トゥーリアの暴走
ご遺体を回収しに来たマヌカ達だが…トゥーリアの暴走に呆れるマヌカ
大地の浄化と再生が行われた為
空気が軽くなり森に爽やかな風が吹き、鳥のさえずり動物達も楽しそうに走り回っている。
そこにマヌカ達がワープして来た。
「森に活気が戻って来たみたいで良かったですね」
トゥーリアは大きく深呼吸をして嬉しそうに
『この感じは何百年前の感覚でしょう、本当に素晴らしい』
2人でニコニコしながら話をしていると
『マヌカちゃんこっちだよ』
呼ばれた方を見ると大きな洞窟の入口に意識体がぴょんぴょんとしている。
「お待たせ~洞窟の中じゃ無かったんだね」
『だって~洞窟の中さ~酷いんだもん』
「酷い?」
『酷いよ~』
マヌカはトゥーリアの顔をまじまじと見つめる
『マヌカちゃんどうしたんですか?』
「洞窟の中酷いんだってさ、大丈夫?
トゥーリアさんここで待っててもらっても良いんだけど」
『だっ大丈夫ですよ!何を見てもだっ大丈夫です』
トゥーリアの顔は青くなっていた
(顔青いじゃん、また倒れるかもな)
「じゃあ中にレッツゴー」
マヌカは元気に洞窟にフワフワと入って行った。
中は真っ暗で視界が悪いがマヌカの体が輝いていたので、
マヌカの周りは明るくなっていた。
トゥーリアさんはビクビクしながらマヌカの後ろにをついて来ていた。
奥に進んで行くと凄まじい匂いに襲われた。
『マヌカちゃん…匂いが…おおおおえぇ~~』
「ご遺体があるからね~匂いはしかたないよ」
マヌカはそう言いながらトゥーリアに向きを変え鼻に結界を貼った
「これで匂いはしなくなるはず」
『すんすん…本当だ匂いが無くなりました、マヌカちゃんありがとぉ~』
そう言って抱きついて来た。
「トゥーリアさんくっく苦しい~~放して」
トゥーリアは『はっ』っとして体を放した。
その時『リ~~ン、リ~~ン』と音が鳴り響いた。
『こっこれは何ですか~~』
トゥーリアはあたふたしている、その姿がおばあちゃんみたいで
「ア~~ハハハハトゥーリアさん笑える、大丈夫ですよ
この音は私の拠点からの連絡ですから」
そう言ってマヌカはその音に答える
目の前に現れたホログラムのモニターに映るは、なー君
「あれ~~?なー君?どうしたの?何かあった?」
なー君の話は天界神がみなの国専用の体が欲しいとの事、
それを聞いたマヌカは不敵な笑いを浮かべる
「クックック~」
(天界神様に恩を売っておけばこの先の話が楽になるじゃん)
「クックック~」
マヌカは天界神のお願い事を快く承諾してみなの国との通信を切った、
みなの国の通信を一部始終見ていたトゥーリアは
『マヌカちゃん!今の天界神様もいましたよね?
天界神様の居たあそこどこですか?マヌカちゃんの拠点て?』
「そっか~トゥーリアさんはカマキリの悪い方しか会って無いですよね?
あいつら同族を何百年も奴隷扱いしてたって話したじゃ無いですか、
その被害者たちを保護する為に拠点を作って幸せな生活を送ってもらってるんです」
『でもそっそこに何で天界神様が?』
「あああ~大天使達が拠点に勝手に入り込んで来たんですよ、
事情を聴くと天界神様が許可したって…勝手な事をされましてね」
『えっえっえ~~~ずるい~~』
「ずるいの意味が分からないけど…天界の方々は肉体が無いので星に魂を迎えに行くだけで、
星自体に降りる事が出来ないからつまらないみたいな?
よく分からないよね、ふっふっふ~」
マヌカの顔にトゥーリアがズズズ~と顔を近づけ
『ずるいです私も行きたい』
(面倒な事になって来た)
「トゥーリアさん!今はご遺体をちゃんと保護しなくっちゃ」
その言葉に納得いかないような納得したような変な顔をしていたが、
マヌカはそれを無視して洞窟の奥に入り込んで行った。
暫く進むと大きな空洞に出て来た、そこに何かが山積みになっていて、
暗くて良く見えなかったが山は幾つもあるようだ。
「暗くて良く見えないね」
そう言ってマヌカは小さな光の玉を空中にばら撒くと
さっきまでの暗闇が嘘の様に明るい世界に変わっていた。
明るくなって見えて来たのは山積みになった物の正体、
『きゃ~~~~こっこれは~~あああああ~』
と叫んだと思ったら『どすっ』と音を立てて再びトゥーリアが倒れてしまった。
「はぁ~またか~~い」
そう言いながらマヌカはトゥーリアに近づきトゥーリアの顔を
小さな手でペチペチと叩き始めた
「トゥーリアさ~~ん起きて下さい」
トゥーリア無反応…ペチペチ再び
「トゥーリアさ~~んこの星の子達が大変な事になってますよ~~
トゥーリアさんにとって星に生まれた子はみんなトゥーリアさんの子なんでしょ~~」
ペチペチペチペチ叩き続ける…トゥーリア無反応
「おかあさ~~~んトゥーリア星に生まれた子が大変ですよ~~
こら~~~起きろ~~~ここに置いてくぞ~~~」
その言葉に『ぎょっ』としてトゥーリアが目覚め。
『置いていかないでぇ~~』そう叫んで飛び起きた。
「はぁ~仕方ないですね目にも結界はりますから」
トゥーリアの目に結界を貼った事で遺体は全てモザイクがかかる様になった。
トゥーリアはキョロキョロしながら
『マヌカちゃん目がなんか変です、
小さい四角がうじゃうじゃと塊になってて…普通に見える所もあるんですけど…』
「ご遺体だけ四角のうじゃうじゃに見えるんですよ、
本当の姿はトゥーリアさんには刺激が強かったみたいで」
『ごめんなさい、でもこんなにたくさんのご遺体がここに有るんですね』
「そうみたいです、ご遺体の山が10個位かな?
腐敗具合も色々みたいで、白骨化してるご遺体もありますね」
トゥーリアは涙ぐみながら話を聞いている。
「このご遺体を全て集落に連れて帰りたいので、一体ずつ丁寧に分けて行きますね」
『こんなにたくさんマヌカちゃんだけでやるの?』
「いやいや~1人じゃ時間かかり過ぎちゃうから助っ人呼びます」
マヌカはそう言って両手を上に向けて
「分身の術」と叫ぶとマヌカの半分の大きさの小さいマヌカが500体現れた。
小さい分身体はマヌカの様なローブは羽織って無く、
みんなピンクの縁取りがしてある体操服
ぱっと見幼稚園の運動会、みんなきちんと並んでマヌカを見つめている。
『きゃ~~何なんですか~かわいい~~~』
トゥーリアは興奮してぴょんぴょん飛び跳ねながら手を叩いている、
その瞬間分身体がトゥーリアに目を向けたが…その目は冷たく呆れた様な目だ。
(おいおいさっき倒れて悲しんで今度は大喜びかい、忙しいのぉ~)
マヌカはそんなトゥーリアを無視して両手から無数の透明の玉を出し
「みんな聞いて、ご遺体を一体ずつ丁寧にこの透明な玉に入れて下さい」
その言葉に分身体は
『『『了解』』』力強い返事をした後
『それ~』と可愛い掛け声とともに散らばり作業に入った。
分身体の無駄な動きは無くてきぱきと動き回っている姿を
トゥーリアが頬を赤くして見つめている。
マヌカは分身体と一緒に遺体をせっせと玉に収めていた、
そこにトゥーリアが声を掛ける
『マヌカちゃん何で玉の中にご遺体を入れるの?』
「玉には再生が設定してあって、中に入れてれば元の姿になる様にしてあるんですよ~
腐敗した体をご家族が見たら気の毒でしょ?」
『マヌカちゃん…そこまで考えて下さってるんですね』
トゥーリアがホロホロと涙を流していた。
(それだけじゃないんだけどね)
分身体のお陰で全てのご遺体を玉に収めるのに半日で終了した。
「ふぅ~終わったね~ご遺体5200体も有ったよ」
『そんなに…』
「でもこの大陸の大きさを考えると人の数が少ないような…」
『この星の住人達は寿命が長いからなかなか子供も作らないのでこんなもんですよ、
それに自然とのバランスも良く考えてくれてるみたいです。
でもこんなに亡くなった方がいると…』
「…人口が一気に減ってしまいましたね
さて~~みんなありがとね、終わったから私の体に戻って~」
作業が終わった分身体達はあっちこっちに散らばり遊んでいたが、
マヌカの言葉に『は~い』と答えてマヌカに戻って行く、
そんな中マヌカの後ろの方でワ~ワ~と騒ぐ声がする、
マヌカは振り返り騒いでいる方を見ると…
騒ぎの中心はトゥーリア…
トゥーリアは分身体を2人抱え込んで離さないでいる、抱えられている分身体は
『放せ~』と騒ぎながらバタバタと暴れている。
捕まっている仲間を助けようと周りの分身体が
トゥーリアを叩いたり蹴ったりされてるのにトゥーリアは
『痛い痛い~お願いもうちょっとだけ~抱っこさせて~』
そんなアホなトゥーリア見て
マヌカは「はぁ~~」と溜息をつきながらトゥーリアの前まで飛んで行く
「トゥーリアさん大地の母がこんな事していいの?
幼児虐待、幼児誘拐だよ」
その言葉に『はっ』とマヌカを見る
『だって~マヌカちゃんこれでお別れなんて~』
(ここの銀河の奴らって我がままじゃない?こんなアホばかりで大丈夫なのか?)
マヌカはまた大きな溜息をつくと
「トゥーリアさん…集落にぶっ飛ばしますよ」
『え?それは嫌です』
「じゃあその子達を放してあげましょうね、
あたし急いでるって言ってたじゃ無いですか、
最後の大陸は生存者20人ですよ、早く大地の浄化しないとみんな死んじゃいますよ」
マヌカの言葉にビックリするトゥーリア、
腕の力が緩んだお陰で解放される分身体
『今だ~』と叫びながら分身体はマヌカの体に戻って行った。
『マヌカちゃん…』
「寄生虫の本体も最後の大陸にいるから早く確保して生存者を助けに行きますよ、
トゥーリアさんは一緒に行かないで集落で待ってますか?」
『マヌカちゃんごめんなさい、一緒に行きたい
でもまたあの子達に会わせてもらえますか?』
「トゥーリアさん生存者が20名なんです、
って言う事はそれ以外はご遺体って事です」
『じゃあその時にまたあの子達に会えるんですね』
「そうですけど…分身体の邪魔をするなら集落で待機ですからね」
『分かりました、今度は抱っこしません』
トゥーリアの顔をじ~っと見つめるとトゥーリアは恥ずかしがってポッ赤くなる
(そうじゃないだろ~)
と叫びたくなったマヌカだが…指をパチンと鳴らして次の大陸にワープした。
読んで頂きありがとうございました。




