌカは大袈裟な表現をしてしまったとちょっと後悔している、

『星の数ほどだとぉ~~』

「ああ~うるさい、うるさい静かにしてよ~」

くだらない言い争うをしている2人に声を掛けて来た者が、

『あの~お取込み中申し訳無いのですが…』

兵士達が戻って来てマヌカ達に声を掛けて来た、

振り返ったマヌカが目にしたのは、

他の兵士より体格がいい兵士が他の兵士の肩を借りて青い顔をしている、

体格のいい兵士の顔は美形だったが頬に大きな古い切り傷があった、

そんな兵士に近付きボンタが声を掛ける、

『ウォーレンじゃないか?

怪我をしたのか?大丈夫か?』

『本当に我々の名前を知っているんだな、

俺の名前は言われた通りウォーレンだ、

第3兵士団の隊長をしている、

王の命令でこの町で親の亡くした子ども達の保護をしに来た、

君達の事は簡単に聞いたが…

我々には理解が出来なくってな、

そんな訳なんで村までついて行かせてもらえないか?』

そんな言葉にマヌカが軽く答える、

「勿論いいですよ、

ついてくればその足のケガも治りますからね、

それにしても酷い怪我の様ですが…

その怪我どうしたんですか?」

『ああ、この怪我はこの町に来る途中で魔物に襲われてな、

その魔物が大型だったためちょっとてこずってしまい、

このありさまさ、ハハハ』

ウォーレンは話しながら悲しそうに笑った。

「あらら、それは大変でしたね、

今日町に向かっていたら怪我もしなかっただろうに」

『ん?どうしてだ?』

「ここから半径100キロ以内はあたしが浄化したんで、

瘴気も魔物も無くなったはず、

数日すると瘴気は復活するらしいからそれも調査中です、

それで一緒に村に行くのは良いんですが…

一緒に行くついでに村のお手伝いもお願い出来ないですかね?

今日復興したばかりなので手伝いが必要なんですよ」

『それは勿論やらせてもらうよ、

ただ長い期間は難しいと思うんでそこは理解してもらいたい』

「りょうかいですぅ~」

気の抜けた返事をするマヌカにボンタが『ポンッ』て叩いている、

そんな時小さな足音が近付いて来た。

『タッタッタ~』と走って来たマヌカの分身体は、

バンザイ状態で走って来た、

分身体の両手には保護した男性が乗っていた。

小さな手で担がれた体はバランスも悪く無く、

何でそんな状態が保たれているのか理解不能だったのか、

兵士達がざわつく、

『なんだあれ?』

『おいおい子どもが男の体を担ぎ上げてるぞ』

『隊長…こいつら本当に大丈夫ですかね?』

そんな間も次々と分身体達が集まりだして来た、

運び込まれた人達は服もボロボロで、

体もガリガリだったが…

1人だけ違う様子の人が…

体はガリガリだが比較的綺麗な身なりをしているお年寄りがいたのだ。

それを見てマヌカが首を傾げて、

「ね~ね~そのお年寄りも路地裏生活してた方?」

その質問に嬉しそうに答える意識体、

『路地裏じゃないよ~

家の中のベットに寝てたんだけど、

死んじゃいそうだった連れて来たんだ』

「いやいやいや~家の中って…

ご家族は居なかったの?」

『ご家族?あ~ベットの周りで祈ってたのが家族だと思う、

え~と男の人と女の人と子どもが居たかな』

「で?ご家族には許可もらったのかな?」

意識体はマヌカの問いかけに『ケラケラ』と笑いながら、

『許可なんか取れる訳無いじゃん、

私達が話しかけると驚いちゃうんだよ~人って』

意識体の話を聞いててマヌカの顔が曇る、

「確かに意識体に話しかけられたら人は驚いちゃうか、

今の言い方だとさ~話しかけた事はある訳ね」

『あるある~』と悪気も無い返事が返って来た。

「あのさ~家から運んで来たって事はさ~

それ…誘拐なんだよ…」

『誘拐ってひどいなぁ~マヌカちゃん、

おばあちゃん死にそうなんだよ~

死にそうな人を見つけろって言ってたじゃん』

「まっま~そうだけど…

取り敢えずご家族に許可を取りに行くからさ、

そのお家に案内してよ」

『いいよ~でもマヌカちゃんが話しかけても大丈夫かな?』

「それは分からないけど、

誘拐するよりはいいでしょ」

『家族の時間も止めて有るから気が付かないのに』

「ご家族にも生活があるでしょ、

お仕事もしてるだろうし…無断欠勤になっちゃうじゃん」

『むだんけっきん?』

「ま~ま~いいから案内して~

おばあちゃんも連れて行くからね~

他に人達はここで待っててね」

そう言い放つとマヌカは急いで意識体と一緒に家に向かった。

おばあちゃんの家は町の隅っこで、

日も当たらない様な場所で健康的な環境ではなさそうであった。

マヌカはそっとドアを開けて家の中の様子を見て見ると、

シーンと静まり返っていて、

家の中からはカビと湿った嫌な臭いがしていた。

「こんな環境じゃ健康的とは言えないね」

『そうなの?』

「ん~~空気の入れ替えが出来て無い感じ?」

そう言いながら1つ1つの部屋を覗いて行くと、

一番奥の部屋に親子が3人ベットの周りで跪いて、

祈っているような姿で止まっていた。

親子の姿は路地裏生活している人達に比べて少しはましにだが…

3人とも体はガリガリであった。

マヌカの表情も暗くなり小さな溜息をついて指を「パチン」と鳴らし、

親子の停止を解除した。

停止を解除しても親子は祈り続けていた、

口からは『どうか母さんを助けて下さい』そう呟いている。

その時子どもがベットに目を移すと祖母の姿が無い事に気が付き、

『大変だ、おばあちゃんがいない』

その言葉に夫婦も目を上げると母親の姿が無い事に気が付き、

『本当だ何処に行ったんだ』

『おかあさん』

そう言いながら周りをキョロキョロし始めると、

ドアの所に小さい光がフワフワ浮いて、

その横にはローブを着た幼子が浮いていた、

驚いたのは見た事も無い服を着た幼子が、

バンザイ状態で自分の母親を担いでいる姿であった。

『お前達いったい何なんだ!

俺のお袋をどうするつもりだ』

母親が担がれている事に怒りをあらわにしている男が、

分身体に向かって駆け寄って来る、

マヌカは危ないと思い結界を張った。

男は結界に阻まれて分身体に近付けない事に気が付き怒鳴り始める、

『俺の母さんを返せ、

母さんは病気なんだ、そんな風に担いでいたら体に障るだろ』

マヌカは冷静に男に声を掛ける、

「勝手にお母さまを連れ出して申し訳無いです。

でもお母さまの命が危険な状態だったので…

勝手に保護してしまって…

どうかこのままお母さまを、

あたしたちに任せてもらえないでしょうか?」

『はぁ~?お前達みたいな子どもに何が出来るって言うんだ、

いいから返してくれ』

「返しても良いですけど…

お母さま亡くなってしまいますよ…良いんですか?」

そんなやり取りを見ていた意識体が、

『マヌカちゃん!おじさん怒っているからさ~

ここでおばあちゃんの治療しちゃえばいいじゃん』

意識体の提案にマヌカはニッコリと笑って、

「そうだね、治療をここでしちゃえばいいか、

他の人達は帰る場所が無いから連れて行くんだしね、

病気だけ治してしまえばいいのか?」

そう言いながらマヌカは周りを見渡して、

家族の生活状態を観察してみるが、

「病気を治しただけでは、

また直ぐに病気になってしまいそうな環境なんだけど…」

男がイライラしながら

『環境が悪くって悪かったな』と言い返して来た

マヌカは大きくため息を付くと、

「あの~失礼な事を聞きますが…

お仕事は何をされているんですか?

ご家族は十分な食事は取れているんでしょうか?」

『はぁ~なんでお前みたいな子どもにそんな事を…』

男はそう言いながら俯いてしまった。

そんな姿に意識体が声を掛ける、

『おじさん、このフードの子はただの子どもじゃないよ、

だいたい浮かんでいること事態普通じゃ無いんだし』

『じゃあ一体誰なんだ?』

「え~っとあたしは銀河妖精ですぅ~

この星の浄化と再生のお手伝いに来たんですけど~

死にそうな方々の救済と保護もしてますぅ~」

語尾を伸ばして可愛い振りをしていたマヌカだったが…

逆に不信感を持った男の顔がイライラしている様に見えたが、

男の子が声を掛けて来る、

『本当におばあちゃんを治してもらえるの?

本当に出来るなら治して下さい』

まだ8歳位であろう子どもの方が、

冷静にマヌカの会話を聞いていたようだ。

マヌカは軽く「いいよ~」と言って、

分身体におばあちゃんをベットに戻すように促した。

ベットに寝ているおばあちゃんに向かって両手を掲げ、

治癒のエネルギーを流し始めると、

おばあちゃんの顔色がどんどん良くなっていく、

そんな状況に親子3人は驚きの表情になっていた。

マヌカはまた「パチン」と指を鳴らして、

おばあちゃんの停止を解除した。

おばあちゃんはゆっくりと目を開けてキョロキョロし始めた。

そこに子どもが声を掛ける、

『おばあちゃん~おばあちゃん』

子どもの声に答える様におばあちゃんはニッコリと笑う、

『なんだい、大きな声で騒いで』

そう言いながらおばあちゃんは、

『よっこらしょ』と言いながら起き上がった。

『かあさん起き上がって大丈夫なのか?』

『ああ、なんか調子がいいね、

喉も痛くないし体も軽いよ』

家族は涙を流しながらおばあちゃんに抱きついて、

『おばあちゃん良かった~』

『おかあさん本当に良かったです』

『かあさん~かあさん~』

喜んでいる家族の姿にマヌカは、

「感動している所申し訳無いんですが、

病気は治りましたがこの先ここでの生活は大丈夫なんですか?

失礼ですが食事もまともに取れていないようだし…

また聞きますがご主人はなんのお仕事しているのですか?」

男は涙を拭いながら、

『仰る通り十分な食事は取れていません、

それはこの町に住んでいる者達は全員同じ状況です。

俺の仕事は調理師をやっていましたが…

最近食料の入荷が極端に減ってしまい…

店もやってられなくなって最近辞めさせられてしまって…

領主様に相談に行こうかと思ってたんですが、

外は魔物もいるし…勝手に町を出て領主様の所に行けば…

どんな罪になってしまうか』

最後の方は消え入りそうな声になっていた。

「では折角治療をしてもまた直ぐに病気になってしまいますね、

良かったら私達と一緒に近くの農村に行きますか?」

『農村て…廃村になっていると噂で聞いたのですが?』

「今日復興したので大丈夫だし、

食料もたくさんあるから大丈夫ですよ、

まぁ~ここにも直ぐに食料を運んで来る様にするから、

ここで生活しててもらっても大丈夫だと思うけど、どうします?」

親子は突然の話に目を『パチパチ』させて何が何だか分からない様だ、

「まっ突然こんな話されても困るよね、

では他の保護した人達を農村に連れて行きたいので、

ここで失礼しますね~」

そう言いながら分身体と意識体と一緒に部屋を出ようとした所、

おばあちゃんが声を掛けて来た。

『待って下さいな、

今の話は本当ですか?

領主様ははなんと仰っているんでしょうか?

もしかして領主様の命令で救済をしているのですか?』

マヌカは呆れた顔で振り返り、

「領主?そんな者の言い分なんかどうでも良いんですよ、

あいつらは悪い事をやり過ぎた、

もうここから居なくなるから何も心配しなくていいですよ」

マヌカのそんな言葉にビックリしている親子は、

『ではこれから私達の生活はどうなるのでしょう?』

その言葉にマヌカは「ん~」と首を傾げて考えていると、

意識体が勝手な事が言い出した。

『大丈夫だよ~マヌカちゃんが何とかするって』

「はぁ~勝手な事言わないでよ、

浄化と再生が終わったらあたしはミナ星に戻るし~

ああ多分だけど王様が動いてくれると思う、

それまでは衣食住の協力は惜しまないつもりだし、

心配はいらないですよ」

『では俺達家族4人もその農村に連れて行って下さい』

「え?一緒に行く?

じゃあ復興のお手伝いもお願い出来ますか?

ご主人は調理師だって言うからみんなの為に食事を作ってもらえると助かります」

『勿論ですお手伝いさせて下さい、

因みに家族4人一緒に生活出来ますよね?』

「もちろんです!家族は一緒にいるのが一番ですからね、

では待たせてる方々もいるので直ぐ出発します、

当分帰って来れないと思うので、

大切なものなど荷物をまとめて貰えますか?」

マヌカの言葉に暗い表情になる大人達、

『私達に家族以外大切な物なんて有りませんよ』

おばあちゃんが悲しそうに答えた。

『俺達は持つ事を禁じられてたようなものだから…

それに何か有る度に領主様に搾取されてたんで、

何も持って無いんですよ』

ずっと俯いていた男の奥さんが、

『家族が病気になる度に領主様に薬を頂きに行くのですが、

薬の代金と言われて、

ただでさえ少ない食料も取られていました』

マヌカの目がすぅーっと細くなり

「大丈夫、もうそんな事は起きないから、

ではこのままみんなが待っている所に行きましょう」

そう言いながらマヌカは、

4人家族を連れて路地裏に向かったのであった。

路地裏ではボンタと兵士達が何やら話をしていた。

『だ~か~ら~あのローブの奴は妖精なんて言ってるが、

もっと大きな存在なんだよ、

あいつが居なかったらおいら達だって存在して無かったかもって話、

そんな奴だからな~んの心配も無いし、

これからこの星の住人達は幸せにしかならないんだよ』

そんな話を兵士達は難しい顔をして腕組みをしている、

『ボンタ殿の話は壮大過ぎて理解に苦しむのですが、

先ず宇宙だとか星だとか銀河って言われても』

ボンタは『はぁ~』と溜息をついて、

『700年の間にこんなにも意識が狭くなっちゃったんだな…

700年前のお前達のご先祖は相手のオーラや波長などを感じ取って、

体の調子やどんな存在なんかも分かっていたぞ、

それを今でも受け継いで生活しているのが他の国の奴らだ』

ボンタの他の国の奴らに驚いて、

『他の国は700年前と変わらない生活を送っているのか?』

『そうだよ、まぁ~瘴気のせいで食糧難はどこの国も一緒だけどな』

そんな話をしているとマヌカが戻って来た、

マヌカの後ろからゾロゾロと親子4人がついて来てるのにボンタが気が付き、

『マヌカ~遅いぞ、

後ろのばあちゃんはさっきのばあちゃんか?

元気になったんだな、

それよりおいら腹が減ってるって言っただろ~』

「な~にが腹減っただ、

減る腹持って無いだろが~」

マヌカがボンタに冷たく言い放つ姿を見ていた兵士が、

『やっぱ信じられないよな、

さっきの話は…そんな偉大な存在には見えないって言うか、

隊長はどう思います?』

隊長はマヌカとボンタのやり取りを見ながら、

『ま~偉大って言うより、

和む存在って感じかなハハハ』

隊長の答えに肩をすくめて苦笑いをしている兵士。

他の兵士がマヌカと一緒に来たお婆さんを見て、

『珍しいですねお年寄りなんて』そう言って来た。

その言葉を耳にしたマヌカが、

「お年寄りが珍しいってどういう意味?」

マヌカに声を掛けられた兵士は、

さっきのボンタの話を思い出して少し硬い表情になって答えた。

『いや、それはですね、

この国の食料難でお年寄りが直ぐに…なんと言うか…』

「直ぐに死んじゃうって事?

それも食糧難で?なんて事」

マヌカは(そう言えば農村にお年寄りっていなかったな、

村長が一番年取ってそうだったけど…

あれはどう見ても40代?位か?)

マヌカは心に強く思った、

「領主許さない」

マヌカが何気なく呟いた言葉に周りの兵士も気が付き、

このお嬢ちゃんは一体何者なんだろうとますます疑問に思ったのであった。

マヌカは少し高く飛び上がり、

「これで全員集まりましたね~

みなさん農村迄ワープしますが、

ちょっと眩しいかもしれないから目を瞑っていた方がいいですよ~

では出発~」

そう言って漏れが無いように集まった全員を光に包んで、

農村迄ワープをしていった。

町の路地裏はいつもの様な静寂に包まれたのであった。





読んで頂きありがとうございました。

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