陸上自衛隊ではどう処理したか?
核兵器をかっぱらわれるという空前絶後の不祥事をどう処理した?
今回の事件は、皮肉にも「すべて怪物のせい」にされた。
LM機の無断離陸は、「特殊任務」であったと事後処理された。
そして任務中に不幸にも、大戸島近海にて巨大な怪物と遭遇し喪われたことにされた。
またソ連海軍の潜水艦は、怪物により撃沈された場所は、我が国領海内であったが、怪物が潜水艦を抱えた姿が「たまたま哨戒中」だった海上自衛隊のP2Vー7から撮影されたことを根拠に、「怪物に運ばれた」とされたため、意図的な領海侵犯の疑いはないとされた。
あくまでも「公海上を無害に航行中、怪物に襲われた」ことにされたのである。
そして日本とソ連との間の非公式協議の後、少数ではあるが海上保安庁などにより救助された潜水艦乗組員は、東京で精密検査を受けた後に、羽田空港から特別便のアエロフロート機により帰国の途についた。
近くで遭難した漁船も、あくまでも通常の漁獲中に遭難したことにされた。
ここまで書くと、違和感を感じられるかもしれない。
あの海域には、漁船の乗組員や、LM機の乗員がいたはずであるからだ。そんな彼らが自衛隊に協力するような発言するわけない。
結論からいえば彼らは生き残れなかったのだ。
怪物に襲われた?いや違う。
そう、彼らは海上保安庁に助けられたはずである!
彼らの死因は全て同じ。急性の放射線障害である!
実は、怪物が漁船をくわえた時、例の「特殊弾改2」がコンテナごと噛み砕かれ、炸裂したのである。
しかし、以前にも述べたように「ケーシングに不良なもの」があるとなっていた。
今回、噛み砕かれた特殊弾は、この不良ケーシングを使っていたものであった。
トンでもない強烈な荷重をかけられた特殊弾は炸裂したのである。
しかし、外殻であるケーシングが、十分な強度がなかったことから、核分裂反応をきちんと起こせない「不完全爆発」になったのである。
もし、特殊弾改2が所定の性能を発揮していたら、さすがに怪物も頭を吹き飛ばされたんだが、核分裂反応が進まないうちにケーシングが破損、核物質が吹き飛ばされた結果、TNT火薬換算でわずか500kg!の破壊力しか発揮できなかった。
しかし、核分裂反応は確かに起きたため、近くにいた連中には、強烈な放射線被爆を招き、急性放射線障害を発症させたのだ。
爆心地の至近距離でなんら防護装備もないままに、放射線にさらされたのだから仕方ない。
なお、同じ海域にいた潜水艦の乗員は、多少の距離があったのと、潜水艦の船体が遮蔽してくれたおかげで、致命的な被爆を避けられたのだ。
なお、この結果から、陸上自衛隊内部で「特殊弾改2」の信頼性や威力に疑問がもたれ、さらに今回のような不祥事も発生、管理面でも問題が起きたことから、特殊弾改2を無理して維持する必要はないとなった。
その後、日米政府のトップレベルで会談、防衛庁、陸上自衛隊と米陸軍との実務レベルでの調整により、この特殊弾改2は全面的に返還されることになったのである。
また残った銃本体は、狙撃銃として各地の普通科連隊に再配置された。
大変だったようです