56.フローディア様の悩み。
ゲームが本格的に始まったよって話ですね!
その日は即時解散となった。外が夜だった為である。アリアは選ばれし者として、学園内で有名になった。しかし、この日を境に攻略対象とのイベントが盛り沢山でもあった。・・・とは言え、アリアは逆ハーとはいかないものの、ジル様とルークのイベントを着々とこなしている。でも、2人ともトラウマや人に言えないような悩みがない為に好感度が上がっているかは微妙である。
問題は、アリスの方である。彼女はルディー先生のイベントしかこなしていない。そして、ゲームは同時並行に進んでおり、完全にルディー先生のルートに入った事を確認している。←イマココ
そう、今、完全にアリスはルディー先生のルートに入った事を確認してしまったのよ!他の人のルートには入らなかった。だって、イベントフラグが立たなかった。ましてや、イベントが起きるはずもない。
はぁ・・・。今、陰で様子を見守っていたが、これは本当に頭が痛くなってくる。
ここでの私の立ち回りはどうだったかしら?いや?自分から悪役令嬢になろうって訳じゃないのよ。ルディー先生のルートでのエンドで、私がどうなるかよ!
確か、ハッピーエンドでもバッドエンドでも、ルディー先生の闇魔法をさらに強くする為に、儀式を行い、私は生贄になって死んでしまうのだわ!・・・どっちにしても、私死ぬじゃない!!!
ゲームでは、直接的な繋がりは特にないが、闇魔法を手にしたフローディアはルディー先生にとって、ちょうど良い生贄なのだ。それを良いように使われる役どころなのだわ!!
・・・ん?でも、私、闇魔法を保有していないわよ?ゲームの中のレオン様さえ、闇魔法が使えなくなった後の話だもの。つまりはトゥルーエンドのルート後の話らしい(ゲームの設定では)。それに、現実問題、この世界のレオン様は闇魔法を持っていないし、何よりこの私が関わらせないようにしているもの。果たして誰がルディー先生にとってちょうど良い生贄なのかしら・・・?
私は1人の人物しか思い浮かばなかった。
スティル・セイレーン。
ただ、学園内で闇魔法を持っているのは彼1人だけだわ。じゃあ、何?私は敵を討とうとしている人物の息子を守らなければならないの?
それがハッピーエンドでかつ何より死傷者を出さない方法だわ。何だかやる気がなくなってくるわよ!!でも、やらなくては後でどんなしっぺ返しが返ってくるかも分からない。
つくづく私には厳しい状況である事には変わらないのだ。本当に転生者で、このゲームを愛する、悪役令嬢に転生した私にはこのゲーム世界、いや?現実世界で起ころうとしている事に今から憂鬱な気分になってくるのだった。
意外と短い?