65.俺の事、何だと思っているんですか。 Side リュート
今度は、リュート編!!
「フローディアさん!昨日の夜、ルディー先生に闇魔法をかけられたんだってね?本当の・・・事なの?」
その言葉は、俺にとって衝撃的な言葉だった。何故、アリスさんの口から、ルディー先生の事が出てくるのだろう?それに、フローディア様の態度は明らかに動揺していて。アリスさんが語っている事が事実なんだって、すぐに気付いた。
でも、フローディア様は頑な態度で臨もうとしていたので、ブチ切れた。そんな、笑顔で俺を誤魔化せるとでもお思いですか?俺は、貴方に何年仕えていると思っているんですか?正直、怒りがふつふつと湧いてくる。今朝も本当は誤魔化されていたんですか?何故、俺が知る事を拒むのですか?
そんな思いが、俺の中で蟠りとして残る。つい、怒りが表情に表れてしまった。
「フローディア様?何か、言いたい事があるなら、今のうちに言ってくださいね?」
フローディア様の表情が曇る。『もう、降参よ。』と言った感じであった。
「・・・はぁ・・・。アリスの言う通りだわ。私は、ルディー先生に闇魔法をかけられたわ。」
そう、おっしゃった時、俺はどうしようもない虚無感を覚えた。まるで、フローディア様との溝がそこにあったようにも思えた。
「ルディー先生が、闇魔法を使用する事を、最初から、知っていましたよね?」
「・・・だから、貴方には言いたくなかったのに。正直、アリスを泣かせたから、ムカついて、文句を言ったら、闇魔法をかけられたわ。でも、後悔はしていないわよ。寧ろ、ぶちかましてやったわよ。」
この言葉を聞いて、一層に。寧ろ、貴方、何やってくれてんですか。何、危険人物にやらかしているんですか。フローディア様が、アリスさんとルディー先生との関係に頭を抱えていたのは、ルディー先生が闇魔法の使い手だから。フローディア様は、ルディー先生の事を危険だと認識していたから、友人のアリスさんを特に心配していた。
フローディア様はアリスさんに問う。
「・・・アリスは、ルディー先生の事・・・好きなの?」
「えぇ、勿論、好きよ。」
えぇ!?本当に、惚れていたのか!?ちょっと、いくらなんでも教師と生徒の関係だぞ!?しかし、フローディア様がさらに、真剣な表情で言った。
「・・・ルディー先生は、以前、貴方に毒薬を飲ませた真犯人よ?貴方を何度も、殺そうとしたの。・・・マリーベールの事件もそうよ。あれは、陰でルディー先生が糸を引いていたのよ?だって、ルディー先生の家族を殺したのも、元はといえば貴方達のお父様なんですから。」
「へ・・・?」
・・・?なんだか、話が不穏になってきたぞ・・・。どういう事なんですか?というより、毒薬を飲ませた真犯人をサラッと言いましたね。やっぱり、危険人物じゃないですか!!でも、今は、二人の話の邪魔が出来ない。
「無知は罪。・・・貴方のお父様は元々、貴族の生まれだった。でも、貴方のお母様と出会い、駆け落ちした。でも、貴族から平民になるのは困難が伴う。だから、ルディー先生が貴族であった時。それ即ち、アディエル・ラザフォードであった時にね。貴方のお父様はラザフォード一族の情報を、情報が欲しい人にあげてしまったのよ。」
それに、リード皇子が反応する。
「ラザフォード一族って、あのラザフォード一族ですか!?」
え・・・。アズウェル皇国の貴族ですか!?フローディア様は、何で、知っているんですか!!ジル王子はリード皇子に問う。
「あの・・・とは、どういう事ですか?」
「アズウェル皇国には、ラザフォード家という、非常に知識に長けた貴族がおりました。その知識に惹かれ、情報を得ようとする輩も多くいて、それ故に10年前に、一族もろとも殺された、そう伝え聞いたのですが・・・。生き残りがいたのですね。しかし、名を捨てて、別人のように過ごさなければいけなかったというのは、とてもじゃないですが、辛かったのでしょうね。」
アリスさんは、非常に苦悩する様子が窺える。でも、しばらくして、彼女は言い切った。
「・・・だったら、余計に私が何とかしなくちゃっ!!情報をくれて、本当にありがとう、フローディアさん。」
そう言う彼女は、覚悟を決めていた。・・・俺も、見習わなくてはならないと強く思った。




