私 荒野に立つ
よろしくです
ヒュウ~~ヒュウ~~
風は吹きまくり、砂埃が舞う
「これは…どういう状況?星には来れたのよね?」
思わず呟いてしまった
見渡す限り殺伐とした景色、遠くに見えるのは…
「あ~あれって地平線ってやつだよね
北海道に行った時初めて見たっけ、2回目だな~
因みに、ここは荒野ってやつ?
砂漠じゃないよね~~だれも居ないしなぁ~」
1人呟く…どうすっかな~思案してると
突然頭に声が響いて来た
『お~~いお~~い、わし~~じゃ~~パイヤじゃ~』
「おっナイスタイミング!パイヤさ~~ん!」
『無事に星には着いたようじゃな?良かった良かった
ちょっとした忠告をするのを忘れててな、
マヌカさんの感情の事なんだけどな~
もしそこで怒りとか悲しみって感情が沸き上がって来たら
直ぐに心を沈着冷静にクールダウンする事が必須でな
ネガティブ禁止じゃ』
「ほ~~冷静にならなきゃいけない状況があるって事ですね」
『それはわからんが、もしそんな事になって
怒りの様なネガティブな感情に囚われてしまうと…』
「囚われてしまうと?」
『エネルギーが暴走しちゃうかも
ある一定数超えちゃうとさ~星に住んでる方々一掃しちゃうかもじゃ~』
「はぁ~~~?なんじゃそれ私危険人物じゃないですか
なんでそんな人物送り込むんです?」
『大丈夫、大丈夫……多分ね、だからこちらも協力出来るように
そちらの様子見てますからの~
危ない時は今みたいに声掛けるから覚えておいてねぇ~じゃ』
「何が『ね~』だ、それじゃ正確な状態が分からないじゃないですか、
じゃあゲージ作りましょ」
『ゲージじゃと?』
「そうそう私のネガティブゲージ、そこの部屋に今作ってみますね」
私は1メートル位の大きな温度計みたいのを思い描き
私の感情情報をセットして賢者部屋にゲージを置いた
何回か具現化してると要領が分かって来て
意図するって事は決定すると言う事みたいだ
思い描いた物がポンポン具現化してたら世界がカオスになっちゃうしね
決定するかどうかは本人の強い意志が必要だ
『出て来たわい、面白いの一番下が青色で中間が黄色、上が赤色か
マヌカさんの顔みたいのが青の所にいるのぉ~』
「そうそう、その顔が上がって来て赤の所に行きそうな時に必ず声かけて下さいね
それと、こっちばかり観察されるのも不公平な感じなので
私もちょいちょい覗かせてもらいます。」
『へ?』
私は畳一畳分位のモニターを賢者部屋(私の作った部屋を賢者部屋に命名)
に具現化しテレビ電話の様にこちらの様子を映るようにして、
私の目の前にも小さいモニターを出して賢者部屋の様子が見えるようにした
こっちのモニターは出し入れ自由、見たい時だけ出る使用
こちらからも賢者部屋が見えて来たが…ん~?
「なんで皆さん人型になってるんですか…」
『いや~見られちゃったのぉ~
いやなに…マヌカさんがそこに向かった後な
自分の波長を人型変えたらどうなるんだろ~
大会が始まっちゃっての~
どうじゃ儂らしい神々しい姿じゃろ~ふぉっふぉ~』
パイヤは地球で有名な小説に出てくる白魔導士の様な姿
色は紫なんだけどね、紫のロン毛に紫のローブ、顔は…爺さんだった
やっぱりね、爺さんかw
ブロイは思った通りシュッとしたクール美男子で
青い長い髪でローブもシュッっとした水色で縁が白で美しい仕上がり
レガイアはある漫画に出た来たスーパーなんちゃらの様に
赤い髪は凄い毛量で上の方にメラメラと上がっている。
体は筋肉モリモリで強そう、服も皮で出来たタンクトップと皮のパンツだ
賢者だったよね?
イナクは中世的で、妖精や天使みたいイメージ、羽はついてないけど
薄い黄色のカジュアルな感じの服、
髪は金色に近い黄色で、くるくると軽いパーマをかけた感じだ
ピアーはどう見ても女の子、賢者達は性別無いはずだけど
可愛いピンクの髪が軽いウェーブしてる
フワフワ服もローブって言うより
フワッとしたミニスカートのワンピだ…かわええ
「皆さんそれぞれ個性が良く出て素敵ですよ~
それなら椅子にも腰かけられますね」
『それな、初めて座ってみたがなかなかいい感じだぞ』
と歯をむき出しにして笑うレガイア
『マヌカさんありがとうございます、新しい経験で皆喜んでいます』
とクールな笑顔のブロイ
『うんうん、ありがと』照れくさそうにイナクがうつむく
『私も見て見て~~かわいいでしょ?お気に入りこの姿』
嬉しそうにぴょんぴょんと跳ねるピアー
「皆さん楽しそうで何よりですw
何か有りましたらご相談しますので宜しくです
後、ゲージの観察もお願いしますね、
こちらではやる事満載みたいなので
ここら辺で失礼しま~す」
ブチッと目の前の映像を消した
相談しようと思ったけど…相談する気持ちが削がれちゃったな
気持ちを切り替えて、
さて何から始めましょうか~まずは知る事が大切
この星の状況と、何故波動が下がってしまったか…原因を確かめなきゃな
状況の確認には人手が必要じゃん、1人に丸投げってどうなんだろ?
まっ私は何でも出来るって言ってたよね賢者達
じゃあ調査隊を作ってみるかなっと、
体は要らないから意識だけで小さいのがいいな
1ミリ位の意識体、数は…取り敢えず100万位?
「100万の意識体、出てこ~い」
叫んだ瞬間ピカーと光だし、100万の1ミリ球体が出て来た
うわ~綺麗?キモイ?見方次第では蛍の集団だが…うごめいてるとね~
(こいつら何処から来たのか?まっそれは後で調べるとして)
「は~~い、みんな聞いて~~」
『は~~い』と100万意識体
お~~お返事出来るのね、会話出来るのは便利
「これから皆さんにはこの星の偵察に行ってもらいます、
土地の状況、この星に生存してる生き物の状況を調べて下さい
後、偵察中に誰かが傷つけられそうだったり、殺されそうになってたら
その場を停止して、私に連絡して下さい」
『ラジャー』と意識体
「じゃあみんな頼んだよ~行ってこ~~~い」
『行ってきま~~す』
よし、これで情報は入って来るだろう、
後は星の要望も知っていた方がいいよね
星の名前は確かトゥーリアさんだったよね。
跪こうとしたら、なんか変だな?
あれ?地に足がついてないじゃん、浮いてるよ
そっか魂状態だもんね、何かに触れるって出来ないのかな?
私は跪き大地に向かって両手をついてみた
おお触れる事は出来るのか、
では「もしも~~しトゥーリアさん聞こえますか?
銀河の管理人、賢者達に頼まれて来ました、マヌカと申します
お返事出来たらお願いします。」
し~~ん?、暫く待ってると
頭に声が響く
『やっと~~~~~~来てくださったのですね~~』
「はい、この星に着いたばかりです、
何から手を付けようかトゥーリアさんに相談してからと思いまして
優先順位みたいの有ったら教えて頂きたいのですが?」
『それが…それがですね………うわぁ~~~ん』
え?泣き出した?
「トゥーリアさん落ち着いて下さい」
『うわぁ~~~んうわぁ~~ん』
困ったな…そうだ
私は地面の土を集めて30㎝位の山にして人型にしようと思ったが
枯れた大地の土では心配だったので宇宙エネルギーを注いだ
たっぷり注いだ後人型に形を整えた
丸っこいゴーレムみたいになっちゃったけど…
波長に合わせて勝手に姿が変わるだろうからこんな感じでいいだろう
「トゥーリアさん、ここの大地で泥人形を作りました
この人形にトゥーリアさんの意識の一部を移してもらえませんか?
実体があった方が話しやすいと思って」
『うえ~~ん、えっぐえっぐ、わがりまじたぁ~~やってみまず~』
泣いててズルズルだな
「ではやってみて下さい」
……変化無いな…無理なのかな?
『出来ました、グスッ』
「え?泥人形のままですけど、ちょっと動いてもらえます」
泥人形がぎこちなく動き出した、その姿があまりにおかしく、
思わず吹き出してしまった
「ブゥ~~~~~」
『どうしたんですか?何で吹き出すのですか?』
「いやいや、あまりにもかわいくって思わず吹いてしまいました
もっと波長に合わせて姿が変わるかと思ったのですが…」
『ここの大地があまりにも荒れていて、これ以上無理でクスン』
「そうだったんですね、宇宙エネルギー足りなかったんですね
ではもっと注いでみますね」
今度はさっきより多めのエネルギーを土人形に注いだ
泥人形の頭から銀色のエネルギーが注ぎ込まれていく
光が泥人形の中心からグルグルまわりながら広がっていく
広がっって今度は中心に向かって光が小さくなり
そこにはモスグリーンの長い髪、肌は明るいベージュ、
瞳は大きくエメラルドグリーン、の美しい女性が立っていた
おおお~~美しい~~でも~~でか~~~
ん?私が小さいのか?自分の身長をちょっとチェックしてみたら
160cmだった、地球では普通サイズだな
身長が私の倍ある、3メートル位か…
「今度は成功ですね」
と言いながら私はふわりと浮かび目線をトォーリアさんに合わせた
「初めまして、トゥーリアさん、私はマヌカ
マヌカって呼んで下さい、色々お話聞かせて下さいね」
『救世主様~~~え~~~んええ~~ん』
と叫びながら私に抱きついて来た
「トゥーリアーさ~~~ん
これじゃ話が聞けないですよ~~~
それと救世主じゃないです、賢者達から派遣された
ボランティアですから、マヌカって呼んでください~~」
『ボランティアって何ですか?』
「何でもお手伝いする者と思ってもらえれば大丈夫です。
まずは落ち着いてお話しましょう」
落ち着く為には…
トゥーリアさんが座れる大きめの椅子とテーブルを出して
私が座る椅子は目線を合わせられるようにカウンター用の椅子
『あ~~椅子とテーブルが出てきました、凄いです』
とやっと泣き止んだトゥーリアさん
「そうです椅子ですよく知ってますね」
『星の住人達の生活をずっと見ていましたから』
「そうですかでは色々聞きたい事あるんで
椅子に座ってお話しましょうね」
飲み物もあった方がいいと思って
透明のピッチャーに水と切った果物とハーブを入れて
デトックスウォーターを作り、出したコップに注いだ
『これは何ですか?綺麗です見たことない果物』
興味津々にトゥーリアさんが聞いてきた
「これは地球って星の果物で、オレンジ、ピーチ、ストロベリーとアップルですね
葉はハーブでレモングラスっていいます
この星の果物はまだ知らないので、地球の物にしちゃったんですが
飲んでも大丈夫ですよね?」
『大丈夫です、新しい植物作るのに参考になります』
「え?自分で好きな植物を作る事が出来るんですか?素敵~」
はっ雑談してる場合じゃ無かった状況把握だ
「早速ですがこの星の状況とすぐに改善した方がいい事教えてもらえますか?」
トゥーリアさんが私の目を見つめ…泣きそうな顔で
『何も分からないんです~~~~~~
本当にここの住人達は心優しく協力し合って
星を大切にしながらも繁栄していったのに
いつの間にか争ったり、自然を壊すような事を始めて
私には何が何だか分からなくって~みんな大切な私の子供なのに~』
やば~~いまた泣きそうじゃ~~ん
「大丈夫、大丈夫ですよ~それを解明する為に
私がここに来ましたからね~~私頑張りますよ~
ささ、デトックスウォーター飲んでみて下さい美味しいですよ~」
トゥーリアさんはコップに手を伸ばしデトックスウォーターを飲み始めた
そして『おいちい』と一言言って黙ってしまった。
何も分からないって…確かここは7次元密度、
賢者達が言ってた、7次元密度以外の事は分からないって…
「トゥーリアさんもしかしてですが、ここは7次元密度で
それ以外の次元密度の物とか生命体が来ても分からないって事ありますか?
今目の前の果物感知出来ます?」
そう言うとトゥーリアさんが~目を瞑って何かを探りだす
『あっこれは感知出来ました』
飲んじゃったからな、知ってると感知できるのか?
じゃあこれでどうだ
私はここから1キロ位離れた所に50㎝位のクマのぬいぐるみを置いた
「今1キロ先の所に地球に有った物を置きました
感知出来ますか?」
またトゥーリアさんは目を瞑って探っているようだ
『分かりません~何を置いたのですか?何も無いです』
やっぱり思ったとおり
「今置いたのはこれです」
私はクマのぬいぐるみをひょいっと呼び寄せてテーブルに置いた
『きゃ~これは何ですか、かわいいですね、触ってもいいですか?』
「もちろんです、抱き心地もいいですよ」
トゥーリアさんはぬいぐるみを抱きしめて
『気持ちいいです~』
「さっきトゥーリアさんはこのぬいぐるみを感知出来なかったんですね?」
『はい』
「これは私の考えですが…
トゥーリアさんはこの世界の物以外の物は感知出来ないようで
でも一度でも見たり触ったりすると感知できるようになるみたいです
だからここで今起こっている事は、
この星以外の存在が何かやっているかもしれないですね
でも大丈夫
今私の100万の意識体が調査してるので
直ぐに原因もわかるでしょう。」
銀河の管理人の賢者達では駄目って言ってた事
こういう事も踏まえてって事だったのかもな~
と物思いにふけっているとトゥーリアさんがぼそりと呟く
『ライアンが馬に乗ってこっちに来る』
へっ?って後ろを振り返ると
でかい人が、でかい馬に乗って凄い勢いでこっちに来る~~~
「だれ~~?」
読んで頂きありがとうございました。