16/17
昭和62年夏
この年は異常なほどの渇水に首都圏は見舞われました
首都圏は久しぶりに渇水に見舞われた。
この時、東京郊外の溜め池に、古い車が沈んでいるのが、発見された。
引き上げると中年男性の遺体と思われる白骨が発見された。
車内に残された遺留品の中に、陸上自衛隊の身分証が見つかり防衛庁に照会したところ、昭和39年頃、当直を下番したのち行方不明となっていた某幹部であると判明した。
「個人的な理由からの自殺」とされこれ以上の追及はなされなかった。
しかし、平成になってから、とある過激派アジトが警察の家宅捜査され押収された膨大な記録の中に、彼の名前が見つかった。さらに彼が「総括」されたことを匂わす記録もあったが関係者が全て他界していたことから、これ以上の追及もなされず、歴史の中にうずもれていくことになったのである。
こうして事件は歴史に埋もれてきます




