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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編と長編小説もどき(歌)

ごすらんたん(阿呆の歌)

作者: 比我 境太郎

パラライカの前に書いた物です。歌に意味はありません。

駄文だね。武器は何だ。こんな小説が読みたい。


 えーいお待ちなし着物姿の猫に袖を掴まれた。さくらんぼ?口からさくらんぼを取り出しぺっとはく。水の中からカエルが眼を覗かせて此方を見る。あめんぼ?桶の廻りをスイスイ泳ぐ。そよ風に乗せて綿あめが飛んでくる。美味しんぼ?襖から眼をパチクリフクロウさん。

 糸楊子に喉詰めらせる。たたきんぼ?カラスとそのめかす明日の話題。スクールバスで蝶が舞う。ごすらんたん。ヒラヒラするゴスペルにわっちが挑むはトナカイさん。行列並ぶは砂時計。スイカ割ったらお腹が出た。


 此で小説作ります。


作間が店を出ようとすると、女に呼び止められた。

 『えーいお待ちなし』慌てて遊女が土間までかけおりて来て作間の浴衣の袖を掴んだ。

 不審に思ったが、特に思い当たる事もなく、年齢のいった昨夜作間を出迎えた女の険しい顔を眺めた。

 女は、険しい顔をその疲れの出た顔に浮かべ、作間を眺めている。

そういえば、階段の柱に置いてあった器に盛られたフルーツを口に咥えていたことを思い出し、口からさくらんぼのへたを覗かせて、

 『さくらんぼ?』と聞いてみる。

 『あほんだら、お店の子に何させとんのや、お前さん』

と口から出したさくらんぼには一切触れずに女はまくし立てる。

 そういえば、昨日遊んだ子にビンタされたので、着物を逆さに着させて縛ったまま、寝かせておいたことを思い出す。

 サクランボを返して作間は店を出た。

 『二度とこんといて下さい』と店の外まで追い出して女が言った。


  大きな欠伸をして、朝方の人通りの少ない町を歩く。店先に置いてある桶からガマガエルが此方を見ている。並々水の注がれた桶の中にカエルが潜ると水が桶から溢れだし、その水と共に黒い点々流れ出す。あめんぼ?と口にだすと桶の廻りをスイスイ泳ぎだしておった。


 面白いものを見たなと口笛を吹いて歩いていると、少女が横を通りすぎる。

 『どじょうー』と楽しそうに口ずさんでいた。空からドジョウでも降ってくるかしらと空を見上げると、ヒラヒラとわたあめが一つ飛んでいる。

 『夏だねー』と呟きながら、今日が土曜の丑の日だと思い出し、涎を垂らした。

 食うものが決まった作間は、鰻屋を目指した。

 『美味しんぼ?』柱に停まっていたフクロウが眼をパチクリさせながら聞いてきた。

 『くいしんぼ』と作間はフクロウに答えながら鰻屋のある通りに向かって揚々と歩き続けた。

 『いらっしゃい』店主が作間を出迎えた。

鼻をヒクヒクさせながら店の中に広がる食欲をそそる匂いを嗅ぎながら、

 『あれ、捌いて頂戴』いけすで元気に泳ぐ鰻を指差して店主に言った。

 『かしこまり』と答えて、太い腕で、クネクネ泳ぐ鰻をグッと掴むと、鰻が口をパクパクさせながら腕の中で暴れていた。

 網に乗せられ、焼かれた鰻にタレを塗り付ける様を見ながら昨夜の遊女を思い出していた。作間の喉がゴクリと言い、食欲がそそられるのを感じた。


 店を出た作間は、腹を擦りながら糸楊枝で、マウスケアしながら家路へと向かった。

 足元をスルとしたものが通った気配がし、作間はゾクリとして振り替えると黒々とした蛇が其処にいた。思わずその場で尻餅をついて糸楊枝を飲んだ。

 蛇はゆらゆらと去っていったが、糸楊枝が喉に突っ掛かったみたいで、焼き肉を喉に詰まらせた時のように息が出来なくなり、必死で喘いだ。作間が膝を着き手を差し出した先にカラスがおった。

 

 黒く大きなカラスが、作間の口に大きな嘴を入れる。カラスと目が合う。

 『調子はどうだい?兄ちゃん』

 『見てのとおりです』

 『病みつきになるなよ、』

 『成りません、ご心配無用です。』

 『朝刊見たかい、明日鳩ポッポの行進でさ、渡りがにの奴等が踊り狂うっらしいよ、世も末だね』

 『僕は夜汽車に乗ってるときに、お漏らしして、三角頭巾を頭に嵌めました。世も末でした』

 『そりゃ、災難だったね』

  

 『ちょいと、兄ちゃん頭叩いてくれないか?』

 そう言われて、作間はカラスの頭を軽く叩いた。カーっと口の中でカラスが鳴いた。

 その調子、といわれ、カーカーカーとカラスが叩く度口の中で鳴いた。

 

 カラスが糸楊枝を咥えて飛び去って言った。

 潤んだ瞳で其を見届けて作間は又歩きだした。

 

 ごずらんたん

 スクールバスに乗った少年が網を持って蝶を追いかけていた。

黄色いバスの中で、アゲハチョウがヒラヒラと何匹も飛んでいた。

麦わら帽子を被った少年は夢の中に居る見たいに楽しそうだ。


 『夏だねー』作間は羨ましそうに横をゆっくりと通り過ぎる光景を見ていた。


 家路に向かっていると、仮説の舞台の上でふくよかな方達が肩を寄せ合って、唄ったいる。張りのある声で揚々と声を響かせていた。


 ごすらんたん、ごすらんたん、ごすらんたん


 作間は、氷やを見付けてかき氷を食べながら其を観客の後ろの方で眺めた。すると、さっきの氷やの主人が話し掛けて来て、氷の荷車を見といてくれないかと作間にたのんだ。

 作間は一生懸命頼む主人の姿を見て断り切れず引き受けた。

そのまま、少しの間、荷車を引きながら氷を観客に売り歩いた。

 汗がじとじと流れてきた所で、氷やの主人が帰ってきた。

 

 主人にお礼の品だとスイカを渡され、そのネットを持ちながら、家路へと歩きだした。


 途中に時計屋に並ぶ砂時計が居た。その行列を見ながら、

 『もうそんな季節か』と作間は呟いた。


  やっとこさ、家に着くと、作間は居間で仰向けに寝転がり天井を見た。TVには何も写って居なかった。特に変化の無いその様子を見届けて作間はスイカの緑色の表面をなでまわした。胡座をかいて膝に乗せて腹に付け撫で回す。優しく何度も撫で回す。慈しむように。


 しまいには話し掛けていた。赤ちゃん言葉で。なでなでなでなでなでなでなでなでなでなでなで。


 段々と眠く為ってきた作間は、いつの間にか自分が撫で回されているような感覚に陥った。最初は心地よかったが、段々息苦しく為ってきて、スイカを中から齧った。赤い身をかじかじしながら進むと白い硬い部分に到達した。


 ごすらんたん、ごすらんたん、ごすらんたん


其処を掘り進めて、皮の裏側まで来た。


 食卓の上に食材が並んでいた。トウモロコシを割ったら尻毛がでた。サトウキビ割ったら鼻血が出た。スイカを割ったら腹が出た。

スイカを割ったら腹が出た。十点。

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