第五話 寝付けない夜には
昨日は投稿できず、すみませんでした<(_ _)>
今日から学校のテスト期間に入ってしまう為、投稿頻度が落ちます。ご了承ください。
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ふんふんふんふ~ん
「若、ご機嫌ですな。」
「そりゃそうだよ。何たって初めての実戦だからな。腕が鳴るってもんよ。」
俺は初めての戦の準備に甲冑やら武具やらを揃えていた。
父上との面会を果たした後、俺はすぐにこの高遠に戻ってきた。
兵糧を集めたりしていて少し時間がかかったが、絶対に勝てる布陣で行きたい。
この勝頼の名を武田家中に知らしめるために。
うっ、結構大量になっちまったな。余計なものを入れ過ぎたか。さながら、遠足気分である。
「戦場は甘い所じゃありませぬ。まずは大将として最後まで指揮を採られ、生きて帰ってくることが若の務めにございます。」
「分かってるって。」
俺は戦に持ってく太刀を鞘から抜くと刃毀れ(はこぼ)がないか確認する。
何回かヒュッ、ヒュッと文字通り空を切る。
「いやーたまんないねぇ、この感じ。」
「お言葉ですが、あまり調子に乗られますと痛い目に遭いますぞ。」
俺は太刀を振り回すのを止めて、峰の方で肩を軽く何回か叩く。
「いつもはお主にやられっぱなしじゃからな。鬱憤が溜まっているのじゃ。」
つーか、このじいさんがバケモンなだけで俺の剣の腕も相当なものだと思うんだよな。
父上に言われた通り、毎日の素振りは欠かさないし剣術の本にだって目を通した。
馬上からの訓練だってやってきたんだ。負ける筈がない。
結局、じいはそれ以上何も言わなかった。
この後、俺はじいの言う通り痛い目に遭うことになるのだが、それはまた次のお話。
「よいか、皆の者。明日はついに上野箕輪攻めを決行する時ぞ。
長野業正は死んだが、まだまだ油断はできぬ。各々、心して掛かれ。案ずることはない。我々には八幡神の守護がついている。負けることは決してないぞ。」
そう言って俺が太刀を頭の上を上げ、鬨の声を挙げる。それに呼応するかのように城内の約500もの兵が「エイエイオウ」と叫ぶのだ。
その後、家臣と共に「三献の儀」を執り行った。
ちなみに、「三献の儀」とは打ち鮑、勝ち栗、昆布の三品を肴に酒を三度ずつ飲み干す儀式のことである。
まぁ、多分ゲン担ぎ的な儀式である。
酒を飲むのは初めてじゃないけど、この味はどうも好きになれない。
フルーツサワーとかビールとか小さい頃に父親からちょっと飲ませてもらったなんてのはよくある話だが、これを飲んだ後に飲むといかにおいしく万人向けに作られているかが分かる。
儀式を全て終わらせると、俺はその晩早く眠りについた。
明日起きられないとヤバイからな。
と言っても、興奮で寝られるはずもなく夜中にも関わらず素振りをしていたのだった。