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9 先輩、勉強教えてくれませんか?(2)

(1)の投稿からお待たせしてしまい本当にすいません!

いつもよりほんの少しだけ長めに書いたのでそれでチャラにしてもらえるとありがたいです…

「とりあえず何問か解いてみて、それで間違えた問題を俺が解説って感じでいいか?」

「はい。それで大丈夫です」


 俺の提案に彼女は二つ返事で了承すると、机に出していた問題集を開きさっそく問題を解き始めた。

 まだ特にする事のない俺は、その隣に座り彼女が問題を解き終わるのを待つ。


「先輩…ちょっといいですか…?」


 しばらくすると、彼女は思い悩んだ様子で問題集を俺の前に差し出してきた。


「どうかしたのか?」


 差し出された問題集に目を落とすと、開かれたページの問題はすべて解答が導き出されていた。

 ざっと確認するが見た感じ間違えは無さそうだし、彼女は何をそんなに気にしているのだろうか。

 不思議に思っていると、彼女は相変わらず思い悩んだような表情を浮かべたまま、ゆっくりとその口を開いた。


「…このままだと、先輩に何も教えてもらえないままこの時間が終わってしまいます」

「え、どういう事?」

「だから!私の頭が良すぎて分からない問題が無いって事です!」

「…は?」


 想像もしてなかった返答に思考が停止するが、彼女はそんな俺を置いて話を進める。


「まだ授業でやってないですけど、単元の最後の方の問題をやりましょうかね」


 そう言うと彼女はページをペラペラとめくり始め、五ページほど進んだところでその手を止める。

 問題集を覗き込むとページの左上には応用問題と書かれており、下手すれば俺でも間違えてしまいそうな難易度の問題が並んでいた。

 確かにこれなら美浜でも一問くらいは間違えるかもしれない。

 彼女の方を見るとすでにシャーペン手に持ち、問題を解く準備は万全のようだ。


「じゃあ先輩。ぱぱっと解いちゃうので少し待っててください」


 真剣な表情で問題と向かい合う彼女の隣で、俺はまた彼女が問題を解き終わるのを静かに待った。




「全問正解だな」

「そ、そんな…」


 俺たち以外誰もいなくなった教室で、彼女はまたもや地面に膝から崩れ落ちた。


「うぅ…私の天才。どうして間違えることができないの…」

「随分と贅沢な悩みだな」


 普段の態度こそ馬鹿丸出しの彼女だが、勉強もできる美少女を自称するだけあって頭の良さは相当なものだった。

 しかし彼女の目的は俺に勉強を教えてもらう事なので、全問正解というのは彼女にとっては最悪の結果という事になる。


「そんなに教えてほしいなら一問くらいわざと間違えれば良かったんじゃないか?」


 相当あからさまなミスをしない限りそれが故意かどうかなんて分からないので、彼女の目的を達成するならそれが一番手っ取り早かったはずだ。


「それは…わざと間違えるのは良くないかなって…」

「だからなんで変なところで真面目なんだよ…」


 この前のクレープの時といい今回といい、どうして彼女は必要の無いところで真面目さを出してしまうのだろう。

 その真面目さをもう少し俺への態度に回してくれれば俺も楽になるのだが、さすがにそれは無理な話か…。


「これ以上やっても俺が教える事は無さそうだし、今日は解散でいいか?」


 そう聞くと、彼女はしょんぼりと肩を落としながら無言で頷く。


「そんなに落ち込むなって。帰りに飲み物奢ってやるから」

「…本当ですか?」

「そんな嘘つかないって」

「…なら元気出します」


 彼女はそう言うと、まだ少し表情を曇らせつつも、帰りの支度を始めた。

 飲み物に簡単に釣られる彼女を見てつい笑ってしまいそうになったが、それでまた機嫌を損ねられたら困るので我慢する。


「支度終わりました。それじゃあ帰りますか」


 勉強道具をしまうだけだった彼女はすぐに帰りの支度を済ませると、ゆっくりと椅子から立ち上がった。


「そうだな。行くか」


 俺も彼女に続いて椅子から立つと、二人で並んで教室を後にした。




 ちなみに飲み物の奢りの件だが、彼女は自販機で?と書かれた何が出てくるかランダムのボタンを押して、出てきたブラックコーヒーを涙目になりながら飲んでいた。


お読みいただきありがとうございます。

突然ですが私なつめぐぷtwitterを始めました。投稿が遅れる時の報告や、夕夏ちゃんの落書き(絶望的に絵が下手)を投稿するつもりなので、お時間ある時に覗いてみてください。

@natumegup_novel です

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