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64式小銃改3型始末  作者: 通りすがりの野良猫
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「ネズミ」がしっぽを出した

実は、日本共産党の山村工作隊の活動は、すでに監視下にあった

前述の「赤提灯の屋台」は実は陸上自衛隊中央調査隊分遣隊の監視下にあったのである。


「やはり奴がネズミか」 「そのようですね。屋台の親父と話込んでます」

某幹部がこっそり「特殊弾」の話をしていた赤提灯の屋台は、陸上自衛隊中央調査隊にとっくの昔からマークされていたのは、本人たちも全く気づいていなかったのである。


屋台はちょうど向かいに最近できた、今流行の「文化住宅」の二階から良く見えていて、出入りする人間もしっかり近くの街灯の明かりでしっかり撮影されている。


以前から山村工作隊関連の人物は警察予備隊発足以来、監視対象になっていた。


ただ、共産党が表向き支援をしなくなった後は監視の目も行き届きにくいものになっていたが、武装闘争の際に確認された、後方支援部門については、別件からの情報で、ある程度の内偵ができていた。


この後方支援部門が6全協での方針転換の表明後も密かに維持されていたのも確認されていた。

そのため、陸上自衛隊になってからも、中央調査隊は、継続して、後方支援部門を監視していたのである。


非合法の活動をするのも、口で言うほど簡単ではない。

2018年の日本の都会ならば、地域のつながりも薄く、隠れやすいだろうが、かれこれ55年も前の時代、ちょっと田舎に行くだけでも、地元以外の人間が目立つような時代である。

都会での生活も近所付き合いの色々ある時代であった。

そこに、名を隠し、身分を伏せて隠れ潜むのもなかなか難しいのである。

第一、連絡のための電話を引くのも簡単ではない。今のように携帯電話万能の時代ではない。


そのような苦しい暮らしをする非合法活動のメンバーを陰ながら支える後方支援のメンバーが必要なのである。


彼らは、会社員、はたまた、小さな店の商店主としての表向きの看板の元、連絡場所、はたまた退避場所の提供を図っている。

「赤提灯の屋台の親父」は、後方支援部門のこの地区での責任者、であるのがとっくにばれていたのである。


ただ、調査隊も狸である。

泳がすだけ泳がせて、関わりある「細胞」も捕捉することにして、分遣隊を組織して継続した監視を続けていたのである。

そこに、来た客は確認のため、帰路を尾行され身元確認されるが、昨日の客はなんと、機密である「特殊弾」に関わる陸上自衛隊幹部であるとわかった。


さらに探ってみると、訪問した幹部の自宅は確かに近くではあるが、部内の宴会などには自分からは参加しないし、自身でも酒は飲むほうでないと言っている。


怪しいのである。

そんな人物が今日も、2日続けて屋台に来る?


情報の世界では「偶然の出会い」など疑うことから始まるのである。




さあ、どうなりますやら

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