8 先輩、勉強教えてくれませんか?(1)
大変お待たせしました!今回も(1)と(2)に話を分けての投稿になります。
(2)は6日の夜に投稿する予定ですのでしばらくお待ちください。
「ねぇ先輩。先輩って勉強とかできる方ですか?」
いつも通り放課後俺の前に現れた彼女は、持っていた鞄を机に下ろすと開口一番そんな質問をしてきた。
「どうした突然。まあできる方だとは思うけど」
放課後特にする事が無い俺は、家に帰ったらその日の授業の復習をするのが日課になっており、そのおかげもあって一年の時はテストでの順位は上から三十番を下回ったことは無かった。
「へぇ、なんか意外です」
「意外って…お前なかなか失礼だな」
キッと睨むと、彼女は「きゃー先輩が怒った~」とわざとらしい悲鳴を上げる。
「まあいいや。それで、突然そんなこと聞いてきてどうしたんだ?」
どうせ大した理由ではないだろうが一応聞いてみると、彼女は鞄からノートや教科書を取り出して机の上に並べ始めた。
「先輩…勉強を―――」
「断る」
「まだ言い終わってないのに!」
どうせそんな事だろうと思っていたが、俺が彼女の勉強を見てやる義理はない。しかも彼女は確か…
「美浜お前、確か入試の時に言ってたよな?自分は勉強もできるタイプの美少女だとかなんとか」
「ぐっ…なんでまだそんなこと覚えてるんですか…」
「初対面であんな事言われたら忘れる方が難しいだろ」
「そんなぁ…」
彼女は地面に膝から崩れ落ちるが、ここは教室で周りの目があるのでやめてほしい。いや、周りに人がいなくてもやめてほしいけど。
「…こうなったら最終手段です」
彼女は意味深にそうつぶやくと、パッと立ち上がり両手でメガホンの形を作ると
「翔也さーん!」
美浜は なかまを よんだ
「おっ、どうかしたか?」
翔也が あらわれた
「聞いてくださいよ!先輩に勉強を教えてほしいのに、なぜか頑なに断ってくるんです!」
「なんだ裕斗、何か用事でもあるのか?」
「いや、そういう訳じゃないんだけどな…」
予期せぬ援軍によって流れが完璧に彼女の方に傾いてしまった。
こうなってしまった以上、彼女の要望通りにする以外方法は無いだろう。
「…今回だけだぞ」
渋々と首を縦に振ると、彼女の表情がパッと明るくなった。
「ありがとうございます。やっぱり先輩は優しいですね」
「…そりゃどうも」
素直な誉め言葉に少し顔が熱くなるのを感じながら、それが彼女にバレないよう俺は素っ気なくそう答えた。




