トゥーリア星の奇跡
トゥーリア星でのお話はこれで終わりになります。
トゥーリア星に戻って来たマヌカ、
そんなに時間はかかって無いと思っていたが…
日が傾き夕暮れになってしまっていた。
「あ~暗くなってきちゃったかぁ~ま~仕方ない」
そう言ってパチンと指を鳴らしてトゥーリアとピーちゃんの一時停止を解除した。
トゥーリアとピーちゃんは何事も無かったかの様にお茶の続きを始めていたが、
『あれ?急に暗くなってきましたね?ピーちゃん』
『ピ~ピ~』と答えるピーちゃん、
マヌカは何事も無かった様に洞窟から回収したご遺体を、
集落の広場に一体ずつ丁寧に並べて行く。
そんなマヌカの様子に気が付いたトゥーリアが、
ピーちゃんの植木鉢を持ってマヌカの側にやって来た。
『マヌカちゃんなんでご遺体を縦に並べているの?』
「この広場の大きさを考えたら横に並べたらご遺体全部並ばないと思って、
縦ならいけるかなぁ~と思ったんだ」
『なるほどです、でもご遺体が着ている服は見た事無いものですね?』
「あ~これはねあたしが転生してた地球にあったジャージってやつ、
種族別に色分け出来るし、とても動きやすいんですよ」
綺麗に元の姿に戻ったご遺体を首長族は白、耳長族は青、獣人族は赤と、
分かりやすいように色分けをしてある。
『分かりやすいように色分けもしてあるんですね』
「うん…でもここまで並べると何処かの体育祭って感じ」
なんて言いながらマヌカが笑う
『体育祭?』
「そうそうみんなで運動をする事だよ」
なんて適当な返事をしているマヌカに美しい声が響いて来た。
『マヌカちゃまお待たせしました』
「女神様?凄く早かったですね、ありがとうございます」
『フフフ、天界の者達がマヌカちゃまのプレゼントに大喜びで張り切りました、
今からわたくしもそちらに伺っても宜しいですか?』
「もちろん待ってま~~す」
マヌカとフィーナの会話はトゥーリアには聞こえていなかった為、
マヌカが独り言を言っているのかと不思議そうにマヌカを見つめるトゥーリア。
『マヌカちゃん?誰かとお話してるの?』
「今に分かりますよ」
その言葉と同時にトゥーリアの目の前が光出してフィーナが登場
フィーナ『お待たせしました』
現れた姿を見てトゥーリアがワナワナと震え出した
トゥーリア『え?噓でしょ?そっそんなあああ~』
トゥーリアは女神の登場に感動し過ぎて、
植木鉢を持って立ったまま気絶してしまった。
マヌカ「トゥーリアさん?うっそ~~気絶してるじゃん」
フィーナ『フフフ、トゥーリアさんどうしちゃったんでしょ』
マヌカ「もしかしてフィーナさんってレアキャラ?」
フィーナ『れあきゃら?なんでしょ?』
マヌカ「レアキャラってのは人前にあまり現れない存在って事です、
トゥーリアさん初めてフィーナさんに会ったのかな?」
そう言ってトゥーリアが持っているピーちゃんの植木鉢を受け取って、
マヌカ「ピーちゃんちょっとの間ポシェットに入っててもらうよ」
その言葉に『ピーピー』と何か訴えていたが、
マヌカは気にも止めずに異次元ポシェットに植木鉢をしまった。
次はトゥーリアの両肩に手を置いてゆらゆら揺らしながら、
「起きろ~~寝ている暇は無いぞ~~」
トゥーリアは白目をむいたままだ、
「トゥーリアさ~~んこのまま置いて行くぞ~~
はぁ~起きないか…仕方ないのでフィーナさんこのまま作業を始めましょ、
因みに、戻る事を選ばなかった方々は何人位になりますか?」
『それがですね、ゼロです』
「本当ですか?みんな戻りたいと?
カマキリ達に殺されてしまった子ども達もですか?」
『はい、子ども達は酷い経験をしてしまいましたが、
天界での心の浄化もスムーズに終了し穏やかに過ごしていたのです、
そしてマヌカちゃまの提案を聞いて、
親より先に亡くなってしまった後の、
親の気持ちをずっと心配してたと打ち明けてくれました、
そしてこんなチャンスを逃すはずが無いと喜んでいました』
「そうですか…良かった、
ではトゥーリアさんには起きて貰わないと」
そう言ってトゥーリアの顔をペチペチと叩いて
「あああ~~大変分身体が~~走って行ってしまう~~」
その言葉にトゥーリアは『はっ』と気が付き周りをキョロキョロし始めた。
「トゥーリアさん…分身体のストーカー決定ですね」
トゥーリア『ちっちがいます、
分身体ちゃんを捕まえたいなんて思っていません』
その言葉にマヌカが「はぁ~~」と溜息を付きながら、
「そんな話はどうでもいいんで…
トゥーリアさんに頼みたい事が有るんですがお願い出来ますか?
あっちのトゥーリアさんとも勿論繋がってますよね?
分身体なんだから」
トゥーリア『え?はいはい、大丈夫ですよ、
何をすればいいんでしょ?』
マヌカ「子供が亡くなってしまった両親を広場に集めて下さい、
ちょっと待たせてしまいますが何も聞かずに待ってて欲しいんです」
トゥーリア『はい、大丈夫です』
マヌカ「ありがと、それとですね、
ここの件が終わったら直ぐに変なじーさんが居た大陸に戻りますが、
トゥーリアさんはここに留まりますか?
それとももう一体分身体を作って、
大陸ごとに一体のトゥーリアさんって事も出来ますが」
トゥーリア『え?もう一体作ってくれるんですか?
勿論作ってもらう方がいいです、
この体を作ってもらって直接話が出来る事が、
こんなに素晴らしいとは思ってもいませんでしたから』
マヌカ「良かったです、ではもう一体」
そう言ってマヌカはトゥーリアのおでこに小さい人差し指を当てて、
「コピペ」と呟くとトゥーリアさんの横に新たなトゥーリアさんが現れた、
トゥーリア『きゃ~~二人になった~~
マヌカちゃんコピペって何ですか?』
マヌカは面倒くさそうな顔をして
「コピってペってする事ですよ」
マヌカの適当な返事にトゥーリアが頬を膨らませる、
その顔を見たフィーナが『フフフ』と笑う
その笑いに『はっ忘れてた』と言ってフィーナに駆け寄り
トゥーリア『女神様、女神様ですよね?
何でこんな所に来て下さったのですか?
私嬉しくって嬉しくって~』
そう言って泣き出してしまった。
フィーナ『トゥーリアさん大変でしたね、
天界で全て見ていましたが…私達何も出来なくて、
本当に申し訳ない事をしました』
トゥーリア『いえいえ勿体ないお言葉です』
フィーナはトゥーリアを抱きしめて
フィーナ『マヌカちゃまが星の意識を人型にして下さって、
こんな風に接触を出来るなんて素晴らしいですねトゥーリアさん、
そしてマヌカちゃまのお陰で悲しみも今日で終わりですよ』
そう言ってトゥーリアの頭をポンポンと叩いてマヌカに向き直った
フィーナ『マヌカちゃま始めても宜しいですか?』
マヌカ「はい、お願いします」
フィーナは両手を胸元に置くと胸元が光出し光が段々と大きくなる、
両手いっぱいになった光を空に向けて放つと光が広がって行く、
その光景は星々が夜空に散らばって行くようでとても美しかった。
それを見ていたトゥーリアは『綺麗…』と呟く、
光はバラバラに広がって遺体の上に一粒ずつ綺麗に並んでいく。
遺体の上の小さな光はゆっくりとゆっくりと遺体に吸い込まれ体に戻っていく、
光の魂が体になじみだして人々の目がゆっくりと覚めて、
トゥーリア『こっこれはいったい何が起こっているの?』
目覚めた人々が自分の体の様子を確かめる様にジャンプをしたり、
手を見つめて指を動かしたりしている
トゥーリア『えええええ~~~~ご遺体がぁ~~』
死んでいたと思っていた人達が動き出してトゥーリアは驚き、
目から凄い量の涙が溢れている。
フィーナ『フフフ全てマヌカちゃまがやったんですよ』
その言葉にビックリした顔をしたマヌカが、
マヌカ「フィーナさんなっ何を言ってるんですか~
魂は天界の方々のお陰で連れ戻す事が出来たんですから、
それとお願いなんですが…今回の事であたしの名前は出さないで下さいね」
トゥーリア『なんでですか?』
マヌカ「特に理由は無いけど…
話す必要も無いでしょ、あたしは直ぐにこの星から離れるんですから」
トゥーリア『そんな~寂しい事言わないで下さい』
フィーナ『そんな事より皆さん目覚めて周りを見渡していますよ』
マヌカ「あっトゥーリアさん1人はここに残って1人はあたしと一緒に来て」
そう言ってマヌカはトゥーリアと一緒に、
す~っとアースクリスタルの後ろに隠れる
そしてマヌカはパチンと指を鳴らして生き残りの住人20人の一時停止を解除した。
一時停止か解除された住人達は絶望のに打ちひしがれていた。
『わし等の息子たちが~みんな死んでしまったのか~』
『うううううう~~』
『私達もこのまま滅んで行くだけなのか』
口々に悲しみ苦しみを口にするが広場の様子がいつもと違う事に気が付く、
『なんか騒がしく無いか?』
『広場の方だ』
アースクリスタルのわきで倒れていた生き残りの老人たちは、
ゆっくりと立ち上がり広場を覗く、
広場では凄い数の人々が抱き合ったり手を取り合ったりして喜んでいる。
『いったい何が起きてる?』
『わし等もいつの間にか天界に来てしまったのか?』
アースクリスタルのわきでビックリしている老人達に気が付いたある男性が、
『おやじ!』そう叫びながら走って来る。
その言葉に蘇った全ての人が老人達に気が付き走り出す。
死んでしまったと思っていた者達が老人達の周りを囲んで、
『おふくろ~』
『おやじ~~』
『おじいちゃん』
などなど声を掛けながら号泣している
老人達は何が何だか分からず
『なんで?何がおこったんじゃ?』
そこにフィーナがフワフワと浮かび上がりながら
フィーナ『フフフ、みなさん天界から帰って来たんですよ』
突然のフィーナの登場に驚く老人達
『えええええええ~~~女神様?』
『やっぱり天界に来てしまったんじゃ』
トゥーリア『違いますよここはトゥーリア星です、
女神さまが魂をここまで連れて来て下さったのです』
『でもこの大陸の住人は全員亡くなってしまったと言ってたじゃ無いですか、
体が腐敗していたのでは?』
フィーナ『それはですね…』そう言ってマヌカをチラっと見ると、
マヌカは小さな人差し指を唇の前に立てている
フィーナ『銀河の賢者様達がこの星の救済の為にある方を派遣されて、
その方が全てのご遺体を集め元の体に再生して下さいました』
『おおおおお~そのお方は何処に?
是非お礼を言いたいのですが』
フィーナ『あれ?皆さんはお会いになって無いのですか?』
『はい、変なしゃべる光とローブを着た子どもしか見て無いです、
子どもの方は見た事の無いオーラを放ってましたが…』
フィーナ『そっそうですか…それは残念でしたね、
たぶんもう会えないと思います、今はこの奇跡に感謝しましょう』
その言葉に老人達は頷き自分達の子どもや孫達に涙を流しながら駆け寄る、
広場は歓喜に包まれて大騒ぎになっているのを優しい顔で見つめるマヌカ、
そしてフィーナにテレパシーを送る
「そろそろ移動しますよフィーナさん」
『はい』
マヌカが静かに指を鳴らすとマヌカ達の姿がゆっくりと薄くなっていく、
いつもの様に光と共にワープすると住人達に気が付かれると思い、
今回は違う方法でワープをして行った。
次は第2の大陸
アースクリスタルの側にワープして来た3人、
広場は真っ暗でシーンと静まり返っている、
マヌカはフワフワと広場に移動して行くその時、
『おい、子どもやっと戻って来たんじゃな』
その声に恐る恐る振り返りおもわず
「げぇ~~~」と叫んでしまった。
『なにが「げぇ~」じゃ、お礼も言わせないつもりか!』
「お礼?」
『そうじゃ、
お陰様で保護してもらった者達は全員無事に回復したわい、
ありがとな』そう言って頭を下げた。
「良かった、みんな元気になったんだね、
そんな事よりじーさん…え~~っとアナダスさんだっけ、
後ろを振り返ると凄い方がいますよ~~」
そう言われて後ろを振り返るアナダスが目にしたのは女神、
『ぎゃはぁ~~ぎゃぎゃああああ~~女神様』
(なんちゅう声を出しているんじゃフッ)
アナダスは杖をつきながら走り出しスライディング土下座をしている。
(なんじゃあれ?スライディングしてんじゃんクックック、
こんなの見てる場合じゃなかった)
マヌカはいそいそと広場にご遺体を並べ始める。
一方アナダスは
『女神さま~~~どうしてこんな所にいらっしゃるのですかぁ~~
あああ~~ありがたや~~~ありがたや~~~』
そう言いながら崇めだした。
「レアキャラの効力は絶大だな、
この隙に早く並べなきゃ」そう呟きながらせっせと作業をするマヌカ、
フィーナ『フフフ、アナダスどうか顔を上げて下さい』
アナダス『滅相もございません、お会いできるなんてありがたや~、
所で女神様何故こんな所にいらっしゃるのですか?』
トゥーリア『アナダス!さっきからこんな所こんな所って、
私が居るのに失礼では無いですか?』
アナダス『あっ失礼しました星の意識様トゥーリア様ありがたや~』
フィーナ『アナダス落ち着いて下さい、
これから素晴らしい事が起きますよ、
だから集落に居る者達をここに呼んで来るといいです』
アナダス『素晴らしい事…
女神様が仰るなら本当に素晴らしい事が起きるのでしょう、
急いでみなを連れてまいります』
そう言ってアナダスは杖つき猛ダッシュをして行ってしまった。
その様子を見てマヌカがご遺体を並べる速さを上げた。
マヌカ「フィーナさん準備出来ました~~
宜しくお願いしますぅ~~~」
その声にフィーナはコクリと頷き胸元から魂を出して行く。
フィーナが魂の準備をしてくれた事を確認をしたマヌカは、
静かにアースクリスタルの後ろに移動して行った。
魂が浮かびあがった時、
アナダスの呼びかけに広場に集まり始めた住人が光に気付き、
『あれはなんだ?』
『アナダス様あれはいったい…』
アナダス『は?なんじゃ?』
みんなが騒ぎ出した時、
光がそれぞれの体にゆっくりと入り込んでいく。
『アナダス様あれは行方不明の者達では?』
アナダス『なんじゃと?』
何が起こっているのか訳も分からないまま広場に集まる住人、
魂が戻った体がゆっくりと目を開けて体を動かし始めた。
アナダス『なんじゃと~~~戻って来たんじゃ~~』
アナダスの言葉に住人達が走り出し蘇った人達に向かって行く。
『あっあそこにいるのは私の息子よ~~』
『おうおう娘もいるぞ~~』
死んだと思っていた家族が戻って来た事を知りそこに泣き崩れる者もいた。
アナダス『こっこれは…奇跡がおきたんじゃ』
そう言ってアナダスは号泣している。
帰って来た家族の事で広場が大騒ぎになっているのを確認したマヌカは、
「フィーナさんワープしますよ」
広場の状況を涙ながらに見ていたフィーナはコクリと頷く、
マヌカとフィーナはゆっくりと消えて、
マヌカが初めて降り立った大陸にワープして行った。
トゥーリアは感動のあまりマヌカ達が、
ワープしていった事に気が付かないで号泣していると、
アナダスが近づいて来て。
『トゥーリア様ありがとうございました。
こんな奇跡が起きるなど…なんとお礼をすればぁ~~』
アナダスの姿を見てトゥーリアは答える
『アナダス、私にお礼などしないで下さい、これは全て…』
トゥーリアはマヌカに言われた事を思い出す。
『これは全てあるお方のお陰です、
私は一生このご恩を忘れないでしょ』
アナダスはトゥーリアを見つめて『あるお方…』
アナダスは気が付いているあるお方誰なのか、
アナダス『わしも忘れません一生感謝をし続けましょう』
そう言って歓喜で溢れ返っている広場を見つめるのであった。
マヌカは考えていた、
誰にも気が付かれない様に次の作業をするのには…と、
何かに注目が集まれば気が付かれないだろうとワープ先をピンポイント設定、
ピンポイントの場所とは、
マヌカが初めて訪れた首長族の集落広場、
そこにはトゥーリアに言われて子どもを亡くしてしまった夫婦達が、
何の為に呼ばれたのか不安な気持ちで焚き火の周りに座って待っている、
何も話さず焚き火の火をボォ~っと見つめていたが、
焚き火の火がいきなり大きくなり火が金色に輝きだした。
『ななななななにごとだぁ~』
族長のウラノスが叫び、
ガイルが皆を守ろうと立ち上がる、
光が落ち着き中から現れたのは女神だった。
ウラノス『めっめがみさま~~』
火を囲んでいた者達が立ち上がり騒ぎ出した時、
女神の後ろからうやうやしく頭を下げてマヌカがフワフワと現れ、
「みなさん!お静かに元の場所にお座り下さい、
これから女神様からお話が有ります」
そう言われて皆がおとなしく元の場所に座るが、
フィーナはいきなり話を振られて『え?』と首を傾げたが、
出来る女神はその場の空気を読んで話を始めた。
マヌカは注目が女神に注がれたのを確認して、
ゆっくりと住人達の後ろに場所を移す、
「さて素早く作業にとりかかりましょうかね~」
と呟いたマヌカの後ろからトゥーリアが声を掛けて来た、
『マヌカちゃん集落の門から入って来ると思ってました~
焦っちゃったいました。』
振り返ってトゥーリアを見ると相変わらずクマのぬいぐるみを抱っこしていた。
「本当にそのぬいぐるみが気にいったんですね」
『勿論です、マヌカちゃんからのプレゼントですから、
それにしても女神様の人気は凄いですね』
住人達が食い入るように女神の話を聞いている姿を見てマヌカが
「前からちょっと気になってたんですが…
何でこの星の住人の方々は相手を見ただけで、
女神様だとか星の意識様だとか分かるの?」
その言葉に首を傾けて不思議そうにトゥーリアが答える
『え?何でってオーラの色が違うし、
魂から放たれる波長、周波数が違いますから』
「なんだって!ここの住人は全て見えて感じられるって事?」
『はいそうですけど…』
(さすが7次元密度世界…ん?じゃああたしの事もバレバレ?)
「じゃああたしの事もバレバレって事?」
『マヌカちゃんの事はそのローブのせいで何にもわかりませんよ、
マヌカちゃんから放たれているオーラはこの星には無い色ですし、
だからアナダスなんかマヌカちゃんの正体が分からなくって困ってましたから』
「へ~パイヤさんがくれたこのローブ凄い性能だったんだね、
あっこんな事話してる場合じゃなかった、
トゥーリアさんはフィーナさんの側に居て下さい、
あたしは作業に取り掛かりますから」
『は~い女神様のお傍にいますね』
トゥーリアそう言っていそいそとフィーナの側に向かって行った。
「さて~作業を始める前にトゥーリアさんを何とかしないとな」
そう言ってマヌカは指を鳴らしてトゥーリアの目に結界を張った。
そして両手を上げて「ぶ~んしん」と小さく呟くと、
両親の数だけの分身体を出した。
トゥーリアに分身体を追い掛け回されるのを恐れたマヌカは、
トゥーリアには分身体だけ見えない様に目に結界を張ったのだ。
分身体はそれぞれの親の後ろに立って母親と父親の背中に小さな手を当てる、
小さな手が輝きだして両親の体から遺伝子を吸い取り、
両親の記憶を辿って最後に見た子供の姿を辿る。
遺伝子を吸い取ると分身体の体の中で子供の体の形成を始めた。
そうマヌカは両親の細胞をもらい食べられてしまった子ども達の体を作りだしたのだ、
形成が有る程度終わると光が分身体の背中から外に出て来て、
光が自ら最後の仕上げを始めだしうねうねと動き出した。
マヌカはそれを見届けると小さく「分身体戻ってこ~い」と呟く、
分身体は音を立てない様にマヌカに向かって動き出した時、
マヌカはある子どもの体に目を疑った、
その体は他の子どもと比べてあまりにも小さく、
一歳位の赤ちゃんの体だった。
「はぁ~~あのカマキリ野郎赤ちゃんまで~食いやがったのかぁ~」
それは低く怒りが満ち満ち溢れた声だった。
その時段々と目が細くなりクポクポクと音がし始める、
集まりだした分身体が『はっ』マヌカの怒りに気が付き、
マヌカの肩に両手を置くと揺さぶり、
『おちつけぇ~~~おちつけぇ~~~』とささやく
他の分身体達もマヌカを囲い
『おちつけぇ~~』とお経の様に唱えた、
それを聞いてたマヌカは何故か段々と落ち着きを取り戻していった。
「おっと~危なかった、
みんなありがと、もう落ち着いたから体に戻って、
それにしてもカマキリ野郎ヌヌヌ」
そう呟きながら赤ちゃんの側に行って
「地べたに寝かせるのは酷いよね」
そう言って籐で作られた大きなカゴを出し、
赤ちゃん用の布団を出してカゴの中に敷いた。
そして赤ちゃんをそっと布団の上に寝かせる、
「もう直ぐお父さんとお母さんに会えるからね、
幸せな人生を送るんだよ」
そう言ってマヌカは赤ちゃんの頬を小さな手で撫ぜた。
そんな事をしている内に子ども達の体の形成が終わりを告げた。
それを確認をするとマヌカはフィーナにテレパシーを送る
「準備が終わりました、後は宜しく」
他の大陸での出来事を説明していたフィーナは、
マヌカの言葉にニッコリ笑い
『トゥーリア星で起きた事はとても酷い事でしたが…
これでもう終わりです。
後は皆さんと力を合わせ乗り越えて行くだけ。
そしてこれから起きる事はあるお方からの奇跡のプレゼント』
そう言ってフィーナは両手を胸元に持っていき、
フィーナの体の中からいくつもの光が出て来た。
光を両手で囲むと腕を伸ばして空に向かって光を放つ、
前の大陸で出した魂と比べて数は少ないが、
それはそれで美しく輝く光の魂達、
それを見つめる両親たちは
『なんと純粋で美しい光なんでしょ~』
と口々に絶賛している、
浮かび上がった魂達は円を描いた、
フワフワと浮かんでいた魂達は急に両親たちの後方に飛び去って行く。
その光を目で追っていた両親達は目を疑う光景を目にする。
もう二度と合う事も無いと思っていた子ども達が立っているのだ、
親達は喜びと驚きが入り混じった叫びをあげて、
子ども達に向かって走り出そうとした時、
フィーナが静かな声で止める
『子ども達の目が覚めるまでもう少しお待ち下さい』
その声に親たちは立ち止まり子ども達を見つめる、
光がゆっくりと体に収まると子ども達の目がゆっくりと開いていった。
体に戻った子ども達が最初に目に入った光景は、
涙でぐしょぐしょになりながら笑顔を向ける両親の姿だった。
その姿に子ども達も号泣しその場で泣き崩れてしまう子、
親に走り寄って行く子、
親達は子供を優しく抱き寄せ喜びの涙を流す。
その騒ぎに気が付いた他の住人達も広場に集まりだして、
この奇跡の光景を目にするのであった。
マヌカはその光景を集落の上に浮かび上がって見守っていた、
マヌカの顔は満面の笑みを浮かべ涙がポロポロと流れて、
「良かった、これでトゥーリア星のお手伝いはこれでおしまい。
フィーナさんみなの国に戻りましょ」
そう言ってマヌカとフィーナの体が段々と薄くなって消えて行った。
住人達を見て号泣していたトゥーリアが、
『マヌカちゃんありがと』と呟きマヌカを探すが何処にも見当たらない、
焦ったトゥーリアは『マヌカちゃん!』と叫びながら集落を走り回る。
ここにはもうマヌカは居ないと知ったトゥーリアは、
『お礼ぐらい言わせて欲しかった~~』と泣き崩れたその時、
3人いるトゥーリアの体の耳元にマヌカのささやきが聞こえる、
「トゥーリアさん色々協力ありがとうございました。
トゥーリアさんと出会えてとても楽しかったです、
さよならは言いません…またね~~~」と明るい挨拶が聞こえた後、
3人のトゥーリアの目の前が光出し何かが出て来た。
それは等身大のマヌカの分身体人形、
それを見たトゥーリアは『うひょ~~~』と変な叫びをあげて人形を抱きしめる。
そして人形に向かって、
『マッマヌカちゃん…本当にありがと…またね』
泣きながら絞り出すようにささやいたトゥーリアは、
人形に顔をうずめて泣いていた。
次はちょっと一休みのお話、
みなの国の近況のお話となります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。




