BTブイ投下!
助っ人のアメリカ海軍の対潜空母ホーネットから、Sー2Dが付近に潜伏しているだろう「東側」潜水艦の探索を開始しました。
CVSー12ホーネットからVSー37のSー2Dが3機順次発進する。
エセックス原級の油圧式カタパルトHー4と比べたら遥かに強力なスチームカタパルトHー11でフル装備のSー2Dもブライドルで引っ張られて楽々と離艦していく。
高度5000フィート、捜索の起点に到着すると1番機はBTブイを投下、海中水温分布を測定開始する。これにより水温による水中での音波の伝わり具合を予測し、対潜水艦作戦に役立てる訳である。
しかし、今日のBTブイのデータは妙である。
突然、水温がスポット的に上がり、またいつも通りのグラフを絵描き始める。
ソノブイ/レーダー手が戸惑いながら報告する。「キャプテン、妙なデータがあがって来てます。水温が上がる箇所がありますが?」
「何かの故障じゃないか?」
「約200フィートあたりのみ異常あり、そこから下はいつもと変わらないカーブですね」
「わかった。浅いから、降下してMADであたりをつけようか。MADプローブ伸ばせ。」
「ソーバック1より各機、MADスイープ用意」
リーダー機を中心に2番機、3番機が横隊を組む。
各機の胴体後端から磁気探知機AN/ASQー10A用のプローブが伸びてくる。
機体からの磁気の影響をできるだけ避けて、地磁気の変化を捕まえるためである。
鋼鉄の塊の潜水艦がいたらすぐ発見できる優れものである。
特に今のように3機で横隊を組み低空で、床吹きするようなMADスイープをかけていけば、まず捕捉できるだろう。
しかし、現実は違った。「MAD、感なしだって?」
「はい、キャプテン。」
ソノブイ担当の隣のMAD/ECM担当が、戸惑いながら報告する。
「各機とも、感なしです」
怪しげな不明目標、かつ MADに反応なし。
しかしある程度の熱がある。
「ソウバック1より各機直に高度5000に上昇せよ!直にだ」
編隊を組んだSー2Dはそのまま上昇して、回避した。
「キャプテンどうしました?」突然の上昇に副操縦士が面食らって質問した。
「海面下にいるのは、イワンどころじゃない怪物だぞ!
数年前にあの怪物が最初に発見されたのはこの近くの海域だ。あれからの東京がやられたのを知らんのか?」
「まさか!」
「ではBTブイに水温変化を与える熱源が、なぜ、MADスイープにかからない?母艦に報告しよう。」
「ソウバック1より報告、我未知の怪物と遭遇する。位置は、、、」
よりによってこんな晩に怪物の出現である。
なんか、イワンの潜水艦以上の大物がかかったようです




