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【書籍・コミックス二巻発売中】ヒロインが来る前に妊娠しました~詰んだはずの悪役令嬢ですが、どうやら違うようです  作者: ロゼ


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「そっかー、シャルの好みはキリアン様か...案外お似合いかもしれませんよ?」


「そ、そんな事はございません事よ!オホホホホ!おかしな事を仰りますのね!オホホホホ!そもそもキ、キ、キ、キリアン様でしたかしら?そのようなお方、存じ上げません事よ!オホホホホ!」


シャーリン、ご乱心。


「...取り乱してしまいましたわ。わたくし、殿下の婚約者なのですから、殿下以外の殿方など、ましてや己の好みなど口にしてもいけないのですけれど...お恥ずかしい」


「ここには私しかいませんし、好みのタイプは誰にでもありますよ。恥ずかしい事なんかじゃありません」


「そう言っていただけるとありがたいですわ。所でフェリーはどういった殿方がお好みですの?やはりランベスト様?」


「はい!」


「まぁ、お熱い事」


それから私達は色々と話をした。


シャーリンは実は目立つ事が嫌いな、陽だまりで読書等をしながら落ち着いて過ごす事を好む子だった。


そしてアリザの小説の愛読者でもあった。


作者を知っていると言ってしまったら凄い食い付きを見せて、アリザの許可が下りたら後日紹介する約束までさせられた(まだアリザの名は明かしていない)。


貴族であり、王家に次ぐ高貴な身分であるから政略結婚は仕方がないと思いつつも、相手には自分に対して誠実であって欲しいと願い、また自分も相手に対して誠実でありたいと思っている、そしてちょっぴり恋愛に夢見がちな可愛らしい乙女だった。


実は取り巻きにも困っているようなのだが、自分に擦り寄って来ているご令嬢達は身分的にも立場的にも弱い人達が多く、自分という盾がなければ学園で甘く見られる存在であるから容認しているだけなのだそうだ。


「毎日毎日あんなにゾロゾロとご令嬢を引き連れて歩きたくはないのですが...守って差し上げないと家の借金等で弱味を握られている相手に下僕のような扱いを受けるかもしれませんでしょ?わたくしが盾になれるのであればなってあげようかと思いまして...」


良い子だ!めっちゃ良い子だ!ヘルドリアスには勿体ない良い子だ!


こんな良い子が悪役令嬢だなんて絶対嘘!


ゲームでは悪役令嬢だったかもしれないけど、この世界のシャーリンは間違いなく素晴らしい女性!


ゲームはヒロインと攻略対象者達の視点で描かれていて、ヒロイン絶対優位で話が進んでいくけど、現実だったら「婚約者のいる相手に何してんの?!」って話だし、婚約者にちょっかい出される立場で見たら「有り得ない!」ってなるのが当然だし、「それだけの事をしているんだから覚悟は出来てるんでしょうね?!」って思うだろう。


高位貴族を相手に喧嘩を売ってる時点で色々とアウトなのに、そういうのはそっちのけで話が進んでいく。


そしてどうして断罪はパーティ等の衆人環視の中で行わなければならないのか?!


個室に呼んで当事者同士の話し合いでは駄目なのか?!


あれ、ただの集団リンチだと思う。


誰一人として味方がいない中で孤立無援状態で好奇の目に晒されながら断罪される意味とは?!


それが「ざまぁ」なのだと言われたらそれまでだけど、やられる側からしたらとんでもない事だと思う。


そんな目にシャーリンには絶対遭って欲しくない。


勿論私も遭うつもりはないけど。


「本日はありがとうこざいました。とても名残惜しいですけれど、そろそろお暇いたしませんと」


「私も楽しかったです!是非またご招待してもよろしいでしょうか?」


「えぇ、是非に!本当は学園でもお話ししたりしたいのですが、わたくしの周りには沢山の方がおりますので、碌に話も出来ないと思いますの。それにフェリーは大事な体ですから、我が家にご招待するのは体に障って良くないと思いますし...ですから今後は遠慮なくお誘いくださいまし!わたくし、何時でも参りますので!」


「はい!」


シャーリンは本当に名残惜しそうに帰って行った。


「楽しかったようだな」


「えぇ、とても!シャル、ヘルドリアス殿下の婚約者には勿体ない程に素敵な女性で。私、大好きになったわ!」


「確かにあの男には勿体ないご令嬢だな。しかし、大好きとは聞き捨てならない」


「え?」


「フェリーの「大好き」は俺にだけ向いていて欲しい」


「ミュ、ミューゼ?」


「...ふっ、我ながら呆れるな...でもそう思うのだから仕方がない」


「私の一番は何時だってミューゼだよ?それは変わらない」


「フェリー...」


私に抱き着いてくるミューゼ様が可愛くて愛おしくて伸ばした手に力を込めた。


前世から大好きで夢中だったミューゼ様。


それはこの世界に生まれ変わってきても変わらず、寧ろ前よりももっともっと好きになっている。


「私、幸せだわ」


「俺も幸せだ...子が生まれたらもっともっと幸せになる...楽しみだ」


私のお腹を撫でながらミューゼ様が幸せそうに微笑んだ。


この穏やかな幸せな時間がずっと続きますように(これはフラグではない!)。

いつも読んでいただきありがとうこざいます(♡ᴗ͈ˬᴗ͈)ペコリ。:.゜


そして、誤字報告もありがとうこざいますm(_ _)m


皆様にとても助けられております✿感謝(人´ω`*)感謝✿

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― 新着の感想 ―
[良い点] ふふっ、一番で特別なのですね! 分かります(*´ω`*)
[良い点] これはフラグではない!の安心感よ 仮に何か起きても無事なんだろうなと思う
[良い点] 大変楽しく読ませていただいております。 テンポよく、全体的に読みやすい長さで続きをワクワクしております。
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