60.レイスの観察日記3。
前回は最後レイスらしくないなと思いつつも、話を進めていました。
俺の叫びにいち早く気が付いたのは、リード皇子だった。リード皇子はすぐに駆け寄ってくる。しかし、俺はこの状況を説明するのには、冷静さを欠いていた。リード皇子はよく分かっていない状況であるが、フローディアが闇魔法にかかっている事、近くにスティル・セイレーンがいる事から状況の把握をする。
・・・でも、そうじゃないんだ。けれど、俺はルディー先生にあんなに冷たい一面がある事を知らなかった。でも、フローディアは最初から分かっていたんだ。じゃなきゃ、アディエルとかいう、よく分からない単語を口にはしないだろう。きっと、フローディアはルディー先生の闇を知っている。だから、リュートに知らせたくなかったんだ。
でも、何で?リュートは守られるだけの男ではないでしょう?フローディアは一体何からリュートを守っていたんだ?
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フローディアはすぐに医務室に運ばれた。リード皇子が横抱きして運んだのだ。しかし、リード皇子もフローディアを医務室に運んだところで自身も倒れてしまった。ちなみに、俺も色々神経を尖らせて、魔法を発動させていた為、事情を説明する前に意識を失った。
目が覚めたら、リード皇子がこちらを見ていた。他の皆は・・・フローディアにつきっきりのアリアとリュートを除き、いなかった。アリアとリュートは眠っているが。無論、闇魔法に苦しんでいるフローディアも。
「それにしても、一体、昨日は何があったのですか?」
静かに尋ねられた。俺はー・・・。しばらく、黙り込む。昨日は、何があったんだっけ?俺は頭の中を整理する。
確か、アリスを尾行しているフローディアを尾行した。その時の記憶は・・・鮮明に覚えている。でも、俺はフローディアから口止めされている。万が一、俺が情報を漏らせば、フローディアに情報が聞き出せない。それは、俺にとって不都合だ。
「・・・んー?まだ、頭の中がぼんやりして、あまり・・・思い出せないや。」
リード皇子は不審に思うが、昨日の俺の動揺を見ていたのだろう。あまり、聞き出される事はなかった。が、目を覚ましたリュートには散々、聞かれた。リード皇子が何とか上手く説明してくれたけどね。
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「・・・にしても、何でフローディア様は、スティル・セイレーンに近付いたんでしょう?」
リュートが俺を睨むように、そして、自分を責めているようにも見えながらも呟いた。何で?自分が傍にいて、守れなかったんだと、ね?ジル王子は険しい顔で、フローディアを見る。
「・・・そうですよね。何の意図なしに近付くとは到底思えません。フローディアさんなら尚更。」
アリスはどこかへこんでいる。昨日は散々、泣いたんだろうか?目が若干腫れている気がする。・・・どちらの意味で、泣いたのかな?両方かな?
「フローディア、何で?闇魔法?にかかっちゃったんだろう。私、何も出来なかった。」
「・・・?それ、どういう事?」
俺はアリスの言っている事が気になった。もしかして、あの様子を見ていたんだろうか。いや、闇魔法にかかっている事にはあまり言及していない。気付いていないはず。代わりにリュートが答える。
「倒れている貴方達を見つけたのは、アリスさんなんですよ。医務室に用があったみたいで。」
「それ、何の用・・・?」
アリスは慌てふためく。
「え!?そ、それは・・・。」
・・・氷かな?それとも、ルディー先生に会いに行ったのか?・・・あんなに酷い事を言われたのに。
「・・・あまり、深くは追及しない事にするよ。それにしても・・・マリーベールの事件の生き残りって・・・?」
「・・・そこまでよ。レイス。それは、あなたが知り得なくてもいい情報だわ。」
いきなり、話に入ってきたのは、目を覚ましたフローディアだった。しかし、力が入らないのか、起き上がるのには苦労しているみたいだが。最終的にはリュートに手伝ってもらい、ベッドの上で座り込む。リュートは軽くフローディアを抱きしめる。
「・・・何で!?貴方は闇魔法にかかったんですか!!何で、その時俺は貴方の傍にいなかったんですか。そうしたら、貴方に危険な思いをさせずに済んだのに。」
フローディアはリュートに抱きしめ返す。
「・・・そんなに、心配させてしまったのね。でも、私は・・・貴方を守りたかったのよ。あの人がとても危険な事は重々承知だったもの。」
「じゃあ、何故近付いたんですか!?俺は守られるだけの人間じゃない!貴方を守る存在だ!」
2人はヒートアップしていくが、何だか会話が食い違っているのに、気が付いた。フローディアはルディー先生の事を言っているみたいだが、リュートはスティル・セイレーンについて話しているようだ。フローディアは途中で、気付き、リュートに話を合わせていた。途中、一回俺に視線を寄越した。口止め料の情報は得られるみたいだ。
最近、長めな話が多いです。




