セルフレジは大嫌いだったが
よく、「進んだ技術は魔法と変わらない」みたいな言葉を聞くことがありますが、今日、まさにそれを体験しました。
たぶん、都会にお住まいの方なら当たり前のことかもしれませんが、何しろ僕は、僻地で自宅のPCにインターネットも繋げていない状況です。
それでも、セルフレジの波はじわじわと地方にも来ていたのですが、自分はこれまで、そういった機械化が大嫌いでした。
まず、大手レンタルショップ。
次に、全国一、二の展開を見せているであろうスーパー。
そして中規模ゲームショップ……
どれもこれも一度は試してみたんですが(というか、店員さんに笑顔でうながされてしまったんですが)、めんどくさいことこの上ない。
しょっぱなからどのボタンを押すか迷ったり、進む選択肢がややこしく、画面がいま一つ判然としない。
スーパーだと、独り暮らしで買うものも多いから、レジのお姉さんより時間をかけながら商品を読み取らせるマネを延々とさせられ(ポイントより、もう「給料くれよ」と言いたくなる)、何か精神的な消耗があって、それからはどんなに時間がかかっても、人のいるレジにボーッと並ぶようにしていました。
……時間だけはいくらでもあるし、並びまくってるレジで事前にカードチャージしていない無神経な人間は別にしても、店員さんにならいくらゆっくり(丁寧に)仕事をされても、さほど気になりませんから。
それで、今日の昼、久しぶりに服を買うためにユニク○へ行ったんですよね……
上着を3着ほど持って、出口の方に行くと、「げっ!」となりました。
人のいるレジはなく、すべてセルフ化されています。
これまで、買い物をしていてその店でカゴを勧められたことはなかったんですが、このためか!と気付かされました。
「はい!こちらに、カゴのまま置いて下さって結構です!!」
わりと目つきの鋭い美人さんが、そのセルフコーナーを仕切ってらっしゃいました。
「……」
はあ~、とため息をつきたくなるような気分で、なぜか手前に配置された袋に入れるコーナーを越えて、レジの前に立ちます。
はい、ではお願いしま~す、と何の説明もなく、突き放されました。
「おい! どう見ても初心者(セルフ化後、初来店)なのに、操作説明なしかよ!?」
そんな文句も出かかりましたが、まずピッと表示された画面に驚きました。
雑に商品を放り込んだカゴの中の、種類の違うセーター2着とフリースの値段が、表示されています。
これには、「!?」としか反応できませんでした。
僕が時代から遅れまくってるんですかね……
どうやって識別されたのか、袖が絡み合っているような衣類が、もう支払い待ちで待機しています。
タッチパネルの表示も分かりやすく、迷うことなく(それでも他の人より時間をかけて)手続きを終えることができました。
帰りがけに、先ほどの美人さんに「あれ、何で識別されてるんですか?」と驚いて訊ねると、「さあ……ICチップですかね?」と当人も把握していない様子。
エヘヘ、と可愛い笑顔でごまかされましたが、まあ何はともあれ、初めて「これくらい簡単でスムーズなら、セルフレジも良いんじゃないか」と思わされました。
値札をつけられない、商品の豊富な食品スーパーでこれが可能なら、ものすごいことなんでしょうけどねー……
ちなみに、その帰りに弁当を買って、遊歩道のある公園で食べたんですけど(また一人で)、かなり寒かったんで、すり寄ってきたカラスにスパゲティーを何本かあげてしまいました。
とても美味しそうで、新しいセーターと共に、冬の友達が一人できた気分でした。